名U トライアングル・リレーション 第15話
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僕(立木一幸:たちき・かずゆき:29歳) 嫁(立木優希:たちき・ゆうき:27歳) 親友(倉橋悠馬:くらはし・ゆうま:29歳:僕の同級生で独身)
少し遅れて店に入ってきた優希は、黒のスーツ姿で下はパンツルック。髪は後ろで纏めてあった。気のせいかもしれないが、いつもよりは妙に色っぽい感じがする。《これから他人に抱かれるからだろうか?》優希は僕の隣に座ったが、思いっきり悠馬を意識しているのが丸分かりだ。このぎこちない雰囲気に耐えかねて、僕はおちゃらけながら二人の緊張を解こうとする。《何で僕がこんな事をしてるんだ?》とは思うが、《バカバカしくなる。》ので考えないようにした。
悠馬がやっと話の主導権を握り始める。場が和んで来た頃には三人とも程よく酔っていた。
頃合いかなと「じゃあ僕の家で飲みなおそうか?」と声をかけると、優希が真顔(真剣な顔つき)になって緊張する。それを無視して自宅へタクシーで直行した。直ぐにでも始まるかと思いきや、悠馬が〔飲み足りないからもっと飲もうぜ一幸。〕と言うのでピッチをあげてガバガバ飲み出す男二人。おつまみを調理して戻って来た優希は呆れて『二人とも飲み過ぎだよ。わたしお風呂に入ってくるわ。』って浴室に去って行く。
あとで訊ねてみると、嫁が少し長いお風呂からあがると、(案の定、二人とも飲み過ぎて猛烈な睡魔に襲われてしまっていた。)、悠馬はイビキをかき、僕も眠ってしまっていたらしく、優希は二人にタオルケットを掛けたらしい。結局、この時も二人がセックスを始めているところで目を覚ました。悠馬に悪意はないにしろ、僕が寝ている間に黙って始めてしまう。優希もそれを受け入れてしまうというところが何ともジェラシーを掻き立てられた。
僕が“ゴトッ”という音で目を覚ましたのは朝の4時で、その音は隣の寝室から聞こえてくる。少しだけ開いているドアの側に行くと、そこから悠馬の声が漏れてきた。
〔大丈夫? シャワー浴びてないけど?〕
『・・・・大丈夫だよ・・・。』
《僕達の寝室でふたりはセックスをしているのか?》僕はドアの隙間から中を覗いてみたが、タンスの陰になって二人の姿が見えない。深酒(度を過ごして酒を飲むこと)で軽い頭痛がしたが、神経を耳に集中し、中の様子を探った。そして、フェラチオ特有の音“ジュッ、ジュッ、ジュポッ、ジュッルル。”がはっきりと聞き取れる。
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20200719
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