中L 寝とらせの行方vol.19
vol.18← 20191224
僕(松本和真:まつもと・かずま:32歳) 妻(松本典子:まつもと・のりこ:30歳)
成田(壮一:なりた・そういち:40歳)社長
僕の性癖は〖寝取らせ〗である。これは自分の管理下で妻の同意あるいは相手の同意も得て行う非常にゲーム性が高いプレイだ。しかし、高まる欲望や刺激を求める性癖に歯止めが駆けれなくなる可能性が高い。さらに、コントロールしているつもりが、相手に管理されより深い男女関係に発展し取り返しのつかないことになる。
インターネットの世界では、1番多いのは〖寝取られ〗だ。これにまつわるサイトや体験
談(創作を含む)が多数存在する。よくこれだけあるなと思うが、男女(最近では男男とか女女も)の世界ではそうした事例が起こり得ることは理解ができる。僕はこの〖寝取られ〗は嫌だなと感じていた。
結果的には、愛する人が夫や彼あるいは友達を裏切り(或いは強制的な関係を強いられ)、肉体的に(この場合は元に戻る場合がある。)も精神的に(完全に支配・コントロールをされる。)も寝取られる。インターネットは大原則が“匿名”にあり、虚実ないまぜの世界。どこに真実があって、何が嘘であるかは判然とはしない。しかし、セックスを介在する男女が普通の精神状態でおられる筈がないことは自明である。
平凡な家庭、平凡な夫婦、平凡極まりない人生。人は異状・異常・異様な世界に惹かれる生き物かも知れない。大半の人は小さな冒険をして、すぐに引き返す。決して自分の妻を“差し出したり”はしない。だけど、綱渡りに胸がドキドキするように自分の妻が次第に別の男の色に染まっていくのを確認するプレイが〖寝取らせ〗。気付かぬうちに染められてしまうのが〖寝取られ〗。《僕には本物の覚悟があるのだろうか? 手をつないだり、キス、これは空想しただけで胸が痛む行為なのだが・・・。で動揺して、妻の典子が成田に抱かれることは興奮の極致だが精神的に耐えられるだろうか? 全然自信はない。》
《こんなヘタレ(臆病者。弱虫。意気地なし。)が大金持ちで男前、セレブの男にどこを対比しても勝てない。取られたらもう取り返すことなど、典子が僕を愛しているという脆(もろ)い根拠で闘うしか術はない。》などと夢想していたら、急に胸を圧迫されます。気がつけばソファーでうたた寝をしていた僕の上で娘のみのりが「パパ、パパ公園へ行こうよ。」て催促していた。
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20200715
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