中L 寝とらせの行方vol.21
中L 寝とらせの行方vol.21
僕(松本和真:まつもと・かずま:32歳) 妻(松本典子:まつもと・のりこ:30歳)
成田(壮一:なりた・そういち:40歳:社長)
成田社長は土曜日に関わらず午後から商談があると、地階に移りスイーツ店でフルーツゼリーの詰め合わせとロールケーキ(ストロベリーヨーグルト)を買って下さり、社長は〔これは留守番をしているみのりちゃんへのお土産それと本日のお礼として1万円の商品券です。〕と丁寧に頭を下げられたので受け取った。加えて、〔これでお家に帰ってください。〕ってタクシーチケットまで下さる。
それで百貨店の前で成田社長は迎えの車に乗って行き、典子は滅多に来ない百貨店なのでウインドショッピングの後、頂いたタクシーチケットで帰宅した。典子曰く『優雅でリッチな気分ながら慣れないタクシーに緊張した。』
娘のみのりは、思いがけない“三時のおやつ”に大喜びである。僕は典子の報告を聞きながら複雑な感情を持っていた。それは高校時代に片思いだった子が休日に別の男と手をつないでいるのを見た時と同じような気分である。それと自分と成田社長を対比して、やっぱり財力、スマートさなど男として負けている劣等感も感じていた。
ただ、妻が魅力ある男性(今回なら成田社長)にモテるといった状況は僕の性癖にマッチする。典子に対する僕の信頼は揺るがない。だから、どんなに口説かれても典子が堕ちないと思っていた。そうだけれど、もし典子が男性の誘いを受け入れることになればと妄想する。そして、いまのところはそうなることへの覚悟がないのだが、万が一受け入れたとしても肉体面(セックス)のみで心の部分はいつも僕のことを思っていて欲しいと・・・。
その日、夕食を済ませ、僕がみのりをお風呂に入れる。今日は一日パパと遊べたので大満足の様子ではしゃぎすぎたのか、お風呂から上がるとすぐ眠ってしまう。典子は夕食の後片付けをして、みのりをこども部屋に寝かしつけると、お風呂に入った。
典子が出てくると、僕が「今日はお疲れ様でした。」と妻を労(ねぎら)う。『うん。やっぱり緊張していたのかな? なんだか疲れたわ。』って肩をまわした。「典子、ワインでも飲もうか?」と次のことを考えて勧めてみる。『いいわね。用意するね。』てキッチンに行き、簡単なおつまみとポルトガル産のロゼワインを運んできた。
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20200725
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