中L 寝とらせの行方vol.23
中L 寝とらせの行方vol.23
僕(松本和真:まつもと・かずま:32歳) 妻(松本典子:まつもと・のりこ:30歳)
成田(壮一:なりた・そういち:40歳:社長)
妻の典子に思いを寄せる成田社長は、着々と手を打って(将来を予測して必要な対策を講ずる。)きている。僕もとりあえず対策を講じなければならないが今のところは頭の中に何一つ浮かばなかった。《もちろん嫁を寝取らせる方向には向いているのは良いことだ。》先ずは、いま来たメールを典子に見せることにする。
嫁にスマホを渡し「成田社長からこんなメールが届いたよ。」と告げた。『ほらね。昨日私
が話したとおりでしょ。どうするの?』って訊ねてくる。僕は「どうするって? 典子が
行きたけりゃ行けばいいよ。」と答える。そうすると、『行きたくないって言ったら大森君
はどうするの?』って意味深な笑いを添えて訊いてきた。
横で遊んでいた娘のみのりが〚ママきょうもおでかけ?〛て聞いてくる。典子が『今日はみのりとパパとママで買い物に行くよ。』って言うと、みのりは万歳をして〚ワッ~ やった~ やった~〛って大騒ぎ。『メールの返事は和真に任せたわ。私は和真のいう通りにするから。ほら、みのりとお出かけの支度をしなけりゃね。和真も急いでよ。』て足早にみのりを連れて行ってしまった。
取り残された僕は、買い物から帰ってから“返事”を考えようと着替えに取り掛かる。百貨店って子どもの時分から何かしらワクワクさせるものがあった。両親が子どもと来るのは何か食べさせるか買い与えるかの目的があってだろう。そこを子どもは本能的に察知する。三人で渋谷の百貨店にやってきた。娘のみのりははしゃいでいる。「う~ん感性が鋭いな。」と妙に感心をした。
軍資金の一部は昨日成田社長から典子が頂いた全国の百貨店で使える1万円分の商品券である。典子が『今日は和真のも買ってあげるからね。』て言ってきた。僕は「1万円がベースだからみのりと典子だけでいいよ。」と答える。すると申し訳なさそうな顔で『ごめんなさい。本当は成田さんから貰ったのは3万円の商品券なの・・怒るよね。』って妻に云われ、なぜだか変な嫉妬を覚えたが、典子を金で買われたようなマゾ的な感覚に襲われた。
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20200727
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