中Q〖あの時に変わった?〗第1話
中Q〖あの時に変わった?〗第1話
(原題:覗かれる妻~裕子の決意~ 投稿者:のりのり 投稿日:2008/07/01)
有機栽培された食材を使用した週替わりのメニューが売り物の小さなレストラン。そこでランチを食べながら、立花真紀(たちばな・まき:32歳)は、『あ~、うちの店もこれくらいおいしいもの出さないとやっぱり駄目よね~。』と友人の有田千春(ありた・ちはる:30歳)にそう話しかけた。
今週のランチ、《シンガポール・チキンライス(海南鶏飯)》を注文した2人は、チキンの茹で汁を使って炊き上げたご飯を堪能しているところだった。
真紀と食事を共にする友人、千春はテーブル越しに真紀を見つめ、微笑みながら〚でも、レストランというよりもカフェなんでしょ、真紀さんのお店は。〛そう声をかける。
千春は長女が通う幼稚園で知り合った真紀に初めてランチを誘われ、駅前の裏通りにオープンしたばかりのレストランにやってきた。2歳になる下の娘は実家の母親に預けてきた。4歳になった長女は今日もまた幼稚園だ。入園して2カ月、すっかり幼稚園に慣れた長女は、毎朝、はしゃぎながら通園バスに乗り込んで幼稚園に通っている。
有田浩介と千春が今のアパートに越してきたのは、次女が産まれてからである。実家がそれほど遠くないとはいえ、近所には千春の同年代の友人はなかなかいなかった。勿論、公園で娘たちを遊ばせていれば、自分と同じような世代の女性に出会うことも多かったが、 特に深く付き合うというわけでもなかった。しかし、今春の長女の幼稚園入園をきっかけに、それは少しばかり変わりそうであった。
千春は、今後友人となれそうな女性達、何人かに出会うことになる。それは千春が幼稚園PTAの役員になったことが大きかった。PTA役員は全部で25名ほど。当然、どの役員も子供を幼稚園に通わせている母親ばかりだ。
役員になってまだ1カ月程だが、既に会合は頻繁に開かれ、互いの親密度は一気に増している。千春は〘ベルマーク係〙として、子供たちから集められるベルマーク(商品の包装紙やパッケージにつけられたベルマークを切取り、学校・団体ごとに集めて財団に送ることにより、1点あたり1円がそれぞれの団体のベルマーク預金になり、貯まった預金で自分の学校・団体の設備品などを購入することができる。)の集計とりまとめ、という役割を担うことになった。
意識しない人間にとっては、もはや疎遠なものといった印象だが、“ベルマーク”は食品、文房具、洗顔商品その他、依然として多くの商品に着いている。子供たちはそれを切り取り、教室内の専用箱に随時提出をしている。ポイント数、形も様々であり、その仕分け、集計作業は簡単なものではない。金銭が絡んでくるだけに、ミスを許されない業務だ。
どう進めるべきかいろいろと試行錯誤する中、一緒に相談をする相手が、同じ〘ベルマーク係〙となった真紀であった。
真紀には、今年5歳になる、年中クラスに通う息子がいる。真紀と千春は、お互いの家はやや離れていたが、連絡を取り合うことも多く、互いの境遇についても少しずつ語り合う仲となっていた。話題はやはり子供のことが中心であった。性格、食べ物の好み、好きなTV・キャラクター、そして病気のこと・・・。語り合うことはいくらでもある。男の子と女の子では随分と違いがあり、それがまた面白く、話を弾ませた。
そんな子供達の会話が一段落したときに、真紀が口にしたのが、『あ~、うちの店もこれくらいおいしいもの出さないとやっぱり駄目よね~。』というレストランの食事を褒めるそのセリフであった。千春の〚でも、レストランというよりもカフェなんでしょ、真紀さんのお店は。〛に『そうだけどね~、でもやばいのよ、ほんと、うちの店。』と真紀が答えた。
2015/01/15
(原題:覗かれる妻~裕子の決意~ 投稿者:のりのり 投稿日:2008/07/01)
有機栽培された食材を使用した週替わりのメニューが売り物の小さなレストラン。そこでランチを食べながら、立花真紀(たちばな・まき:32歳)は、『あ~、うちの店もこれくらいおいしいもの出さないとやっぱり駄目よね~。』と友人の有田千春(ありた・ちはる:30歳)にそう話しかけた。
今週のランチ、《シンガポール・チキンライス(海南鶏飯)》を注文した2人は、チキンの茹で汁を使って炊き上げたご飯を堪能しているところだった。
真紀と食事を共にする友人、千春はテーブル越しに真紀を見つめ、微笑みながら〚でも、レストランというよりもカフェなんでしょ、真紀さんのお店は。〛そう声をかける。
千春は長女が通う幼稚園で知り合った真紀に初めてランチを誘われ、駅前の裏通りにオープンしたばかりのレストランにやってきた。2歳になる下の娘は実家の母親に預けてきた。4歳になった長女は今日もまた幼稚園だ。入園して2カ月、すっかり幼稚園に慣れた長女は、毎朝、はしゃぎながら通園バスに乗り込んで幼稚園に通っている。
有田浩介と千春が今のアパートに越してきたのは、次女が産まれてからである。実家がそれほど遠くないとはいえ、近所には千春の同年代の友人はなかなかいなかった。勿論、公園で娘たちを遊ばせていれば、自分と同じような世代の女性に出会うことも多かったが、 特に深く付き合うというわけでもなかった。しかし、今春の長女の幼稚園入園をきっかけに、それは少しばかり変わりそうであった。
千春は、今後友人となれそうな女性達、何人かに出会うことになる。それは千春が幼稚園PTAの役員になったことが大きかった。PTA役員は全部で25名ほど。当然、どの役員も子供を幼稚園に通わせている母親ばかりだ。
役員になってまだ1カ月程だが、既に会合は頻繁に開かれ、互いの親密度は一気に増している。千春は〘ベルマーク係〙として、子供たちから集められるベルマーク(商品の包装紙やパッケージにつけられたベルマークを切取り、学校・団体ごとに集めて財団に送ることにより、1点あたり1円がそれぞれの団体のベルマーク預金になり、貯まった預金で自分の学校・団体の設備品などを購入することができる。)の集計とりまとめ、という役割を担うことになった。
意識しない人間にとっては、もはや疎遠なものといった印象だが、“ベルマーク”は食品、文房具、洗顔商品その他、依然として多くの商品に着いている。子供たちはそれを切り取り、教室内の専用箱に随時提出をしている。ポイント数、形も様々であり、その仕分け、集計作業は簡単なものではない。金銭が絡んでくるだけに、ミスを許されない業務だ。
どう進めるべきかいろいろと試行錯誤する中、一緒に相談をする相手が、同じ〘ベルマーク係〙となった真紀であった。
真紀には、今年5歳になる、年中クラスに通う息子がいる。真紀と千春は、お互いの家はやや離れていたが、連絡を取り合うことも多く、互いの境遇についても少しずつ語り合う仲となっていた。話題はやはり子供のことが中心であった。性格、食べ物の好み、好きなTV・キャラクター、そして病気のこと・・・。語り合うことはいくらでもある。男の子と女の子では随分と違いがあり、それがまた面白く、話を弾ませた。
そんな子供達の会話が一段落したときに、真紀が口にしたのが、『あ~、うちの店もこれくらいおいしいもの出さないとやっぱり駄目よね~。』というレストランの食事を褒めるそのセリフであった。千春の〚でも、レストランというよりもカフェなんでしょ、真紀さんのお店は。〛に『そうだけどね~、でもやばいのよ、ほんと、うちの店。』と真紀が答えた。
2015/01/15
中Q〖あの時に変わった?〗第2話
中Q〖あの時に変わった?〗第2話
細かく刻んだ長葱(ながねぎ)の入ったチキン風味のスープを飲みながら、『そうだけどね~、でもやばいのよ。ほんと、うちの店。』と立花真紀(まき32歳)が有田千春(ちはる32歳)に答える。真紀が言うには、彼女の夫(立花慶一)は15年近く真面目に勤めていた中堅商社を昨年突然退職し、自宅そばに小さなカフェをオープンした。
商社員時代のコネクションを利用し、南米から輸入した珈琲豆を自家焙煎するのが売り物のその店は、オープン当初は物珍しさもあり客で溢れかえったのだが、数カ月も経つうちに、少しずつ客足も遠のき、現状では相当苦戦をしている。
〚そんなに深刻なの?〛と問う千春に、『うん。マジでやばいって感じなの。』って真紀が答える。そのあっけらかんとした様子からは、深刻さがどの程度なのか、千春にはなかなかつかみかねた。
〚ご主人も大変でしょう?〛
『いいのよ、あの人は。マイペースでやっているんだから。私のことなんかいつもほったらかしよ。』
その突き放したような言い方にも、千春は、真紀の夫に対する愛情を感じ取る。
真紀はそう答えながら、ふと告白するかのように、千春の目を見て言った。
『実はね、急なんだけど、私、働こうかなって思っていて・・・。』
〚えっ!真紀さん働くの?〛
蒸したチキンを辛目の特製ソースにつけていた手を思わず置き、千春は驚いてそう言った。
