長18『愛しているのはあなただけ(笑)』第3話
長18『愛しているのはあなただけ(笑)』第3話
数か月後、嫁(宮澤里穂:みやざわ・りほ:28歳)の態度が余所余所しい時がある事に僕(宮澤雅弘:みやざわ・まさひろ:30歳)は気付きます。そして自宅に戻る時間が遅くなる事も多くなってきた。
「仕事忙しいの?」
『うん、偶にね。』
《そんなに残業が多い事は無い筈だが・・・ 男?》
この数か月、僕と週一でセックスはしています。ただ僕とセックスするのは決まって休日前だった。
《平日に・・・?》
しかしほかの男とセックスしたら報告する事は里穂と約束しています。
《約束を反故された?》
僕は平静を装いながらも勃起していた。それについて里穂に聞こうと思ったが、向こうが隠しているなら暴いてやろうと思います。何かゲームをしているような気がした。その日は直帰してきたようで珍しく営業バックがテーブルの上に置いてあります。僕は嫁が風呂に入った隙にカバンの中を漁った。その中の手帳をパラパラと見ます。色々な名前とアポイントの時間が書き込んであった。
《ヤケに加藤という名前が多いな・・。》
カバンにはファイルもあり、顧客の住所等が書いた物があります。加藤だけを探すと2件あったのでそれをメモしカバンに戻した。もう一度手帳を見てみると3日後に加藤のアポがあった。
《こっちの加藤だな・・。》
ファイルの情報から緊急連絡先に長男の携帯番号が書かれている方に目星をつけます。3日後、目星をつけた加藤の自宅近くにノー看板の社用車を止めていた。アポイントの時間を過ぎても里穂の社用車は現れない。20分後もうひとりの加藤の自宅に向かったが里穂の社用車は無かった。
《アポが無くなったか外で会っているのか・・・。》
僕も仕事のアポイントがあったのでその日は仕事に戻ります。その仕事を終え自宅に帰ると嫁は帰っていた。疑いの目があるからそう映るのか僕には里穂は余所余所しく思えます。興奮を隠しきれず僕はその晩嫁にセックスを迫った。
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20200423
長14「マゾ亭主の性癖」第12回
第11回 20200107
「福島(忠雄:ふくしま・ただお:53歳)さん、そろそろホテルへ行きましょう。」
私(今宮陽一郎:いまみや・よういちろう:41歳)はこれ以上興奮すると、事故を起こしかねないので阪神高速を降りて、生玉(いくたま)のラブホテルへ向いました。
ホテルの部屋に入ると、この日は風呂に入らず、そのまま3人でベッド。照明も消さずに妻(今宮京香:いまみや・きょうか:38歳)を裸にします。そして、男ふたりも裸になりました。私が上半身、福島さんは下半身を責めます。乳首を弄りながら、うなじから、耳たぶを舐め、舌を吸いあげました。
福島さんが、クリトリスを舐めながら、指を差し込んで1本、2本、『あっ・・やめて・・おかしくなる。』って京香は強烈な快感が押し寄せているようです。私は妻にフェラチオをさせました。
同時に福島さんがアナルを舐めたようです。咥えたチンポを離して『イヤーだめー・・そこだめー。』って声をだしました。妻のアナルを開発しようとして、アナルバイブなど使ったこともありましたが、アナルSEXはしたことはありません。
福島さんは、移動して京香の顔の前に、ビンビンに勃起しているペニスを、私は初めて目近で見ました。妻の話していたシリコンボールが亀頭の近くに2,3個、根元にも数個あります。イボイボがゴツゴツしていました。うらやましいほど、亀頭が大きく立派です。
〔奥さん、こっちのも舐めてよ。〕と、鼻先に、透明の液を滴らせてる亀頭を突き付けてきました。京香が言われたとおりに、口に含みネットリと舐めます。〔気持ちいいね・・上手いよ、これは好いぜ・・。〕と、私もたまらずペニスを舐めさせました。妄想していたダブ
ルフェラです。何度も交互に舐めさせて、それから2人で口とオメコを交替しながら犯しました。
『アアアーーー、イイー、いいわいいわ・・。』
妻は福島さんに、オメコを突き上げられてのたうっています。福島さんも、たっぷりオメコの感触を味わいながら、激しく腰を使いました。
〔ご主人、奥さんの口に出していいですか?〕
「はい・・・。」
〔許可が出たよ。それじゃ出すぞ!〕
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20200422
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第36章
