名U トライアングル・リレーション 第14話
名U トライアングル・リレーション 第14話
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僕(立木一幸:たちき・かずゆき:29歳) 嫁(立木優希:たちき・ゆうき:27歳) 親友(倉橋悠馬:くらはし・ゆうま:29歳:僕の同級生で独身)
そのまま眠りに付こうとする嫁に僕が話し掛けた。
「なぁ、また悠馬を呼んでもいいかな?」
『・・・。それって、どういう意味? 私が悠馬さんにまた抱かれるっていうこと・・・?』
「うん、まぁ・・・。そういう事かな・・・。」
『・・・・・・・。』優希はしばらく言葉を発しない。
そして、優希が少し悲しそうな表情で、口を開く。
『・・・・そんな事・・・・悠馬さんが嫌だと云うに決まってるじゃない。』
「あいつはまだ優希の事を好きだと思う。あいつさえ良ければいいって事だね?」
『・・・・・・。』嫁は返事をしなかった。
「悠馬が良いなら優希もいいんだな?」
『・・・・もう一幸の勝手にすれば・・・。』
この瞬間に夫公認の奇妙な“トライアングル・リレーション(三角関係)”が出来上がる。
僕が翌日すぐに悠馬に連絡をすると、電話の向こうでは飛び上がるほど悠馬が喜ぶ声が聞こえていた。僕はというと、これから起こり得る事に対して興奮するのと同時に、少しの後悔もあり、複雑な心境である。ひょっとすると、《人としての道を踏み外したかな。》と思ったが、もう後戻りする気は無かった。
《一年前の公認から、少なくとも隔週に一度は会わせています。だからこの一年で20回以上?かな・・・。つまり、〖エピソード〗もそれだけあったという事です。この一年、心臓が鷲掴みにされるような苦しさを味わったけど、同じかそれ以上の、正に“異常なくらいの興奮”もあった。勿論、今でもその関係は続いています。》
【公認関係】となってから始めて悠馬を家に呼んだ時の事でした。金曜日の夜、仕事を終えてから居酒屋で待ち合わせる事になる。優希は遅れてくるそうだ。既にテーブルで待っていた悠馬はテンションが高く、よく喋る。僕は少し引いていた。
「悠馬さ、お前やけにテンション高くない?」
〔そりゃ当たり前だろ。〕
「本当は、もっと若い女の子ナンパしていた方が良いんじゃないの?」
〔しないしない、もうナンパなんかしない。優希ちゃん一筋!〕
「・・・・お前、そんなに優希がいいの?」
〔だってそうだろ。美人だし、ダイナマイトボディだもん。〕
「じゃあ何で振ったの?」
〔それは・・・。若かったから・・・。今から思うと失敗したと思ったよ、マジで。〕
悠馬はかなり後悔しているようだった。《あれから何年も経っているのに・・・。》とは思う。
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20200718
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