『うん・・・・。と言うか、もう決めちゃったんだけど・・・。』
〚ちょっと待って、真紀さん! じゃ、ベルマーク係はどうなっちゃうのよ!!〛
千春が冗談めいて、真紀に迫る。
『千春さんに任せた!・・・それは冗談でさ、ははは。大丈夫よ。あのね働くと言ってもパートで、毎日じゃないみたいだから。』
薄いピンクのポロシャツに、白いタイトジーンズという格好の真紀が、千春にそう説明する。ローライズのそのジーンズは、ちらちらと真紀の背中の白い素肌を見え隠れさせている。
『主人がね、声かけられたみたいなの、奥さんをパートで働かせてみませんかって。』
〚へえ!〛
『何でも主人のカフェへの援助が絡んでいるみたいでね。その仕事先はカフェの内装をした事務所なんだけど。』
〚あら、よさそうな仕事じゃない。〛
レストランの店内では、コールドプレイの曲が上品な音量で流されている。 話を弾ませる2人のテーブルは、窓際に置かれていた。夏を思わせるような日差しが、窓から差し込み、テーブルをまぶしく照らしている。窓からは忙しげに歩き去る人々、そして狭い道を乱暴に進む車の姿が見える。ランチを共にする2人の人妻。ともに長身でスラリとした体型に、整った顔立ちをしていた。レストランの中でも2人はひときわ目立ち、数人でランチをとる営業途中の会社員のグループも、先程からちらちらと視線を投げかけていた。
2015/07/04
細かく刻んだ長葱(ながねぎ)の入ったチキン風味のスープを飲みながら、『そうだけどね~、でもやばいのよ。ほんと、うちの店。』と立花真紀(まき32歳)が有田千春(ちはる32歳)に答える。真紀が言うには、彼女の夫(立花慶一)は15年近く真面目に勤めていた中堅商社を昨年突然退職し、自宅そばに小さなカフェをオープンした。
商社員時代のコネクションを利用し、南米から輸入した珈琲豆を自家焙煎するのが売り物のその店は、オープン当初は物珍しさもあり客で溢れかえったのだが、数カ月も経つうちに、少しずつ客足も遠のき、現状では相当苦戦をしている。
〚そんなに深刻なの?〛と問う千春に、『うん。マジでやばいって感じなの。』って真紀が答える。そのあっけらかんとした様子からは、深刻さがどの程度なのか、千春にはなかなかつかみかねた。
〚ご主人も大変でしょう?〛
『いいのよ、あの人は。マイペースでやっているんだから。私のことなんかいつもほったらかしよ。』
その突き放したような言い方にも、千春は、真紀の夫に対する愛情を感じ取る。
真紀はそう答えながら、ふと告白するかのように、千春の目を見て言った。
『実はね、急なんだけど、私、働こうかなって思っていて・・・。』
〚えっ!真紀さん働くの?〛
蒸したチキンを辛目の特製ソースにつけていた手を思わず置き、千春は驚いてそう言った。
『うん・・・・。と言うか、もう決めちゃったんだけど・・・。』
〚ちょっと待って、真紀さん! じゃ、ベルマーク係はどうなっちゃうのよ!!〛
千春が冗談めいて、真紀に迫る。
『千春さんに任せた!・・・それは冗談でさ、ははは。大丈夫よ。あのね働くと言ってもパートで、毎日じゃないみたいだから。』
薄いピンクのポロシャツに、白いタイトジーンズという格好の真紀が、千春にそう説明する。ローライズのそのジーンズは、ちらちらと真紀の背中の白い素肌を見え隠れさせている。
『主人がね、声かけられたみたいなの、奥さんをパートで働かせてみませんかって。』
〚へえ!〛
『何でも主人のカフェへの援助が絡んでいるみたいでね。その仕事先はカフェの内装をした事務所なんだけど。』
〚あら、よさそうな仕事じゃない。〛
レストランの店内では、コールドプレイの曲が上品な音量で流されている。 話を弾ませる2人のテーブルは、窓際に置かれていた。夏を思わせるような日差しが、窓から差し込み、テーブルをまぶしく照らしている。窓からは忙しげに歩き去る人々、そして狭い道を乱暴に進む車の姿が見える。ランチを共にする2人の人妻。ともに長身でスラリとした体型に、整った顔立ちをしていた。レストランの中でも2人はひときわ目立ち、数人でランチをとる営業途中の会社員のグループも、先程からちらちらと視線を投げかけていた。
2015/07/04
中Q〖あの時に変わった?〗第3話
中Q〖あの時に変わった?〗第3話
〚じゃ、真紀さん、それで少しはお金が助かるわね。〛って友達の有田千春(ちはる32歳)が言うと、立花真紀(まき32歳)が、『そうなの。勤務時間もそんなに大変じゃなさそうだし、それに家からすぐのところで、いいかなって思ってさ。』
食後に出されたフルーツティーを飲みながら、2人はくつろぎの一時を楽しんでいた。欧州から輸入されたというその飲み物は、まるでワインのように赤い。 店員によれば、「それはハイビスカスの赤です」ということで、「ビタミンが豊富に含まれ美肌効果もあります」とのことだった。 夏季メニューのためアイスとして提供されたそのドリンクは、主婦をターゲットにしたものであった。
『ねえ、千春さん、ところでマイホームのほうはどうなったの?』
真紀が自らの話題を変えるように、千春に訊いた。唐突なその質問に、千春は少し戸惑う。
〚え~っと、工事はもう開始したのかな。上棟まではまだまだだけどね。〛
『場所は今の家よりそんなに遠くじゃないんだよね。』
〚そうね。今より少し園から遠くなっちゃうけど、通園バスは来るらしいの。〛
『土地の件で少し揉めているとか言っていたじゃない・・・・じゃ、あれはうまく行ったの?』
〚・・・う、うん。それは何とかね。〛
真紀の質問に、千春は春川の家での一夜のことを思い出す。それはまだ先週のことだった。男達に激しく抱かれた感覚が蘇り、体が僅かに熱くなるのを、千春は感じる。
〚もっと・・・・・、もっと激しく・・・・・・。〛
自分から、夫以外の男の体を求めた光景が、 千春の脳裏に鮮明に映し出される・・・・。
『千春さん、どうかした?』
会話を途切らせ、何かを思い出すような表情をする千春に、真紀が声をかける。
〚・・・ううん、何でもないわ。〛
そんな千春を見つめながら、真紀が言う。
『でも、千春さん、綺麗よね・・・。ほんと、年上には見えないわね。』
〚・・・年上って、失礼ねえ。たった3ヶ月じゃないのよ!〛
千春が、くだけた口調で答える。千春と真紀は誕生日が僅かに3カ月違うだけの同じ32歳である。2人にとってそれはちょっとした驚きであり、親密になるきっかけにもなっていた。
2015/07/08
〚じゃ、真紀さん、それで少しはお金が助かるわね。〛って友達の有田千春(ちはる32歳)が言うと、立花真紀(まき32歳)が、『そうなの。勤務時間もそんなに大変じゃなさそうだし、それに家からすぐのところで、いいかなって思ってさ。』
食後に出されたフルーツティーを飲みながら、2人はくつろぎの一時を楽しんでいた。欧州から輸入されたというその飲み物は、まるでワインのように赤い。 店員によれば、「それはハイビスカスの赤です」ということで、「ビタミンが豊富に含まれ美肌効果もあります」とのことだった。 夏季メニューのためアイスとして提供されたそのドリンクは、主婦をターゲットにしたものであった。
『ねえ、千春さん、ところでマイホームのほうはどうなったの?』
真紀が自らの話題を変えるように、千春に訊いた。唐突なその質問に、千春は少し戸惑う。
〚え~っと、工事はもう開始したのかな。上棟まではまだまだだけどね。〛
『場所は今の家よりそんなに遠くじゃないんだよね。』
〚そうね。今より少し園から遠くなっちゃうけど、通園バスは来るらしいの。〛
『土地の件で少し揉めているとか言っていたじゃない・・・・じゃ、あれはうまく行ったの?』
〚・・・う、うん。それは何とかね。〛
真紀の質問に、千春は春川の家での一夜のことを思い出す。それはまだ先週のことだった。男達に激しく抱かれた感覚が蘇り、体が僅かに熱くなるのを、千春は感じる。
〚もっと・・・・・、もっと激しく・・・・・・。〛
自分から、夫以外の男の体を求めた光景が、 千春の脳裏に鮮明に映し出される・・・・。
『千春さん、どうかした?』
会話を途切らせ、何かを思い出すような表情をする千春に、真紀が声をかける。
〚・・・ううん、何でもないわ。〛
そんな千春を見つめながら、真紀が言う。
『でも、千春さん、綺麗よね・・・。ほんと、年上には見えないわね。』
〚・・・年上って、失礼ねえ。たった3ヶ月じゃないのよ!〛
千春が、くだけた口調で答える。千春と真紀は誕生日が僅かに3カ月違うだけの同じ32歳である。2人にとってそれはちょっとした驚きであり、親密になるきっかけにもなっていた。
2015/07/08
中Q〖あの時に変わった?〗第4話
中Q〖あの時に変わった?〗第4話
『でも綺麗よ・・・・・・。何か、肌のつやとかますます磨きがかかった気がするけど。千春さん、最近いいことあったの?』と立花真紀(まき32歳)が訊く。