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第36章
数度のセックスで後藤(和真:ごとう・かずま:30歳)さんと嫁(柴﨑博美:しばさき・ひろみ:27歳)が慣れたからなのか、後藤さんはマッサージの時みたいに博美に命令している。そして、博美は後藤さんに敬語を使っていた。
〔今までやった中で俺が一番気持ちいいだろ。〕
《後藤さんはこう言えば俺(柴﨑将嗣:しばさき・まさし:32歳)が興奮・嫉妬することを心得ている。》
『もうやだ、また。あっ! 逝くっ!』
〔どうかな今までで俺が一番気持ちいい?〕
『逝くよ! あっあっあっ! 凄いよ。気持ちいいっ!』
(博美は後藤さんに何度促されても比べることはしなかった。)
お互い息を切らした荒い声が聞こえてきて、嫁の博美が途中で後藤さんに伝える。
『逝って! 後藤さんも逝って!!』
〔博美がちゃんと逝ったらな。〕
(ここでも後藤さんは呼び捨てにしていた。)
『駄目早く! 逝って!』
〔おれまだ逝かないよ。博美は気持ち良いのか?〕
『ああもうっ・・気持ちいい! 後藤さんっ!』
博美の気持ちいい連呼の後のイキ声と後藤さんが逝くタイミングで俺は射精をする。後藤さんが逝った後、まだ博美が喘いでいる中で電話が切れた。そして、10分後に後藤さんから、〔電話は通じていましたか? 今日はこれでおしまいです。〕と、メールが来る。
日曜日の昼過ぎに帰ってきた嫁はかなり照れくさそうにしていた。それから、二人はゆったりとしたセックスをする。ピロートークでは『トーハクはすごいよ。絵画も彫刻も仏像も本当に素晴らしかった。今度は絶対二人で行こうね。』って言われた。
昨日のことを尋ねると『将嗣君があんな事言うから、後藤さんに1回だけマッサージ(セックス)してもらちゃったよ。』って、(完全に嘘だけど)恥ずかしそうに答える。それよりも、嫁が『デート中は後藤さんと手を繋ぎ合っていたよ。』っての報告の方が嫉妬心は半端ない。でもそれ以上は詳しい話しを聞けなかった。それで「博美、眠くないの?」と尋ねる。『なんで?』、「目の下にクマできてるよ。」
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20200414
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第35章
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第35章
それから暫くした23時過ぎに嫁(柴﨑博美:しばさき・ひろみ:27歳)からの電話。それに出たら、『あ、将嗣君・・・ 起こしちゃった?』に、俺(柴﨑将嗣:しばさき・まさし:32歳)は出来るだけ嫁に優しい声を出そうと思った。「どうした?」のと聞いてみる。ただ明らかに博美はベッドの中らしいが、後藤和真(ごとう・かずま:30歳)さんが近くにいるのかは分からなかった。
『ごめんね。寝てたのかな? 結局ね後藤さんに部屋を取ってもらった。』
「まだ起きてたよ。体調は良くなった?」
『・・うん。大分良くなってきたわ。』
「後藤はどうした?」
『あ・・の・・別の部屋を取ったよ。』
「そう。明日お礼言っといて。」
『うん・・わかった。』
暫く話しをして最後に俺が、「博美ゆっくり休みな。」、『お休みなさい・・・ あのね・・。』って何か言いたそうで、「えっ? なんだい?」、『なんでもないの・・今日はごめんね・・明日帰るね。』って云って携帯を切った。
後藤さんからの“最後の電話”は深夜の1時頃である。勿論俺は寝ていなかった。その時も一瞬で電話に出る。その瞬間、『ああっ! あっあっあっああんっ!』っていうさっきよりも切羽詰った感じの博美の逝く寸前の喘ぎ声。電話をとった瞬間に覚悟は決まっていたけれど電話越しの嫁の声は凄くエロかった。
それから後藤さんがドSモードで名前を呼び捨てにする。〔博美、気持ちよかったのか? あ?〕という声が被さってきた。後藤さんもかなり息が弾んでいる。嫁の『あんっ判んないっ!』って声の後、『あんっあっあっあっあっあっ!』って勢い良く突かれている高い声。その後に声がトーンダウンした。
暫くして博美がはあはあ言いながら、『もう激しくしすぎ、後藤さん。』、〔こういうの好きだろ博美ちゃん?〕っていう後藤さんの自信ありげな言葉に、博美が、『・・・嫌いじゃないけど。良く判んないの、凄すぎてっ。』って答える。そういう甘ったるい会話だった。
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20200413
