中Ⅲ6〖僕は返事ができなかった。〗 第1話
中Ⅲ6〖僕は返事ができなかった。〗 第1話
(原題:愛妻のヌード撮影を見たい旦那―智弘と楓花の場合― 投稿者:流星 投稿日:20200319)
【皆さんにはどんな趣味があるのだろう? それは人に話せるだろうか。皆さんはどんな
望みがあるだろうか。それは叶うだろうか。皆さんはどんな欲望があるのだろうか。それ
は叶えるべきだろうか。
寝取らせ趣味と言うのをご存じだろうか。嫁や恋人を他の男性に肉体関係を結ばせることで興奮する倒錯的性癖の事だ。浮気や不倫と違うのは、夫の公認の行為になる。
僕(星野雅哉:ほしの・まさや:28歳)は結婚しているので、もし寝取らせるなら嫁(星野花蓮:ほしの・かれん:26歳)になる。もちろん、これまで寝取らせた経験などない。それどころか、花蓮は僕にそんな性癖があることすら知らない。
僕も一言も言わないし、全く気配すら出していない。しかし、僕には寝取らせを経験したいという欲望が渦巻いている。恐らく彼女に打ち明けると、驚かれ、呆れられ、拒まれるだろう。】
僕も嫁の花蓮も互いに初めての相手ではない。しかし、社会人になってから、付き合ったのはお互いだけで、二人共浮気など全くなかった。僕が花蓮と付き合ったのは趣味が同じだったからだである。
僕の趣味はカメラだった。学生時代から写真にはまり、風景や人物など撮りまわる。バイトで稼いだお金もカメラ代と撮影旅行費用に消えた。一応は写真の懸賞に応募をしたが、ぎりぎり入賞したくらいで終わる。
大学を卒業してプロのカメラマンになるだけの実力も気概もなく、それでもカメラから離れられなくて、カメラメーカーに就職した。そこで、カメラの開発や企画ができれば良かったのだろうけれど、僕が配属されたのは営業。家電やカメラの量販店に行き、新製品の売り込みをして注文を受ける。まあ、苦労が多く、喝采を受けるのは他部署で、縁の下の力持ち的な仕事だった。
その中で、あるカメラ量販店にいたのが花蓮である。彼女も写真が好きで、僕と同じく写真家になるほどの才能もなく、それでもカメラから離れられずに、売る仕事に就いていた。彼女の印象は、量販店の店員なので決して派手な感じはない。それに身長もそんなに高くなく、平均よりほんの少し低かった。
更に仕事中は立ち続けがちなので、ヒールのある靴を履かないので余計に低く見える。髪もあまり染めずに、肩までのストレートで大人しい印象があった。顔も派手な感じはなかったが、接客で慣れているのか笑顔がかわいい。体型は普通で、どちらかと言うと起伏の少ない印象がある。だが、それは店の制服のせいであり、ある時に私服を見ることがありと、かなり胸は大きく、お尻も丸く可愛く、その時の僕の印象は一言で表すと《当たり!》だった。
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20200625
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