〚べ、別にないわよ・・・。〛
真紀に指摘され、有田千春(ちはる32歳)はまた、春川との行為を想い出す。(自分の本当の姿を知ってしまった女は、やはり何か違った風に見えてしまうのだろうか・・・・。)そんな思いを打ち消すかのように、千春は真紀に言葉をかける。
〚真紀さんだって、そんなにスタイルいいくせに・・・・。だからパートを始めたら人気出るわよ男の人に、絶対に誘われるわ。〛
『冗談はやめてよ~。』
〚でも、とにかく楽しみね、そのお仕事。〛
『うーん、まあ、お仕事より、頂けるお給料が楽しみなの~(笑)。』
〚そりゃそうね(笑)。〛
同世代の友人と他愛もない会話をしながら昼食をとる。そんな当たり前だけど、子供がいる母親にはなかなか手が届かない幸せを、2人は今、感じていた。
40歳を前にし、私(立花慶一)は、周囲の反対を押し切り、それまで15年近く勤めてきた中堅商社を退職し、自宅近くで小さなカフェ<ミナスジェライス>を始めた。元々飲食業には興味はなかったが、昨年、同期入社の社員が突然病死し、それ以降、自分の人生に
ついていろいろと考えた末の決断である。
中間管理職としての職務、意味の無い長時間の会議、朝晩の殺人的な通勤ラッシュ、その全てに対する疑問を、大半の人々はうまくやり過ごしながら、退職の日まで“完走する”のだろう。しかし私には、どうしてもそれができなかった。
私が会社を辞めるきっかけを探し始めたとき、たまたま仕事の絡みで、とある南米の珈琲園主と知り合い、日本への進出を図りたいということで、こちらから一方的に提案をし、いつのまにか退職、そしてカフェ開店の準備へと一気に突き進んでしまった。『大変だと思うけど、応援しているからね。』退職以降、妻の真紀はその不安を隠しながら、夫である私に励ましの言葉をかけ続けてくれる。
そして、私のカフェ<ミナスジェライス>はオープンした。駅からはやや離れてはいるが、通行量の多い幹線道路からの便はよく、近くには小さな短期大学もある。開店当初は思った以上のにぎわいを見せ、会社時代の同僚社員たちも多く訪問してくれた。女子大生のアルバイトも採用し、滑り出しはなかなかに順調といえた。
しかし、オープン1年も経たないうちに店の経営は行き詰まり、先行き不透明なものとなっていく。想像以上にランニングコストがかかり、当初用意した資金も急速になくなる。 これ以上の融資を銀行から獲得するのも難しく、店をたたむか、悪質な金融業者に手を出すしかない状況に私は追い込まれていた。
2015/07/09
『でも綺麗よ・・・・・・。何か、肌のつやとかますます磨きがかかった気がするけど。千春さん、最近いいことあったの?』と立花真紀(まき32歳)が訊く。
〚べ、別にないわよ・・・。〛
真紀に指摘され、有田千春(ちはる32歳)はまた、春川との行為を想い出す。(自分の本当の姿を知ってしまった女は、やはり何か違った風に見えてしまうのだろうか・・・・。)そんな思いを打ち消すかのように、千春は真紀に言葉をかける。
〚真紀さんだって、そんなにスタイルいいくせに・・・・。だからパートを始めたら人気出るわよ男の人に、絶対に誘われるわ。〛
『冗談はやめてよ~。』
〚でも、とにかく楽しみね、そのお仕事。〛
『うーん、まあ、お仕事より、頂けるお給料が楽しみなの~(笑)。』
〚そりゃそうね(笑)。〛
同世代の友人と他愛もない会話をしながら昼食をとる。そんな当たり前だけど、子供がいる母親にはなかなか手が届かない幸せを、2人は今、感じていた。
40歳を前にし、私(立花慶一)は、周囲の反対を押し切り、それまで15年近く勤めてきた中堅商社を退職し、自宅近くで小さなカフェ<ミナスジェライス>を始めた。元々飲食業には興味はなかったが、昨年、同期入社の社員が突然病死し、それ以降、自分の人生に
ついていろいろと考えた末の決断である。
中間管理職としての職務、意味の無い長時間の会議、朝晩の殺人的な通勤ラッシュ、その全てに対する疑問を、大半の人々はうまくやり過ごしながら、退職の日まで“完走する”のだろう。しかし私には、どうしてもそれができなかった。
私が会社を辞めるきっかけを探し始めたとき、たまたま仕事の絡みで、とある南米の珈琲園主と知り合い、日本への進出を図りたいということで、こちらから一方的に提案をし、いつのまにか退職、そしてカフェ開店の準備へと一気に突き進んでしまった。『大変だと思うけど、応援しているからね。』退職以降、妻の真紀はその不安を隠しながら、夫である私に励ましの言葉をかけ続けてくれる。
そして、私のカフェ<ミナスジェライス>はオープンした。駅からはやや離れてはいるが、通行量の多い幹線道路からの便はよく、近くには小さな短期大学もある。開店当初は思った以上のにぎわいを見せ、会社時代の同僚社員たちも多く訪問してくれた。女子大生のアルバイトも採用し、滑り出しはなかなかに順調といえた。
しかし、オープン1年も経たないうちに店の経営は行き詰まり、先行き不透明なものとなっていく。想像以上にランニングコストがかかり、当初用意した資金も急速になくなる。 これ以上の融資を銀行から獲得するのも難しく、店をたたむか、悪質な金融業者に手を出すしかない状況に私は追い込まれていた。
2015/07/09
中Q〖あの時に変わった?〗第5話
中Q〖あの時に変わった?〗第5話
そのときに私(立花慶一:たちばな・けいいち:39歳)に手を差し伸べてくれたのが、近所で設計事務所を経営している神林雅夫(かんばやし・まさお:52歳)さんだった。神林所長は、既に20年以上の実績がある、従業員が10名ほどいる設計事務所を経営しており、私のカフェオープンの際には、その内装設計を一任したことをきっかけに付き合いを始めている。
オープン後もいろいろとアドバイスをもらっていた関係で、私がつい金銭面の苦しい状況を話すと、〔当面の融資をしてあげよう。〕と云ってくれたのだ。それは1千万円規模にもなるもので、私には夢のような話であった。
「しかし、所長、そんなことをされてしまっても、私には担保もないし、いつお返しできることか・・。」
〔いや、いいんですよ、無担保で。私はただ立花さんのカフェを助けたいだけなんです。 とても魅力的なお店ですから。〕
「しかし・・・。」
〔応援させてください。なに、3年も頑張れば、きっと固定客がついてきますよ。それに今どき銀行に3年預けても幾らもなりませんから。〕
選択肢はなかった。毎月3年で均等割りした金額と年2%の利子分を返済する契約を交わして、神林所長の好意を受けることで、私は当座の資金繰りをクリアした。
その神林所長から電話があったのは、あれから2週間程度した頃だっただろうか。何でも設計事務所の経理補佐パート従業員が急に退職したため、補充のスタッフを探しているとの事。そして〔(私の妻)真紀さんはどうですか?〕と訊いてきたのだ。
私たちはちょうど結婚8年。妻の立花真紀(たちばな・まき)は32歳。5歳の息子との3人家族です。真紀は中学、高校とバレーボール部に在籍したこともあり、身長が168センチある長身の女性である。 体育会系でもあり、余計な贅肉はほとんどついておらず、現在も非常にスリムな体形を維をしている。
真紀は手足が長く、昔鍛えられたその体はしっかりとひき締まっており、30代に入ってからは、そこに大人の色香というものも加わってきたかのようだった。バストはCカップで、20代の頃の形を完璧に維持、細みな体には意外なほどの豊満なヒップも備わっている。姿勢よく歩くその姿は人目を引くほどでもあり、私にはできすぎた妻であった。
今年、妻の真紀は息子が通う幼稚園のPTA役員に任命され、忙しい日々を送っている。同じ役員の仲間と頻繁に連絡をとりあい、なかなかに楽しそうに過ごしているようだった。
『ベルマーク係なのよ・・・。いろいろと大変だけど・・。』
「ふ~ん、ベルマークなんて、いまどきあるのか?」
『あら、まだあるわよ。マヨネーズとか歯磨き粉とか、漢字の自由帳とかにもあるんじゃないかしら。』
「なるほどなあ・・・。」
結婚後、家の中にずっといた妻が、こうやって久しぶりに外の世界に触れ、生き生きとする様を見て、私は多少の安堵感と同時に、わずかな嫉妬心も感じていた。その妻、〔真紀をパートで採用したい〕との申し出である。長男も幼稚園2年目、また私の実家がすぐそばにあるため、パートであれば働くことはできそうだ。
しかし真紀がPTA役員でいろいろと忙しいのも事実だ。実際、PTA役員の選出をする際、 日中、仕事をしている母親は、妊娠している母親、未入園児がいる母親などとともに、 その選出対象からは外されるそうだ。それほどに、役員の仕事は半端なものではないらしい。
しかし神林所長の話によれば、毎日ではなく、週3日程度で十分らしく、時間もこちらの希望で都度に調整してもらって構わないとのことだ。真紀が私の店を手伝うという選択肢もあったが、それよりも別の仕事をしたほうが経済的にははるかにものを言う。