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第34章
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第34章
嫁(柴﨑博美:しばさき・ひろみ:27歳)と後藤和真(ごとう・かずま:30歳)さんが少し俺(柴﨑将嗣:しばさき・まさし:32歳)のことを話題にしたのちに、がさがさっとしてから2秒程して博美が爆笑する。
『あはは、嘘、それ嘘ですよ!』
〔嘘じゃないって。男はそういうもんだから。〕
『絶対嘘!』
最初は意味が全然わからなかったのだけど、博美が笑いながら反論していた。
『じゃあ何? 後藤さんは黒人の人には敬語使うの?』
〔使うよ。当たり前だろ? おれ、黒人なんか見たらその瞬間に、あ、鞄持ちます。パン買ってきますよとダッシュで。と言うよ。〕との言葉に嫁が笑っている。
つまりはそういう事で、後藤さんの〔もう一回言ってよ。〕という声と博美の“もにょもにょ”した声と笑い声がした。それから何度も後藤さんの〔もう一回。〕という声の後に嫁が冗談ぽい不貞腐れたような声で、『後藤さんのおちんちんはおっきい! もう! はい、おしまい!』って言って後藤さんが、〔もう一回ちゃんと言わせてやるからな。〕とか言っている。
実際ここまで俺は後藤さんの裸自体を見たことが無かったから分からないけど、そうやって博美に明らかに比較されたのはショックだった。暫くして、がさがさっと音がして電話が切れるが、その前に後藤さんが言った言葉に引っかかる。〔さっきの事だけど、柴﨑さん以外は今言った人だけ?〕に、博美が『・・うん。でも将嗣君には絶対内緒だよ。』っての甘えた声に俺はどきっとした。
〔へー。柴﨑さんは詳しいことは知らないんだ?〕という後藤さんの声だけが印象に残る。後藤さんは嫁に過去の男を聞きながらセックスをしていたらしい。博美は結婚前の事(男関係)は、これまでも俺にはあまり言わなかった。後藤さんがかなりしつこく聞いて今さっき聞きだしたらしい。嫁の男関係の話はそこまでで、特に後藤さんもこれ以上は詳しくは聞き出していなかった。
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20200412
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第33章
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第33章
次に電話が来たのは30分してからである。その間さっきの嫁(柴﨑博美:しばさき・ひろみ:27歳)が逝くときの甘い声が耳について離れなくてずっと俺(柴﨑将嗣:しばさき・まさし:32歳)はぼうっとしてスマートフォンを見ていた。電話を取った瞬間に博美と後藤和真(ごとう・かずま:30歳)さんの会話が飛び込んでくる。さっきもそうだけど会話はクリアに聞こえた。
『後藤さん、電話なの?』
〔いや、メールだから。いいよ気にしなくても。〕
『あ、でも、さっきの後藤さんのいう事、私判るかも。』
〔セックスって気持ち良いとかそういうのもあるけど、その人と知り合いたいっていう気持ちがやっぱり大事だと思うんだ。〕
『うん。うん。』
〔でもね、結婚してないからおれは良くわかんないけどな。〕
ふたりの“あはははは”みたいな笑い声が聞こえる。完全なピロートークで、嫁の声も甘かった。博美と後藤さんの間に心の壁が無くなったような会話。実際嫁と後藤さんは抱き合いながら話している。
《セックスも心を締め付けられるが、それ以上にこうした日常会話も俺には堪えた。》
後藤さんはこの会話を俺に聞かせるのが前提だけど、博美の声は一つ一つ聞こえてくるのが痛いというか俺には聞かせない甘い声って感じで聞こえる。。
〔こうやって抱き合うだけでも気持いいよね。〕
『・・・あ、うん。こうしているだけでも気持いい。』
とか一つ一つ心に突き刺さった。
嫁が後藤さんに会話をリードされている。それで後藤さんの、〔夫婦のセックスとこういうセックスは別もんだから。〕という話に、『何かちょっと判るかも。』っていう話も語ったりもしていた。途中で博美の鼻声がして、二人がキスするような音も聞こえる。その回の電話は長かった。その間に一番悶(もだ)えたのは後藤さんが誘導して博美に言わせたこれである。
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20200411
