中L 寝とらせの行方vol.25
中L 寝とらせの行方vol.25
僕(松本和真:まつもと・かずま:32歳) 妻(松本典子:まつもと・のりこ:30歳)
成田(壮一:なりた・そういち:40歳:社長)
それで僕が「もらったことは怒ってないよ(内心は金で買われたような気分にはなったが)。美人人妻のエスコート代としては妥当じゃやないかな。」と冗談めかして言うと、典子は『なんか和真の今の発言は、ひどくない! 私がそんな商売しているみたいじゃない。』って、むくれる。僕は慌てて「いやいや誤解だよ。そんなつもりで言ってないよ。ごめん。」と素直に頭を下げると、突然、典子が笑い出した。『嘘芝居だよ。わ~い引っかかった。』て、「なんだ~ やられたな。典子の演技はエミー賞(エミー賞は、米国テレビ芸術科学アカデミーの主催で、アメリカのテレビドラマを始めとする番組のほか、テレビに関連する様々な業績に与えられる賞)級だね。」と感心する。
典子が『でもそれにしても3万円は多いよね?』て首をひねった。「きっと典子とみのりと僕の3人分じゃないかな。」、『うんそうかも。やっぱりお金持ちは違いますな~』って云いながら又冷蔵庫から今度は缶チューハイを取りだし、グビグビと飲みだした。『やっぱ庶民はこれですね。』て云う。「すまん安月給で。」とまた頭をさげると、『もう成田さんにメール打った?』って訊ねてくる。「いやまだだけど、それが?」と逆に訊くと、『ならOKと返信して。美人妻がまた商品券を稼ぐから・・和真~ 早く~』酔って言っているのか本気(まじ)なのか?でも僕の性癖を確実に刺激していたのは間違いない。
僕は心の内で《典子は典子なりに、社長から商品券を次でも頂けたら、少しは家計の足しになるとか、贅沢ができるかな。とおもったんだろう。その気持ちは尊い。それと同時に僕の公認とはいえ男性と“準デート”をする罪悪感があるだろう。それを成田社長は意識的か無意識なのか、“仕事に対する正当な対価”として、商品券を渡す。それで典子には当然の報酬ということで罪悪感を薄めさせることができる。多少僕らとは金銭感覚という
かお金の価値観が違うので半日ほどの時間に3万円も出す。その根底には典子に対しての下心がある。》と考えていた。
僕は典子に「ちょっと部屋で成田社長にメールをしてくるよ。」と云うと、『ほら和真いそげ~』って楽しそうにしている典子の目が真剣だったのに気が付く。それが何を意味するのかまでは分からない。
「夜分にすいません。妻とも話し合って、連れて行っていただく。という結論になりました。ついては詳しい段取りの方は妻にメールをくだされば幸いです。また、昨日は過分なものを頂戴いたしまして御礼申し上げます。今後ともよろしくお願い致します。」と馬鹿丁寧なメールを成田社長に返信をしました。
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20201125
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