「神林さんには融資までしてもらっているし、やってみないか真紀?」
私は、妻にそう提案をしてみた。
『そうね・・・。家からも遠くないし、それにあの設計事務所なら、しっかりしてそうだから、私、やってみるわ。』
私の気持ちを察してなのか、パート収入が家計の貴重な一助になるという事実を敢えて口にしないところに、私は妻の優しさを感じる。こうして真紀のパート勤務が始まった。
2015/07/19
そのときに私(立花慶一:たちばな・けいいち:39歳)に手を差し伸べてくれたのが、近所で設計事務所を経営している神林雅夫(かんばやし・まさお:52歳)さんだった。神林所長は、既に20年以上の実績がある、従業員が10名ほどいる設計事務所を経営しており、私のカフェオープンの際には、その内装設計を一任したことをきっかけに付き合いを始めている。
オープン後もいろいろとアドバイスをもらっていた関係で、私がつい金銭面の苦しい状況を話すと、〔当面の融資をしてあげよう。〕と云ってくれたのだ。それは1千万円規模にもなるもので、私には夢のような話であった。
「しかし、所長、そんなことをされてしまっても、私には担保もないし、いつお返しできることか・・。」
〔いや、いいんですよ、無担保で。私はただ立花さんのカフェを助けたいだけなんです。 とても魅力的なお店ですから。〕
「しかし・・・。」
〔応援させてください。なに、3年も頑張れば、きっと固定客がついてきますよ。それに今どき銀行に3年預けても幾らもなりませんから。〕
選択肢はなかった。毎月3年で均等割りした金額と年2%の利子分を返済する契約を交わして、神林所長の好意を受けることで、私は当座の資金繰りをクリアした。
その神林所長から電話があったのは、あれから2週間程度した頃だっただろうか。何でも設計事務所の経理補佐パート従業員が急に退職したため、補充のスタッフを探しているとの事。そして〔(私の妻)真紀さんはどうですか?〕と訊いてきたのだ。
私たちはちょうど結婚8年。妻の立花真紀(たちばな・まき)は32歳。5歳の息子との3人家族です。真紀は中学、高校とバレーボール部に在籍したこともあり、身長が168センチある長身の女性である。 体育会系でもあり、余計な贅肉はほとんどついておらず、現在も非常にスリムな体形を維をしている。
真紀は手足が長く、昔鍛えられたその体はしっかりとひき締まっており、30代に入ってからは、そこに大人の色香というものも加わってきたかのようだった。バストはCカップで、20代の頃の形を完璧に維持、細みな体には意外なほどの豊満なヒップも備わっている。姿勢よく歩くその姿は人目を引くほどでもあり、私にはできすぎた妻であった。
今年、妻の真紀は息子が通う幼稚園のPTA役員に任命され、忙しい日々を送っている。同じ役員の仲間と頻繁に連絡をとりあい、なかなかに楽しそうに過ごしているようだった。
『ベルマーク係なのよ・・・。いろいろと大変だけど・・。』
「ふ~ん、ベルマークなんて、いまどきあるのか?」
『あら、まだあるわよ。マヨネーズとか歯磨き粉とか、漢字の自由帳とかにもあるんじゃないかしら。』
「なるほどなあ・・・。」
結婚後、家の中にずっといた妻が、こうやって久しぶりに外の世界に触れ、生き生きとする様を見て、私は多少の安堵感と同時に、わずかな嫉妬心も感じていた。その妻、〔真紀をパートで採用したい〕との申し出である。長男も幼稚園2年目、また私の実家がすぐそばにあるため、パートであれば働くことはできそうだ。
しかし真紀がPTA役員でいろいろと忙しいのも事実だ。実際、PTA役員の選出をする際、 日中、仕事をしている母親は、妊娠している母親、未入園児がいる母親などとともに、 その選出対象からは外されるそうだ。それほどに、役員の仕事は半端なものではないらしい。
しかし神林所長の話によれば、毎日ではなく、週3日程度で十分らしく、時間もこちらの希望で都度に調整してもらって構わないとのことだ。真紀が私の店を手伝うという選択肢もあったが、それよりも別の仕事をしたほうが経済的にははるかにものを言う。
「神林さんには融資までしてもらっているし、やってみないか真紀?」
私は、妻にそう提案をしてみた。
『そうね・・・。家からも遠くないし、それにあの設計事務所なら、しっかりしてそうだから、私、やってみるわ。』
私の気持ちを察してなのか、パート収入が家計の貴重な一助になるという事実を敢えて口にしないところに、私は妻の優しさを感じる。こうして真紀のパート勤務が始まった。
2015/07/19
中Q〖あの時に変わった?〗第6話
中Q〖あの時に変わった?〗第6話
設計事務所のパートを始めると、妻の真紀(まき32歳)はそれまで以上に何か、生き生きとした様子になっていった。気のせいか化粧もより上手になり、服装にも気を使うようになる。しかし、それは決して下品なものではなく、真紀の魅力を一層増すものであった。
ある夜、久しぶりに私(立花慶一39歳)は真紀を抱いた。もともとセックスに淡白であった妻は、息子を産んでから夜の営みとは更に疎遠になり、我々の間では2カ月に1回あればいいほうであった。最近は、退職後起業までの様々なストレスで、私自身、そういう気分になることもなかった。これほどに美しい妻を娶(めと)りながら、結婚後にこんな風(準セックスレス)になるとは、他人にはなかなか信じられないことかもしれないが・・・・。
早漏気味の私は、妻を満足させたことは恐らく一度もなく、自己中心的な行為との責めを
受けても仕方が無いものだった。しかし妻はそんな私に不満1つこぼしたことはない。
何カ月ぶりかに真紀を抱いた後、それとなく妻の仕事場での話しとなった。
「仕事はどう?」
『忙しいわよ。経理関連の帳票管理から、人事、総務のような仕事までやらされているわ。』
私は神林の態度が少し気になっていたので訊いてみる。
「所長はどんな感じ、仕事中は?」
『やさしいわよ。でもちょっとエッチなところもあるけどね、あの人。』
妻の真紀が思わせぶりに少し笑みを浮かべながらそう話す。
「エッチってなに?」
『長さん、よく私にタッチしてくるのよ。』
「タッチ?」
『さりげなくだけどね。肩とか背中とか・・。』
「へ~え。」
私は平静を装いながらも、真紀が職場で神林に背後から背中をタッチされる光景を想像す
る。嫉妬のみならず、なんとも表現できない妙な感情が私の心に渦巻く。
『それと・・もう1人、伊藤さんっていう部長さんがいてね。この人も50歳いっていると思うけど。見るからにスケベって感じで・・・。この人が、1日1回は私のお尻触ってくるんだ。』
「そんな人もいるのか・・・・・・。大丈夫なのか、お前?」
『全然平気よ。こう見えて結構楽しんでいるわ、私も。外に働きに出るのなんて独身のとき以来だから新鮮なのよ。』
こんな会話をしながら、私は職場での妻の様子をまた想像する。私の知る限り、若い女性社員は設計事務所にはいない。他のパート女性は50代のはずだ。30代で既婚者とはいえ、
妻のようなスタイル抜群な女性が職場にいるとなれば、男性陣の関心は一斉に真紀に集まるに違いない。
そしてセクハラもどきの行為を妻にして楽しんでいる。これは次第にエスカレートしていくのではないだろうか?私はそんな不安を覚えるのと同時に、他の男にアプローチされる真紀の姿を想像し、それまで経験したことのない種類の興奮を感じた。
2015/07/26
設計事務所のパートを始めると、妻の真紀(まき32歳)はそれまで以上に何か、生き生きとした様子になっていった。気のせいか化粧もより上手になり、服装にも気を使うようになる。しかし、それは決して下品なものではなく、真紀の魅力を一層増すものであった。
ある夜、久しぶりに私(立花慶一39歳)は真紀を抱いた。もともとセックスに淡白であった妻は、息子を産んでから夜の営みとは更に疎遠になり、我々の間では2カ月に1回あればいいほうであった。最近は、退職後起業までの様々なストレスで、私自身、そういう気分になることもなかった。これほどに美しい妻を娶(めと)りながら、結婚後にこんな風(準セックスレス)になるとは、他人にはなかなか信じられないことかもしれないが・・・・。
早漏気味の私は、妻を満足させたことは恐らく一度もなく、自己中心的な行為との責めを
受けても仕方が無いものだった。しかし妻はそんな私に不満1つこぼしたことはない。
何カ月ぶりかに真紀を抱いた後、それとなく妻の仕事場での話しとなった。
「仕事はどう?」
『忙しいわよ。経理関連の帳票管理から、人事、総務のような仕事までやらされているわ。』
私は神林の態度が少し気になっていたので訊いてみる。
「所長はどんな感じ、仕事中は?」
『やさしいわよ。でもちょっとエッチなところもあるけどね、あの人。』
妻の真紀が思わせぶりに少し笑みを浮かべながらそう話す。