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第32章
〔すいません、柴﨑(将嗣:しばさき・まさし:32歳)さん。〕と後藤和真(ごとう・かずま:30歳)さんが猿芝居を打ってきた。
「もうやりました?」
〔はい。6時位からです。美味しく頂きましたよ。〕
雰囲気作りが上手い後藤さんはいかにも食事の話っぽく話しているのだけど、明らかに嫁(柴﨑博美:しばさき・ひろみ:27歳)とセックスしたって事を示している。こういう返しがすぐに出てくるのが凄いけど、俺はその時はソファに座りながら心臓がバクバクしていて、それどころじゃなかった。
後藤さんは俺の返事もない中でに構わず一人で適当な事を話した後、〔柴﨑さん、博美さんに別の部屋をとりましたのでご安心ください。明日帰る時に又連絡します。〕と言って電話が切れる。今までの2回の経験で大分慣れたかと思ったけど、その電話の後は本当に焦った。自分が望んだ事なのに俺は苛々と焦燥感で、あーーーーー!と頭掻き毟ったり、意味もなくテレビをパチパチ付けたり消したりする。
テレビが付いていたら音が煩(うるさ)くて消してしまった。しかし静かな空間に時計の“カチ、カチ”って音が苛々する。俺は部屋の中でビールを飲みながら、何の変化もみせないスマートフォンを見つめていた。
何度も何度もこの〖貸し出し〗を後悔して、嫁のスマートフォンに何度も掛けようとする。この時が人生で一番スマートフォンを眺めた時間だったかもしれない。それでも博美にばかり罪を負わせようとしている贖罪から、「気分が良くなったら後藤にマッサージをしてもらってもいいよ。」とメールを打つ。30分くらいしてスマートフォンの着信音が鳴った。発信者は後藤さんだったから俺は一瞬で電話にでる。
スマホを耳につけた瞬間、がさがさって音の後に嫁の喘ぎ声がした。しかもバックの時の目茶目茶感じている声。博美が逝(い)く寸前の、でもこれまでこんなに大きな声は聞いたこと無いって声である。
嫁が逝く時には、『逝く! 逝く!』って何度も繰り返すのだけど電話の向こうからその逝く声が、『やだ逝くっ! 逝きそう後藤さん、逝きそう。あっ! 逝っちゃう! 逝きそう! 逝きそう!逝っちゃう!』博美の喘ぎ声と一緒に後藤さんが博美の名前を呼んだ瞬間に通話が切れた。その時は心臓が締め付けられるみたいだったけど、正直に言うと一瞬で物凄く興奮をする。これも後藤さんの俺に対する雰囲気作りだったのかもしれないと思った。(Mの感性に響く。と同時に嫁の歓喜に贖罪されて心が穏やかにもなる。)
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20200410
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第31章
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第31章
嫁(柴﨑博美:しばさき・ひろみ:27歳)が深呼吸をしているみたいな声をだした。
『ちょっと私、飲みすぎちゃったみたいで、少し気分が悪くて。後藤(和真:ごとう・かずま:30歳)さんがね、〔休んで行った方がいい。〕って言ってくれて・・・。』
「うん。それで?」
『将嗣君がいいなら、後藤さんが部屋を取ってくれるっていうから、帰るの明日になってもいい?』
「今ホテルの部屋?」
『違うわ。ロビーからだよ。もし駄目なら私、タクシーで帰る・・・ あの、後藤さんが送ってくれるって・・・。』
俺(柴﨑将嗣:しばさき・まさし:32歳)はドキドキって言うより今電話の向こうで博美は裸なのだよなって思って心臓がきゅうっとなりながら尋ねた。
「もうマッサージしちゃった?」
嫁が一瞬押し黙る。
『・・・してない。してないよ。何言っているの!』
「今ホテルに来たところなの?」
『ううん。ホテルのレストランで食事して・・・。』
「それで飲み過ぎたんだ。」
『そうなの。』
「・・・いいよ、泊まってきても。今日のデートは楽しかった?」
『うん。』
「それは良かったね。明日帰るときに電話してくれる。」
『うん。そうする・・・ 将嗣君ごめんね。』
「俺の事は気にしないで、飲みすぎたのならゆっくり休んでおいで。」
『・・・ん。わかった。ありがとう。』
「後藤に替ってくれる?」
『はい。』って博美の声がして後藤さんが出た。
〔すいません、柴﨑さん。〕と後藤さんが猿芝居を打ってくる。
「もうやりました?」
〔はい。6時位からです。美味しく頂きましたよ。〕
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20200409
