名U トライアングル・リレーション 第7話
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僕(立木一幸:たちき・かずゆき:29歳)、嫁(立木優希:たちき・ゆうき:27歳)、親友(倉橋悠馬:くらはし・ゆうま:29歳)は僕の同級生で独身。
僕は自分が酔っているのもあったが、悠馬に色々と訊いてみた。
「料理どころか、こないだ嫁を喰っただろ!(笑)」
〔まじ悪りい。久々に良い思いさせてもらいました・・・。〕
「〔良い思い〕って普通に夫の前で言うかな?」
〔ほんとにスマン。酔っていたから何か“デジャヴ(ある光景を見てそれを前にも見たことがあると錯覚する現象)”のような・・・。〕
「お前、なんで優希と別れたの?」
〔いろいろあってさ。ま~大人の事情さ。〕
「嘘つけ。ただ飽きたからだろう。」
ここで片づけを終えて台所から優希が戻ってきて、『何楽しそうに話してるの? そうだ電車まだあるかな? 悠馬さん泊まってく? それとも帰る?』って言うと、一も二もなく悠馬は〔お言葉に甘えて、有難く、泊まらせていただきます~〕と気楽な態度。《つい最近、諸事情があったにせよ僕の嫁とセックスしておきながらだ。》、『それじゃあどちらでもいいから、お風呂早く入ってくれる。』って優希が急かすが。僕は「優希が先に入れよ。僕たちの事は気にすんな。適当にしてるから。」、『そう・・・。じゃすぐ入ってくるわ。ゴメンね。』
僕は、嫁がバスルームに入るのを確認してから悠馬に、「なあ、お前、また優希を抱いてもいいんだぞ?」と言った。〔え? マジでっ?・・・。それでいいのか? お前大丈夫かよ?〕と真剣な顔つきの悠馬に「勿論今だけだ。傷心の友を放っておけないからさ。」最初、悠馬は疑心暗鬼だったが、僕が真剣だと分かったら、ウキウキしながら風呂から上がった優希と入れ替わりでバスルームに入っていく。
今度は優希を説得する。最初、全く取り合ってくれなかったが、僕が真面目な顔で訴えると徐々に涙目になった。嫁は動揺した時、いつもこうなる。そして、『一幸本気なの? 私の事が嫌いになったの? この前のこと怒ってるの?』って訴えてくる。「ちがうよ。この前は僕が言い出したことだし、今夜は真面目なお願いとして頼んでいるんだ。悠馬を慰めてやってくれよ。あいつ、今でも優希の事好きみたいだからさ。」
優希は「悠馬は今でも好き」と言う僕の言葉に動揺していた。目が泳いでいるのを見て僕は、《あー やっぱ未だに悠馬の事引きずっているのか?》と、ブルーな気分になる。それは僕の嫁という優位性が崩れた瞬間だった。
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20200704
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