「エッチってなに?」
『長さん、よく私にタッチしてくるのよ。』
「タッチ?」
『さりげなくだけどね。肩とか背中とか・・。』
「へ~え。」
私は平静を装いながらも、真紀が職場で神林に背後から背中をタッチされる光景を想像す
る。嫉妬のみならず、なんとも表現できない妙な感情が私の心に渦巻く。
『それと・・もう1人、伊藤さんっていう部長さんがいてね。この人も50歳いっていると思うけど。見るからにスケベって感じで・・・。この人が、1日1回は私のお尻触ってくるんだ。』
「そんな人もいるのか・・・・・・。大丈夫なのか、お前?」
『全然平気よ。こう見えて結構楽しんでいるわ、私も。外に働きに出るのなんて独身のとき以来だから新鮮なのよ。』
こんな会話をしながら、私は職場での妻の様子をまた想像する。私の知る限り、若い女性社員は設計事務所にはいない。他のパート女性は50代のはずだ。30代で既婚者とはいえ、
妻のようなスタイル抜群な女性が職場にいるとなれば、男性陣の関心は一斉に真紀に集まるに違いない。
そしてセクハラもどきの行為を妻にして楽しんでいる。これは次第にエスカレートしていくのではないだろうか?私はそんな不安を覚えるのと同時に、他の男にアプローチされる真紀の姿を想像し、それまで経験したことのない種類の興奮を感じた。
2015/07/26
中Q〖あの時に変わった?〗第7話
中Q〖あの時に変わった?〗第7話
「いいだろ、もう1回・・・・?」
私(立花慶一39歳)は妻(真紀:まき32歳)の職場での話からもたらされた予想外の興奮をどうにもできず、また妻の裸体に手を伸ばした。
『どうしたの?あなた・・・・。』
驚く妻をよそに、私は真紀の乳首を軽くつまみ、首筋に舌を這わせる。
『ああんっ・・・・。』
「真紀・・・。」
乳首を舐め、それが再び隆起していくのを確認し、私は右手を妻の茂みへと伸ばした。触られたとき、その泉は乾きを取り戻しているように思えたが、指を差し入れると、中は依然十分に濡れている。
『あんっ・・・・駄目っ・・・・。』
「ほら、これを・・・。」
真紀の手をとり、私のペニスに誘導する。それは一度放出したにもかかわらず、既に硬い状態に回復していた。真紀はその硬さを確認するかのように、何度も手を往復させる。
『さっきしたのに・・・・もう、こんななの?あなた・・・・。』
既に官能の混じる吐息を漏らしながらも、妻が私を冷やかすように、そう言う。
「真紀が職場で触られているって聞いたら、こうなっちゃったよ・・・。」
『それで興奮したの・・ばかね・・・。』
私は妻と情熱的に口付けを交わし、そのクリトリスに指で刺激を与えながら、つぎに形のいい胸に舌を移動させる。
『ああっ・・・・・ああんっ・・・・・。』
次第に妻の口からは、喘ぎ声だけが漏れ聞こえるようになる。
「真紀、いいのかい?」
私の指の動きから、妻のその淫泉は、一気に濡れ、再び愛液をほとばしり始めた。妻は、
感じやすいのだ・・・・。
『ああんっ・・・・・いいっ・・・・・いいわっ・・・・・・。』
「どこだ、ここか?」
『あんっ、そこっ・・・・・・気持ちいいっ・・・・・ああんっ・・・。』
腰を妖しくくねらせる真紀に、私はもう我慢ができなかった。妻の美脚の間に強引に体を
入れ、いきり立つペニスで一気に妻の体を貫く。
濡れた真紀の淫唇は、吸い付くように、私のものを受け入れる。
『ああんっ!』
2回目とはいえ、私は、いつも以上に、とても我慢できる状態ではなかった。それは、妙な類の興奮に襲われたからに違いなかった。私は真紀の脚を抱え上げ、最初から激しく妻を突きたてる。
2015/07/30
「いいだろ、もう1回・・・・?」
私(立花慶一39歳)は妻(真紀:まき32歳)の職場での話からもたらされた予想外の興奮をどうにもできず、また妻の裸体に手を伸ばした。
『どうしたの?あなた・・・・。』
驚く妻をよそに、私は真紀の乳首を軽くつまみ、首筋に舌を這わせる。
『ああんっ・・・・。』
「真紀・・・。」
乳首を舐め、それが再び隆起していくのを確認し、私は右手を妻の茂みへと伸ばした。触られたとき、その泉は乾きを取り戻しているように思えたが、指を差し入れると、中は依然十分に濡れている。
『あんっ・・・・駄目っ・・・・。』
「ほら、これを・・・。」
真紀の手をとり、私のペニスに誘導する。それは一度放出したにもかかわらず、既に硬い状態に回復していた。真紀はその硬さを確認するかのように、何度も手を往復させる。
『さっきしたのに・・・・もう、こんななの?あなた・・・・。』
既に官能の混じる吐息を漏らしながらも、妻が私を冷やかすように、そう言う。
「真紀が職場で触られているって聞いたら、こうなっちゃったよ・・・。」
『それで興奮したの・・ばかね・・・。』
私は妻と情熱的に口付けを交わし、そのクリトリスに指で刺激を与えながら、つぎに形のいい胸に舌を移動させる。
『ああっ・・・・・ああんっ・・・・・。』
次第に妻の口からは、喘ぎ声だけが漏れ聞こえるようになる。
「真紀、いいのかい?」
私の指の動きから、妻のその淫泉は、一気に濡れ、再び愛液をほとばしり始めた。妻は、
感じやすいのだ・・・・。
『ああんっ・・・・・いいっ・・・・・いいわっ・・・・・・。』
「どこだ、ここか?」
『あんっ、そこっ・・・・・・気持ちいいっ・・・・・ああんっ・・・。』
腰を妖しくくねらせる真紀に、私はもう我慢ができなかった。妻の美脚の間に強引に体を
入れ、いきり立つペニスで一気に妻の体を貫く。
濡れた真紀の淫唇は、吸い付くように、私のものを受け入れる。
『ああんっ!』
2回目とはいえ、私は、いつも以上に、とても我慢できる状態ではなかった。それは、妙な類の興奮に襲われたからに違いなかった。私は真紀の脚を抱え上げ、最初から激しく妻を突きたてる。
2015/07/30
中Q〖あの時に変わった?〗第8話
中Q〖あの時に変わった?〗第8話
『あんっ!あんっ!あんっ!』
妻(真紀:まき32歳)が部屋中に響くほどの嬌声をあげる。
「真紀っ・・・。」
『ああんっ!いいっ!・・・・いいっ!』
真紀のスレンダーな肢体が折れ曲がり、それだけで猥雑さをかもし出す。私(立花慶一39歳)はキスを要求し、妻がそれに舌を絡めて応える。妻の真紀は両手でシーツを握り締め、自分が襲われている快感を体現する。
ふと、私が、いや神林が真紀を抱いているような妄想を襲う。私の下で悶える真紀は、神林に攻められて耐える妻の姿に映った。
『ああっ・・・いいっ!』
《神林に抱かれて感じているのか・・・・》この妄想に濃厚な興奮を、私は感じ取る。腰を動かしながら、真紀と濃厚な口付けを交わし、私は早々に限界に達しそうになる。
「逝くよっ、真紀!」
『ああんっ・・・・駄目っ・・・・。』
「真紀!」
『あんっ、まだ、駄目よ・・・・ああんっ!』
「ああっ、真紀!」
私は、耐え切れず妻の中にその夜、二度目の放出を果たした。
僅かに乱れた吐息で、目を閉じたまま・・・私の下で横たわる妻の真紀。《しかし、絶頂に達した男の下で、自らは昇り詰めることができなかった女は・・いったいどんな感情を抱くものなのか・・・・》私は真紀に何も言葉をかけられず、ただ優しく口付けをし、その髪を撫で続けるしかなかった。
そんなある日の午後、神林から私の携帯に電話がある。資金援助の一件もあり、私はやや緊張気味に電話に出た。
「どうも、いつも妻がお世話になっています。」
〔いやいや、立花さん、こちらこそ、大変助かっていますよ。奥様は、随分と優秀なひとです。〕
「そうですか・・・それはどうも。」
〔ええ、助かっています・・・。ところでご主人、今日はひとつお願いがありまして・・・。〕
そう言いながら、神林は1つの相談を私に持ちかけてきた。
2015/08/03
『あんっ!あんっ!あんっ!』
妻(真紀:まき32歳)が部屋中に響くほどの嬌声をあげる。
「真紀っ・・・。」
『ああんっ!いいっ!・・・・いいっ!』
真紀のスレンダーな肢体が折れ曲がり、それだけで猥雑さをかもし出す。私(立花慶一39歳)はキスを要求し、妻がそれに舌を絡めて応える。妻の真紀は両手でシーツを握り締め、自分が襲われている快感を体現する。
ふと、私が、いや神林が真紀を抱いているような妄想を襲う。私の下で悶える真紀は、神林に攻められて耐える妻の姿に映った。
『ああっ・・・いいっ!』
《神林に抱かれて感じているのか・・・・》この妄想に濃厚な興奮を、私は感じ取る。腰を動かしながら、真紀と濃厚な口付けを交わし、私は早々に限界に達しそうになる。
「逝くよっ、真紀!」
『ああんっ・・・・駄目っ・・・・。』
「真紀!」
『あんっ、まだ、駄目よ・・・・ああんっ!』
「ああっ、真紀!」
私は、耐え切れず妻の中にその夜、二度目の放出を果たした。