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第31章
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第31章
嫁(柴﨑博美:しばさき・ひろみ:27歳)の『っていうかぁ、食事だけって話でした。』の言葉が後藤に甘えるような咎めるみたいな口調だったから、食事だけって言葉がもう既に嘘になっているって感じが薄々判って、この衝撃も凄かった。
後藤和真(ごとう・かずま:30歳)さんの次の言葉ではっきりする。〔ゴメンゴメン。そういや博美ちゃんにまだ飯喰わせてないよな。〕、『それ最悪ですよねー。』って悪戯っぽい嫁の声。俺(柴﨑将嗣:しばさき・まさし:32歳)は本気でガタガタガタって手が震えてきて、左手で右手を抑えた位だった。これが【寝取らせ】の現実だと思い知る。博美を他の男に抱かせる(セックスさせる)のを承知しているが、二人の会話の中で、特に嫁が“甘い声”で喋る部分は実に心が痛んだ。
その後で博美が、『本当に将嗣君(俺)が泊まりOKなら最初から言うはずだもん?』って言うのを、後藤さんが宥(なだ)めたりしている会話が続く。それがいかにも嫁を宥(なだ)めているって感じで胸がもやもやした。しかもその途中で後藤さんが、〔でもさ博美ちゃんはもう裸になってるよ。〕と言った事でもう1回はやっている事や、博美がまだ裸でいる事が判って呆然とする。
この会話を聞いていて、俺がいないシュチュエーション(状態・事態・局面)で嫁の博美が俺の話をしているのを聞くのは、凄く奇妙な感覚だと思った。(ただし博美は電話で盗聴されていることは全く知らない。)他人の会話(とはいえ嫁の会話)って凄く雑談と、逆に真面目な感じの話が前後して混ざっている。その話を聞いていても嫁が煙草を嫌いな話とかが途中に挟まったりして脈絡がない事も多かった。
結局後藤さんが〔じゃあ、おれが柴﨑さんに電話するよ。〕と言う、博美の『えー! それはちょっと、待って待って、え、後藤さん待ってって!』っていう声の後、スマートフォンがぶちって切れる。この電話の会話には興奮もしたし、呆然としていたってのもあったけど、思ったより嫁と後藤さんが親しげな口調だったことに対してなんか凄く強く嫉妬した。(それより興奮が半端なく、プレイを終了しようとは思わない。)
そこから5分後に博美から電話が掛かってくる。すぐ取ると変かもしれないと思って5回くらい鳴らしてから取った。「もしもし。」、『あ、・・・将嗣君、私、あのね。・・・ふう・・。』
電話の向こうで嫁が深呼吸をしているみたいな声の後に、『ちょっと私、飲みすぎちゃったみたいで、少し気分が悪くて。後藤さんがね、〔休んで行った方がいい。〕って言ってくれて・・・。』(最初から喋る内容を決めていたセリフのような話し方)俺も喉がカラカラだったけど博美の言葉に「うん。それで?」って返事をした。
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20200408
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第30章
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第30章
18時以降の時間が凄く長かった。結局後藤和真(ごとう・かずま:30歳)さんから着信があったのは20時半。俺(柴﨑将嗣:しばさき・まさし:32歳)は、それまで何度も後藤さんに電話(終了の合図)しそうになる。そして何よりも嫁(柴﨑博美:しばさき・ひろみ:27歳)に電話をかけたくなった。19時以降は、何回通話ボタン押して、博美の番号が流れきる前に切るってのを繰り返したか分からない。
突然かかってきた電話を取った瞬間に、後藤さんの声が、〔あ、もしもし後藤です。▲▲の件。うん。〕と、余所行きの声で演技だと思ったので黙っていた。俺が一言だけ「まだホテル?」、〔ああ、うん。そうそう。それでさ、火曜日に資材を運ばないといけないから・・・。〕ぺらぺらぺらっと後藤さんが一方的に喋っている。〔じゃあよろしく。〕と言った後で、次にガサガサ、そしてボスというスマートフォンを置く音がした。
『電話してます?』って近くから博美の声がする。その声で俺の動悸は跳ね上がった。どう聞いても横になって寝ながら発している声だったから、ホテルの部屋のベッドからなのは間違い無い。しかも気だるげな声だった。
〔仕事関係。土曜日に仕事させんなって感じだよな。〕で、博美の笑い声とともに『社長さんに土日は無いんでしょ?』それに後藤さんの笑い声が聞こえる。そういう遣り取りがスマートフォンの奥で意外とクリアに聞こえて来た。勿論聞き取れない声とかは良く判らない部分もあったけれど、ガサガサと歩き回っている音とか会話は意外とちゃんと聞こえる。
それから暫くして後藤さんと嫁の声。
〔どうする? 柴﨑さんに今のうちに電話しちゃわないか?〕
『ええ! 今から? 電話、できないよ・・なんて言うの?・・。』
〔だから、柴﨑さんは泊まりオッケーだって言ってたよ。博美ちゃん聞いて無い?〕
『え、本当に聞いて無いですよ。っていうか、食事だけって話でした。』
嫁にこんなことをさせている罪悪感に電話を握った俺の手が震えた。
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20200407
特名Ⅲ 〚僕と彼女 嫉妬と興奮の狭間に〛第12回
第11回 20200115
河上正樹(かわかみ・まさき:21歳)はカーテン閉めた後、ベッドの横に座って濃方博美(のうかた・ひろみ:19歳)の携帯を見ながらTVをつけます。カーテンを閉めてくれたおかげで僕(柴﨑将嗣:しばさき・まさし:24歳)は見つかる心配が少し薄れてほっとしました。窓があいていたので、TVの音も聞こえてきます。なんかもう、見つかったら僕の居場所がなくなるような気がして、うまく表現できないのですが胸が苦しくなった。
博美がシャワー浴び終わる頃になると河上はベッドに寄りかかって座り、博美を待っているようです。シャワーから出てきた博美はTシャツに下はちょっとだぼっとしたズボンでした。
〔あれ。パジャマじゃないんだ。でも髪濡れてて色っぽいかもな。〕
『いっつもはパジャマなんですけど・・・。今日は先輩いるから・・。』
〔ははっ。もう大丈夫だって。もう寝る?」
『んー。このあとのTVちょっとだけ見たいんですけど、いいですか?』
〔ああ、もちろん付き合うさ。こっち座んなよ。〕
こんなやり取りの後、二人は並んでベッドに寄りかかりながらTVを見ています。番組は確か、若手のお笑い芸人が出ていたが、僕には見覚えなかったので京都でしかやっていなかったのかもしれません。河上はタバコを吸いながら、その左に博美がジュースを飲みながら体育座りで座っていました。
しばらく(15分位)TVを見ていたのですが、河上が博美の肩に手を伸ばしてきます。
『ダメ先輩! もう無しです。』
〔なんか手が寂しくってさ。〕
〔あれ! なに? 寝るのにブラつけてるの? なんで?〕
『ダメだってー。今日はちゃんとした格好で寝るの。もうねますよー。はいはい、離れて、
離れてください。』
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20200406
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第29章
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第29章
13時頃、後藤和真(ごとう・かずま:30歳)さんからのメール、〔博美ちゃんと合流しました! デートしてきます!〕が来た。14時頃に嫁(柴﨑博美:しばさき・ひろみ:27歳)からも、『桜が凄いよ! 東京国立博物館、今度は二人で来ようね! 将嗣君、仕事頑張って!』ってメールがくる。その後、後藤さんからのメールが1通、〔博美ちゃんから普通の人と順番が逆だね? と言われました。〕と、俺(柴﨑将嗣:しばさき・まさし:32歳)が、「順番って何ですか?」と短く返信した。即再返信があり、〔デートが最初で次がセックスだって。〕その文字に心の内が波立つのである。それ以後後藤さんのは無かったけど博美からの短いメールがちょくちょく来た。
普段の嫁はサバサバ(あっさり)していて俺にメールをしてくる回数も少ないのだが、博美自身もある程度言い訳というか罪悪(背徳)感があって俺にメールをしていたのだろうって気がする。しかし正直この午後の数時間が嫉妬心は凄かった。エロスの部分が無い分だけ楽しく遊んでいそうな雰囲気にかなり苛々した。
ちなみに後藤さんとは幾つかの決め事をしているが、そのひとつに俺から後藤さんに電話を掛けた時点で全てが終了っていう事にしている。これも後藤さんの提案だったのだけど、こういうのは電話して止めましょうってのは意外と言い辛いから、〔俺(将嗣)からの着信で即終了にします。〕という事だった。〔だから変に我慢せず嫌になったらすぐにスマートフォンに着信入れてください。〕という事である。