僅かに乱れた吐息で、目を閉じたまま・・・私の下で横たわる妻の真紀。《しかし、絶頂に達した男の下で、自らは昇り詰めることができなかった女は・・いったいどんな感情を抱くものなのか・・・・》私は真紀に何も言葉をかけられず、ただ優しく口付けをし、その髪を撫で続けるしかなかった。
そんなある日の午後、神林から私の携帯に電話がある。資金援助の一件もあり、私はやや緊張気味に電話に出た。
「どうも、いつも妻がお世話になっています。」
〔いやいや、立花さん、こちらこそ、大変助かっていますよ。奥様は、随分と優秀なひとです。〕
「そうですか・・・それはどうも。」
〔ええ、助かっています・・・。ところでご主人、今日はひとつお願いがありまして・・・。〕
そう言いながら、神林は1つの相談を私に持ちかけてきた。
2015/08/03
中Q〖あの時に変わった?〗第9話
中Q〖あの時に変わった?〗第9話
〔実はうちの重要な取引先のひとつであるハウスメーカーさんを接待する1泊の温泉旅行を企画していましてね。そこに奥さんとご主人を是非お連れしたいんですよ。〕
と神林所長が説明する。
「温泉旅行に、ですか?」私(立花慶一39歳)は聞き返しました。
〔そうです。大事な取引先でね、そのメーカーさんは。まあ、はっきり言うと接待旅行な
んです。男ばかりで参加するのも何ですので、是非奥様の美貌をお借りしたいんですよ。
何しろメーカーさんの部長さんってのがまだ若い方なんですが、いつも、女性、女性ってうるさい人でね・・・。〕
所長はそう言いながら電話越しに思わせぶりに笑う。
「しかし、妻で仕事のお役に立つんでしょうか?」
〔勿論です。ただご主人、最初にお断りしておきたいことがあります。今回のメインは接待です。申し訳ないけど奥様には多少ご無理をお願いしてもらうことになるかもしれません。〕
「無理、といいますと・・。」
〔つまり、ホステスの役目をしてもらうわけです。部長さんを存分に楽しませるんです。 まぁ女性にしかできないこともありますから・・・。〕
神林のその意味深な発言が私は気になった。妻(真紀:まき32歳)にいったい何を要求するつもりだろうか?オフィスでのセクハラまがいの行為のことが私の頭を素早くよぎる。
しかも今度は泊まりの旅行である。何か間違いが起こらないとも限らない。だが他ならぬ、神林の誘いだ・・・・。融資の件がある以上、無碍(むげ:一方的)に拒絶することは、私にはできない。不安げな私の気持ちを察知したのか、神林は続けて私に話しかける。
〔さすがに奥さんがご心配でしょう?そこで是非ご主人も一緒に招待したいと思いまして・・・。〕
「しかし私はお邪魔ではないですか・・・?」
〔もちろん夜の宴席では席を外してもらうことになるかもしれません。しかし、そのほかは奥様とご一緒です。ご主人も毎日カフェに顔を出して、なかなかお疲れでしょう?ここらで一服されてもいいんじゃないですか。なあに、費用のほうはこちらの経費で全部落としますからご心配ありません。〕
「いや、それではあまりにも・・・。」
そう言って躊躇する私に、神林は少し強い調子で私に告げる。
〔もう奥様には既に了承は得ています。『お力になれるなら』っておっしゃっていました。〕
自分(神林)の意に私が逆らえないことは、所長自身がわかっているはずだ。しかも今回は旅行への招待である。仕方なく、私はその提案について極力考えすぎないよう、軽い気持ちで了承することにした。
2015/08/06
〔実はうちの重要な取引先のひとつであるハウスメーカーさんを接待する1泊の温泉旅行を企画していましてね。そこに奥さんとご主人を是非お連れしたいんですよ。〕
と神林所長が説明する。
「温泉旅行に、ですか?」私(立花慶一39歳)は聞き返しました。
〔そうです。大事な取引先でね、そのメーカーさんは。まあ、はっきり言うと接待旅行な
んです。男ばかりで参加するのも何ですので、是非奥様の美貌をお借りしたいんですよ。
何しろメーカーさんの部長さんってのがまだ若い方なんですが、いつも、女性、女性ってうるさい人でね・・・。〕
所長はそう言いながら電話越しに思わせぶりに笑う。
「しかし、妻で仕事のお役に立つんでしょうか?」
〔勿論です。ただご主人、最初にお断りしておきたいことがあります。今回のメインは接待です。申し訳ないけど奥様には多少ご無理をお願いしてもらうことになるかもしれません。〕
「無理、といいますと・・。」
〔つまり、ホステスの役目をしてもらうわけです。部長さんを存分に楽しませるんです。 まぁ女性にしかできないこともありますから・・・。〕
神林のその意味深な発言が私は気になった。妻(真紀:まき32歳)にいったい何を要求するつもりだろうか?オフィスでのセクハラまがいの行為のことが私の頭を素早くよぎる。
しかも今度は泊まりの旅行である。何か間違いが起こらないとも限らない。だが他ならぬ、神林の誘いだ・・・・。融資の件がある以上、無碍(むげ:一方的)に拒絶することは、私にはできない。不安げな私の気持ちを察知したのか、神林は続けて私に話しかける。
〔さすがに奥さんがご心配でしょう?そこで是非ご主人も一緒に招待したいと思いまして・・・。〕
「しかし私はお邪魔ではないですか・・・?」
〔もちろん夜の宴席では席を外してもらうことになるかもしれません。しかし、そのほかは奥様とご一緒です。ご主人も毎日カフェに顔を出して、なかなかお疲れでしょう?ここらで一服されてもいいんじゃないですか。なあに、費用のほうはこちらの経費で全部落としますからご心配ありません。〕
「いや、それではあまりにも・・・。」
そう言って躊躇する私に、神林は少し強い調子で私に告げる。
〔もう奥様には既に了承は得ています。『お力になれるなら』っておっしゃっていました。〕
自分(神林)の意に私が逆らえないことは、所長自身がわかっているはずだ。しかも今回は旅行への招待である。仕方なく、私はその提案について極力考えすぎないよう、軽い気持ちで了承することにした。
2015/08/06
中Q〖あの時に変わった?〗第10話
中Q〖あの時に変わった?〗第10話
神林所長の招待(接待の仕事?)で私たちが向かった温泉宿は、伊豆の西海岸沿いの山中にある隠れ家的な場所だった。そこはホテルではなく、広い敷地に茅葺の数寄屋造りの離れがいくつも建てられた、風情があり、かなり高級なクラスと思われる旅館。15軒建てられた離れは、眺望、露天風呂、庭など、それぞれが異なる強みを持っており、その一帯は周囲の喧騒から完全に隔離されていた。そこは、虫が奏でる音だけが存在する、心地よい静寂に包まれていた。
我々は5歳の長男を私の実家に預け、久々にカフェ<ミナスジェライス>も休業とし、この旅行に参加した。長男は、大好きなウルトラマンの大怪獣バトルゲームのカードアルバムを握り締め、我々だけが出かけることに、全く嫌がらなかった。既に祖父母からは、新しい怪獣人形を買ってもらう約束を取り付けている模様だった。(現金なやつである。)
旅行への参加者は、神林所長、私(立花慶一39歳)、妻(真紀:まき32歳)、そして接待相手の大手ハウスメーカーの部長、以上4名だった。部長の名前は薮内公博といった。部長との肩書きながら、想像以上に若い。恐らくまだ40代半ば、私より少し上くらいではなかろうか。神林所長よりは明らかに年下である。社会に出れば年齢など関係はない。時には、年下の相手であろうと卑屈になり、もてなす必要がある。
真紀の話によれば、神林の設計事務所は、薮内のハウスメーカーが発注する仕事で成り立っているらしかった。普通に考えれば、ハウスメーカーと設計事務所というのは競合する
のだが、メーカーの下請けとしての役目を担う設計事務所も数多くあるそうです。そうした関係であれば、神林所長が薮内を接待するのも当然といえた。
門をくぐり、フロントがある離れまで、我々は石畳を踏みながら、風情のある庭園を歩いていった。そこには打ち水がなされ、見事に配置された木々の若葉の匂いが、あたりを濃く包み込んでいる。梅雨明け間近を思わせる、厳しい日差しが空から降り注いでいた。
『所長、こんな豪華なところ、ほんとにいいんですか?』
周囲を見回しながら、妻の真紀が隣を歩く神林に聞いている。
〔真紀さん、いいんですよ。今日は、その代わり、薮内さんへの接待を頼みますよ。〕
神林は、後方に少し離れて歩く薮内に視線をやりながら、妻に小声で話しかけた。
『ええ・・それは勿論、頑張りますわ。』
その真紀と神林の話しぶりに、私は2人の親密度を感じた。そのために私は多少の居心地の悪さを感じながらも、2人の後をついていくしかなかった。
私たち夫婦に一つ、そして少し距離をおいて神林と薮内と、二つの独立した離れがそれぞれに割り振られている。私たちの部屋の風呂は、露天風呂ではないものの、岩風呂といわれるもので、天然の岩をくりぬいて作られた、何とも個性的なものだった。神林たちの部屋には、内風呂としての檜風呂、そして露天風呂が備わっており、部屋数も8畳間、6畳間の二部屋と、大人数でも泊まれそうな離れであった。
到着後、一旦神林たちの部屋に集まり、夕食の時間などを確認し、まずはそれぞれの離れで休憩ということになり、私たちは夕食の時間までは各部屋で滞在することになる。各自の車で来たのだが、途中の高速が案外と空いていたこともあり、予定より早めに到着し、まだ午後4時前だった。
2015/08/26
神林所長の招待(接待の仕事?)で私たちが向かった温泉宿は、伊豆の西海岸沿いの山中にある隠れ家的な場所だった。そこはホテルではなく、広い敷地に茅葺の数寄屋造りの離れがいくつも建てられた、風情があり、かなり高級なクラスと思われる旅館。15軒建てられた離れは、眺望、露天風呂、庭など、それぞれが異なる強みを持っており、その一帯は周囲の喧騒から完全に隔離されていた。そこは、虫が奏でる音だけが存在する、心地よい静寂に包まれていた。
我々は5歳の長男を私の実家に預け、久々にカフェ<ミナスジェライス>も休業とし、この旅行に参加した。長男は、大好きなウルトラマンの大怪獣バトルゲームのカードアルバムを握り締め、我々だけが出かけることに、全く嫌がらなかった。既に祖父母からは、新しい怪獣人形を買ってもらう約束を取り付けている模様だった。(現金なやつである。)
旅行への参加者は、神林所長、私(立花慶一39歳)、妻(真紀:まき32歳)、そして接待相手の大手ハウスメーカーの部長、以上4名だった。部長の名前は薮内公博といった。部長との肩書きながら、想像以上に若い。恐らくまだ40代半ば、私より少し上くらいではなかろうか。神林所長よりは明らかに年下である。社会に出れば年齢など関係はない。時には、年下の相手であろうと卑屈になり、もてなす必要がある。
真紀の話によれば、神林の設計事務所は、薮内のハウスメーカーが発注する仕事で成り立っているらしかった。普通に考えれば、ハウスメーカーと設計事務所というのは競合する
のだが、メーカーの下請けとしての役目を担う設計事務所も数多くあるそうです。そうした関係であれば、神林所長が薮内を接待するのも当然といえた。
門をくぐり、フロントがある離れまで、我々は石畳を踏みながら、風情のある庭園を歩いていった。そこには打ち水がなされ、見事に配置された木々の若葉の匂いが、あたりを濃く包み込んでいる。梅雨明け間近を思わせる、厳しい日差しが空から降り注いでいた。
『所長、こんな豪華なところ、ほんとにいいんですか?』
周囲を見回しながら、妻の真紀が隣を歩く神林に聞いている。
〔真紀さん、いいんですよ。今日は、その代わり、薮内さんへの接待を頼みますよ。〕
神林は、後方に少し離れて歩く薮内に視線をやりながら、妻に小声で話しかけた。
『ええ・・それは勿論、頑張りますわ。』
その真紀と神林の話しぶりに、私は2人の親密度を感じた。そのために私は多少の居心地の悪さを感じながらも、2人の後をついていくしかなかった。
私たち夫婦に一つ、そして少し距離をおいて神林と薮内と、二つの独立した離れがそれぞれに割り振られている。私たちの部屋の風呂は、露天風呂ではないものの、岩風呂といわれるもので、天然の岩をくりぬいて作られた、何とも個性的なものだった。神林たちの部屋には、内風呂としての檜風呂、そして露天風呂が備わっており、部屋数も8畳間、6畳間の二部屋と、大人数でも泊まれそうな離れであった。
到着後、一旦神林たちの部屋に集まり、夕食の時間などを確認し、まずはそれぞれの離れで休憩ということになり、私たちは夕食の時間までは各部屋で滞在することになる。各自の車で来たのだが、途中の高速が案外と空いていたこともあり、予定より早めに到着し、まだ午後4時前だった。
2015/08/26
中Q〖あの時に変わった?〗第11話
中Q〖あの時に変わった?〗第11話
妻(立花真紀:まき32歳)と一緒に温泉に来るなど、いったいいつ以来であろうか。私(立花慶一:39歳)が会社に勤務していた頃も年に1回か2回の家族旅行は近場で適当に済ませていた私達にとって、このような豪華な温泉宿は、全く縁遠いものであった。
私は部屋に入ると、あちらこちら見て回る。
「真紀、見なよ、この風呂を。」
早速岩風呂に妻を伴って入った。
「ほら天然の岩をくりぬいて作ったって書いてあるぞ。」
『へえ~。でもよくくりぬいたよね~。こんな固そうな岩。』
能天気な感想を漏らす妻を、私は背後から突然抱きしめる。それは、自分でも意外な行動だった。『ちょっと、あなた・・・・。』モノトーンのフラワープリントをあしらったワンピースを着た真紀が、驚いたように体をよじる。肩から素肌を露出した開放的な服装だ。身長172センチの私と真紀の背丈はほとんど変わらない。
「いいじゃないか、まだ夕食まで時間はあるし・・・・。」
私は背後から手を伸ばし、胸元からワンピースの中に潜り込ませる。胸の膨らみのあたりを軽く揉みながら、うなじに舌を這わせる。『あんっ……。』強く抵抗もしない妻を確認し、 私はワンピースの後ろファスナーを一気に下ろす。
『あなた、そんなに焦らないで・・・・。』私はそれには答えることなく、真紀からワンピースを剥ぎ取り、ランジェリーだけの姿にする。ブラジャーとショーツは、揃いの薄い紫色で、
全面をストレッチレースで仕上げた贅沢な下着であった。目を凝らせば、ブラジャーの下には、桃色に熟れた乳輪、そして乳首が、刺繍の隙間から確認できる。
「こんな下着、持っていたのか?お前。」
そんな刺激的なランジェリーに身を包んだ真紀を抱きながら、私はそう訊いた。
『だって知らないでしょ、あなた、私の下着なんて・・・・。』
「そりゃそうだが・・・・。」
夜の営みが頻繁でない私にとっては、確かにそれは的を得た指摘だ。しかし、私はこんな挑発的な下着をつけた妻を見たことはなかった。私は真紀を自分の方に向け、激しく唇を吸った。そして自らのシャツ、チノパンを脱ぎ捨てる。既に硬さを増している私の股間に、妻が気づく。『どうしたの?あなた・・・・。』キスを受け入れながら、妻は私にそう訊く。
温泉での接待。神林と親しげに会話をする妻。接待相手となる薮内。そして、この刺激的なランジェリー姿の真紀。全てが折り重なって私を襲い、興奮をもたらしたのだろうか?しかし、そんなことを妻に吐露できるはずもなかった。
2015/12/12
妻(立花真紀:まき32歳)と一緒に温泉に来るなど、いったいいつ以来であろうか。私(立花慶一:39歳)が会社に勤務していた頃も年に1回か2回の家族旅行は近場で適当に済ませていた私達にとって、このような豪華な温泉宿は、全く縁遠いものであった。
私は部屋に入ると、あちらこちら見て回る。
「真紀、見なよ、この風呂を。」
早速岩風呂に妻を伴って入った。
「ほら天然の岩をくりぬいて作ったって書いてあるぞ。」
『へえ~。でもよくくりぬいたよね~。こんな固そうな岩。』
能天気な感想を漏らす妻を、私は背後から突然抱きしめる。それは、自分でも意外な行動だった。『ちょっと、あなた・・・・。』モノトーンのフラワープリントをあしらったワンピースを着た真紀が、驚いたように体をよじる。肩から素肌を露出した開放的な服装だ。身長172センチの私と真紀の背丈はほとんど変わらない。
「いいじゃないか、まだ夕食まで時間はあるし・・・・。」
私は背後から手を伸ばし、胸元からワンピースの中に潜り込ませる。胸の膨らみのあたりを軽く揉みながら、うなじに舌を這わせる。『あんっ……。』強く抵抗もしない妻を確認し、 私はワンピースの後ろファスナーを一気に下ろす。
『あなた、そんなに焦らないで・・・・。』私はそれには答えることなく、真紀からワンピースを剥ぎ取り、ランジェリーだけの姿にする。ブラジャーとショーツは、揃いの薄い紫色で、
全面をストレッチレースで仕上げた贅沢な下着であった。目を凝らせば、ブラジャーの下には、桃色に熟れた乳輪、そして乳首が、刺繍の隙間から確認できる。
「こんな下着、持っていたのか?お前。」
そんな刺激的なランジェリーに身を包んだ真紀を抱きながら、私はそう訊いた。
『だって知らないでしょ、あなた、私の下着なんて・・・・。』
「そりゃそうだが・・・・。」
夜の営みが頻繁でない私にとっては、確かにそれは的を得た指摘だ。しかし、私はこんな挑発的な下着をつけた妻を見たことはなかった。私は真紀を自分の方に向け、激しく唇を吸った。そして自らのシャツ、チノパンを脱ぎ捨てる。既に硬さを増している私の股間に、妻が気づく。『どうしたの?あなた・・・・。』キスを受け入れながら、妻は私にそう訊く。
温泉での接待。神林と親しげに会話をする妻。接待相手となる薮内。そして、この刺激的なランジェリー姿の真紀。全てが折り重なって私を襲い、興奮をもたらしたのだろうか?しかし、そんなことを妻に吐露できるはずもなかった。
2015/12/12
中Q〖あの時に変わった?〗第12話
中Q〖あの時に変わった?〗第12話