午後の数時間は長かったような、短かったような時間だった。何かやっていても手につかないし、ずっと博美の事ばっかり考えている。でも考えているだけじゃ手持ち無沙汰なので本を読んだり、テレビを見たりするのだけどやっぱり気が散って手に付かない。取り溜めていた映画を再生して観たけど結局は殆ど頭には入らなかった。
18時頃に後藤さんからメールで、〔今、ホテルに到着しました。〕との報告がある。それと同時にそれまでちょくちょく入っていた博美からのメールが途絶えた。さっきまでの嫉妬心に加えて、《今は食事中だろうかな?》と妄想するので心臓がドキドキして堪らない気分(俺だけがひとり疎外されている憔悴感がヤバイ)である。俺は自分でラーメンを作ったけど、正直殆ど食べられなかった。ラーメンを半分も残したのなんて初めてかもしれない。食べているときでもスマートフォンはずっと握り締めていた。
第30章へ
20200405
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第28章
これまでも二人の仲はかなり良かったが、このプレイをきっかけにそれでもお互いが気持ちを言葉で伝え合う事も多くなったし、キスも一杯(セックス以外でもお早うのキス、ただいまのキス、おやすみのキスなど)するようになった。俺(柴﨑将嗣:しばさき・まさし:32歳)も嫁(柴﨑博美:しばさき・ひろみ:27歳)を貸し出すことで凄く興奮していたし、この日の夜も何回もキスをする。
〖キスを交わすことで分泌される一つのホルモン、〈エンドルフィン〉には、沈んだ気持ちを励ます抗鬱作用があるという。また、キスを交わすことで分泌されるホルモン、〈オキシトシン〉の中毒(快楽)になるのです。また、口が、あらゆる感覚や感情が喚起される脳にもっとも近い位置にある“性感器官”なのです。〗
土曜日が来て、俺は博美に言ったとおり、休日出勤って事で背広を着て午前9時に家を出る。博美は、『後藤(和真:ごとう・かずま:30歳)さんと夕飯を食べたらすぐ帰ってくるね。将嗣君の帰りが遅かったら家でご飯作るからね。』って言って家を出た。俺は、当然に仕事はないので漫画喫茶に行って暇をつぶすことにする。嫁は11時頃には家を出る予定で、それまでは漫喫で時間を費やした。11時過ぎに出て、一応12時近くになってから家に帰るが勿論博美はもう出かけている。なんだか他人の家に帰ってきたような違和感があった。
後藤さんのプランでは、前回(3月)マッサージの時に、嫁が『上野の東京国立博物館(トーハク)で特別展を見たい。』って言っていたので、そこに行くとの事である。午後5時まではトーハクで鑑賞の予定。それから食事の為にホテルに入りますとの事だった。予約を取ったホテルは1泊4万近くするかなり高いホテルのいい部屋である。急な事だったけれど後藤さんは一応俺用にも近くのホテルを用意すると申し入れてくれるが、結局それはキャンセルをしてもらい、俺は後藤さんを信じて家にいる事にした。
俺の家から上野へは距離があるから何かあった時に駆けつけられないのは確かに不安だったが、それまでの2回の事があったから後藤さんを信じながらも家で悶々とする方を選ぶ。マッサージの時と同様に電話で中継してもらう予定だったけど、今回は後藤さんの提案で、〔僕の事を信用してくれるなら、良い状況を判断して電話します。〕との事でしたので、嫁に会った時とホテルへ入った時だけはメールを貰う事にする。
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20200404
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第27章
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第27章
第26章 20200211
話の途中で俺(柴﨑将嗣:しばさき・まさし:32歳)としては腹が決まっていた。そして、最後には後藤(和真:ごとう・かずま:30歳)さんが、〔将嗣さんが聞きたかったっていう、《嫁(柴﨑博美:しばさき・ひろみ:27歳)がもし過去に浮気をしていたら》という話も全部聞きだしちゃうよ。〕、「判った。頼みます。」と、話しはとんとんと進む。
この打ち合わせが水曜日だったのだが、これを博美に話したのは木曜日になった。土曜日日曜日に予定が無かったから博美が、『週末はどうする?(我が家は土日のどっちかは外食。)』って言ってくる。それで、「実はさ、後藤が、明後日お前を食事に誘いたいんだって。」と、さりげなく切り出した。すると嫁は本気でびっくりしたあとに、『えっ? それ、どういうこと?』って睨(にら)んでくる。