第11話
私(立花慶一:たちばな・けいいち:39歳)は妻(立花真紀:たちばな・まき:32歳)の質問には答えず、背中のブラジャーのホックに手を伸ばし、それを外す。ブラジャーが床にはらりと落ち、その下に隠されていた形のいい妻の胸が露になる。『やだっ・・・・。』の声を無視して、私は乱暴に真紀の胸を揉みながら、浴室のドアを完全に開けた。
乱暴に妻のショーツを剥ぎ取り、我々は全裸で抱き合ったまま岩風呂に入る。そこは大人2人が入っても、それは十分なスペースであった。私は妻を自分の上に、脚を広げて向かい合わせるように座らせる。そして、激しく口付けを交わしながら、私が妻の秘唇を指で刺激した。湯船の中でも、それはまた、牝としての湿り気を帯びていることは
容易に確認できる。
『あんっ・・・・・・駄目だってば・・・・・・。』
悶える真紀の乳首を唇で軽く噛み、更に刺激を加えた。
「どうだ、真紀?」
『ああんっ、駄目っ・・・・・・。』
艶のある吐息を漏らしながら、湯煙が充満する室内で、感じやすい妻は、恥ずかしげに私の股間に手を伸ばす。私のペニスは水面下で、完全に硬く変貌していた。それをつかみ、妻は催促するように優しく上下に手を動かす。
「駄目だよ・・・・。」
私は、このいつもとは違うシチュエーションに、いつも以上に我慢ができそうになかった。
妻の太腿を抱えると、ペニスを妻自身の下に仕向け、そして妻をその上に沈める。
『ああんっ!』
浴槽に入ったまま私に貫かれ、妻が嬌声をあげた。
我慢できないかのように、妻は自分から激しく腰を前後に揺らし始める。私は懸命に放出を先延ばししようとしたが、妻のその淫らな姿態に、それは難しそうなことを悟った。
『あんっ! あんっ! あんっ!』
あごを突き出すように体を反らし、妻は私の上で踊る。
「真紀っ・・・・。」
『ああっ・・・いいっ・・・・・・いいわ・・・・・・。』
下半身を振り続ける妻の乳房を、私は揉みしだき、そこに顔をうずめた。
『あんっ・・・・・・。あんっ・・・・。』
浴室に、妻の喘ぎ声が妖しく響き渡り、それが2人の興奮を加速させるようだった。
第13話に続く
2017/01/30
第11話
私(立花慶一:たちばな・けいいち:39歳)は妻(立花真紀:たちばな・まき:32歳)の質問には答えず、背中のブラジャーのホックに手を伸ばし、それを外す。ブラジャーが床にはらりと落ち、その下に隠されていた形のいい妻の胸が露になる。『やだっ・・・・。』の声を無視して、私は乱暴に真紀の胸を揉みながら、浴室のドアを完全に開けた。
乱暴に妻のショーツを剥ぎ取り、我々は全裸で抱き合ったまま岩風呂に入る。そこは大人2人が入っても、それは十分なスペースであった。私は妻を自分の上に、脚を広げて向かい合わせるように座らせる。そして、激しく口付けを交わしながら、私が妻の秘唇を指で刺激した。湯船の中でも、それはまた、牝としての湿り気を帯びていることは
容易に確認できる。
『あんっ・・・・・・駄目だってば・・・・・・。』
悶える真紀の乳首を唇で軽く噛み、更に刺激を加えた。
「どうだ、真紀?」
『ああんっ、駄目っ・・・・・・。』
艶のある吐息を漏らしながら、湯煙が充満する室内で、感じやすい妻は、恥ずかしげに私の股間に手を伸ばす。私のペニスは水面下で、完全に硬く変貌していた。それをつかみ、妻は催促するように優しく上下に手を動かす。
「駄目だよ・・・・。」
私は、このいつもとは違うシチュエーションに、いつも以上に我慢ができそうになかった。
妻の太腿を抱えると、ペニスを妻自身の下に仕向け、そして妻をその上に沈める。
『ああんっ!』
浴槽に入ったまま私に貫かれ、妻が嬌声をあげた。
我慢できないかのように、妻は自分から激しく腰を前後に揺らし始める。私は懸命に放出を先延ばししようとしたが、妻のその淫らな姿態に、それは難しそうなことを悟った。
『あんっ! あんっ! あんっ!』
あごを突き出すように体を反らし、妻は私の上で踊る。
「真紀っ・・・・。」
『ああっ・・・いいっ・・・・・・いいわ・・・・・・。』
下半身を振り続ける妻の乳房を、私は揉みしだき、そこに顔をうずめた。
『あんっ・・・・・・。あんっ・・・・。』
浴室に、妻の喘ぎ声が妖しく響き渡り、それが2人の興奮を加速させるようだった。
第13話に続く
2017/01/30
中Q〖あの時に変わった?〗第13話
中Q〖あの時に変わった?〗第13話
第12話 2017/01/30
体をくねらせる妻(立花真紀:たちばな・まき:32歳)を上にし、私(立花慶一:たちばな・けいいち:39歳)は限界を感じる。
「真紀、もう出ちゃうよ・・・・。」
『ああんっ・・・・。あなた、まだ駄目っ・・・・。』
妻は目を閉じたまま、私にキスを求め、そう声を漏らした。
「真紀っ・・・・。」
『あんっ!・・・・・・駄目っ・・・・。』
決断をした私は、下から腰を突きあげ、一気にスパートを始める。激しく浴槽内が波打ち、湯が外に飛び散った。
「真紀、いいか!」
『いいっ・・・・・いいわっ!・・・・』
「ああっ、いくぞ!」
『あんっ・・・・まだっ・・・・。』
「ああっ、真紀!」
私はそう叫ぶと、妻の中に、それを激しく放出する。妻を取り残したまま、私は、一人、満ち足りた状態で妻を抱いたまま、湯船に沈んだ。
[あれじゃ、あの奥さんは満足できないですねえ。]
下方で繰り広げられた光景の一部始終を眺め終わり、薮内は神林にそう声をかける。
〔いや、そうでしょうなあ・・・。〕
部下である立花真紀の裸体に興奮を隠しきれない神林雅夫(かんばやし・まさお:52歳)が、努めて冷静に薮内公博(やぶうち・きみひろ:44歳)に反応した。
[おや、どうしました? 神林さん。]
神林の声色から、その隠しきれない興奮が、薮内にも伝わってしまったようである。
〔いや、普段目の前で見ている女性ですからなあ。あんな風に乱れる光景を見てしまうと、
さすがに興奮してしまいますわ。〕
照れを隠すような表情で素直に神林はそう白状し、そして話を続けた。
〔何となくですが、あの奥さんからは聞いておったんですよ、私は・・。〕
[ほう。]
〔どうも、夜の営みはほとんどしていない様子でしてね。しかも旦那の行為で『満足したことないわ』って、仕事の合間に冗談めかすので、何とか聞き出しただけなんですが・・。〕
[あれを見れば、それは事実でしたね。]
〔ご主人があれほど早くちゃね、奥さんも満足はできないですなあ。〕
狭い屋根裏のスペースに腰をかがめるようにしゃがみこみ、先程から薮内と神林の2人は、下の岩風呂の様子を一部始終手に取るように観察をしていた。 第14話へ続く
2018/07/01
第12話 2017/01/30
体をくねらせる妻(立花真紀:たちばな・まき:32歳)を上にし、私(立花慶一:たちばな・けいいち:39歳)は限界を感じる。
「真紀、もう出ちゃうよ・・・・。」
『ああんっ・・・・。あなた、まだ駄目っ・・・・。』
妻は目を閉じたまま、私にキスを求め、そう声を漏らした。
「真紀っ・・・・。」
『あんっ!・・・・・・駄目っ・・・・。』
決断をした私は、下から腰を突きあげ、一気にスパートを始める。激しく浴槽内が波打ち、湯が外に飛び散った。
「真紀、いいか!」
『いいっ・・・・・いいわっ!・・・・』
「ああっ、いくぞ!」
『あんっ・・・・まだっ・・・・。』
「ああっ、真紀!」
私はそう叫ぶと、妻の中に、それを激しく放出する。妻を取り残したまま、私は、一人、満ち足りた状態で妻を抱いたまま、湯船に沈んだ。
[あれじゃ、あの奥さんは満足できないですねえ。]
下方で繰り広げられた光景の一部始終を眺め終わり、薮内は神林にそう声をかける。
〔いや、そうでしょうなあ・・・。〕
部下である立花真紀の裸体に興奮を隠しきれない神林雅夫(かんばやし・まさお:52歳)が、努めて冷静に薮内公博(やぶうち・きみひろ:44歳)に反応した。
[おや、どうしました? 神林さん。]
神林の声色から、その隠しきれない興奮が、薮内にも伝わってしまったようである。
〔いや、普段目の前で見ている女性ですからなあ。あんな風に乱れる光景を見てしまうと、
さすがに興奮してしまいますわ。〕
照れを隠すような表情で素直に神林はそう白状し、そして話を続けた。
〔何となくですが、あの奥さんからは聞いておったんですよ、私は・・。〕
[ほう。]
〔どうも、夜の営みはほとんどしていない様子でしてね。しかも旦那の行為で『満足したことないわ』って、仕事の合間に冗談めかすので、何とか聞き出しただけなんですが・・。〕
[あれを見れば、それは事実でしたね。]
〔ご主人があれほど早くちゃね、奥さんも満足はできないですなあ。〕
狭い屋根裏のスペースに腰をかがめるようにしゃがみこみ、先程から薮内と神林の2人は、下の岩風呂の様子を一部始終手に取るように観察をしていた。 第14話へ続く
2018/07/01
| ホーム |