俺が説明したのは、「先月(3月)も初回(2月)もマッサージ(セックス)だけだったか
ら後藤も気にしていて、土曜日の昼から後藤が案内するのでちょっとしたデートでもてなしたい。ついでに夕食もご馳走したい。と言っている。」ことだった。勿論それは俺も了解したという事も伝える。ちなみに俺は休日出勤で仕事だから参加できないという事にした。(仕事が多忙な時はよくあることだったが、今回は計画的な嘘だけど。)
2回のマッサージのことで、俺のそういう部分(嫁を他人に貸し出す性癖)も博美は多少理解してきていて、『本当、不思議だよね。将嗣君のそういう所は。』って言いつつ了解する。この話の流れから、嫁は本当に“デート+食事”と思っていたみたいで、それはセックス抜きというデートだからかも知れなかったが、『でも将嗣君がさ、いなくて、後藤さんに誘われて私がホテルとか行っちゃったらどうするの?』って悪戯っぽく訊ねてきた。これに対しては、俺が「あー。その時には博美の判断に任せる。」と云うと、その意味を理解したようで顔を紅潮させて、『バカじゃないの? そんなことなるわけないよ!』って真剣な口調で言ってくる。
ちなみに2月のマッサージ以降、嫁との絆は強くなったと思う。しかし、博美の心の中では俺が思うよりも後藤さんとのセックスについて凄く背徳感が強いらしく、『夫が望んでいる。』っていう前提があったとしても不安を覚えていた。ただ不安だけではなく、『ドキドキ(期待と興奮かな?)もする。』って。共働きで1年中走り回るような毎日だったから御互いにとって凄く良い刺激にはなっていた。
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20200403
長Ⅱ12〔嫁さん〕その14話
長Ⅱ12〔嫁さん〕その14話
俺(西條正巳:さいじょう・まさみ:34歳)は、「急いでタバコを買ってくるから。」と言い家をでました。もちろんタバコがなくなったと言うのは嘘でポケットに二箱入っています。しかし玄関を出てから中の様子が気になったしかたありませんでした。5分ほどしてから玄関のすぐ外で嫁(西條麗子:さいじょう・れいこ:27歳)に電話をかけます。
俺が、「タスポ忘れた。古橋(清司:ふるはし・きよし:46歳)さんタスポ持ってるかな? 古橋さんに代わってくれる?」と(古橋さんがタスポを持っていないことは先ほどの居酒屋で知っていました。)嫁が古橋さんと電話を代わり俺は「タスポ持ってますか?」と聞きました。古橋さんは当然ですが〔持ってないよ。〕との返事。
俺は古橋さんに、「コンビニまで買いに行くのでけっこ時間かかっちゃうかも知れません・・・。」と告げ電話を切ります。それからすぐに玄関をそっと開け物音をたてないように中に入りました。二人の声がかすかに聞こえてきます・・・。
〔マーくんコンビニまで買いにいくらしいですよ、遠いんですか?〕
『コンビニまでだと・・・歩いたら20分くらいかかるかな。』
〔けっこうかかりますね・・・。〕
俺は声だけでは我慢できなくなり玄関からそっとリビングに行く廊下を歩きリビングのドアの所から中をうかがいました。普通に横に座り当たり障りのない会話をしています。まだ嫁の意識はしっかりしているように見えました。
すると古橋さんが〔奥さん、先週はうちの事務所でありがとうございました。〕と、俺は、《きた!》と思いドキドキしながら二人の会話を聞き入ります。麗子は、『いえ、突然お邪魔しちゃって・・お酒までご馳走になって申し訳ありませんでした・・・。』って、古橋さんは〔いやいや、綺麗な奥さんと飲めたし、それに・・・〕と視線は嫁の胸元を見ながらニヤニヤして言いました。
麗子が『それにってなんですか?』ってニコニコしながら古橋さんに尋ねています。古橋さんは〔あれですよ、あれ!〕と、嫁は、『あれ?』って、古橋さんは「奥さんの胸とってもきれいでしたよ」と言いました。
麗子の顔が一気に険しくなります。そして、『何言ってるんですか古橋さーん、またまたー。私の胸? 見えちゃいました?』ってひきつった笑いを浮かべ古橋さんに訊いていました。古橋さんは〔マーくんには何も言ってないし言うつもりもないですから。〕とニヤニヤしながら酒を飲んでいます。
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20200401
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