特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第31章
特名Ⅱ 〖俺と嫁 嫉妬と興奮の狭間に〗第31章
嫁(柴﨑博美:しばさき・ひろみ:27歳)の『っていうかぁ、食事だけって話でした。』の言葉が後藤に甘えるような咎めるみたいな口調だったから、食事だけって言葉がもう既に嘘になっているって感じが薄々判って、この衝撃も凄かった。
後藤和真(ごとう・かずま:30歳)さんの次の言葉ではっきりする。〔ゴメンゴメン。そういや博美ちゃんにまだ飯喰わせてないよな。〕、『それ最悪ですよねー。』って悪戯っぽい嫁の声。俺(柴﨑将嗣:しばさき・まさし:32歳)は本気でガタガタガタって手が震えてきて、左手で右手を抑えた位だった。これが【寝取らせ】の現実だと思い知る。博美を他の男に抱かせる(セックスさせる)のを承知しているが、二人の会話の中で、特に嫁が“甘い声”で喋る部分は実に心が痛んだ。
その後で博美が、『本当に将嗣君(俺)が泊まりOKなら最初から言うはずだもん?』って言うのを、後藤さんが宥(なだ)めたりしている会話が続く。それがいかにも嫁を宥(なだ)めているって感じで胸がもやもやした。しかもその途中で後藤さんが、〔でもさ博美ちゃんはもう裸になってるよ。〕と言った事でもう1回はやっている事や、博美がまだ裸でいる事が判って呆然とする。
この会話を聞いていて、俺がいないシュチュエーション(状態・事態・局面)で嫁の博美が俺の話をしているのを聞くのは、凄く奇妙な感覚だと思った。(ただし博美は電話で盗聴されていることは全く知らない。)他人の会話(とはいえ嫁の会話)って凄く雑談と、逆に真面目な感じの話が前後して混ざっている。その話を聞いていても嫁が煙草を嫌いな話とかが途中に挟まったりして脈絡がない事も多かった。
結局後藤さんが〔じゃあ、おれが柴﨑さんに電話するよ。〕と言う、博美の『えー! それはちょっと、待って待って、え、後藤さん待ってって!』っていう声の後、スマートフォンがぶちって切れる。この電話の会話には興奮もしたし、呆然としていたってのもあったけど、思ったより嫁と後藤さんが親しげな口調だったことに対してなんか凄く強く嫉妬した。(それより興奮が半端なく、プレイを終了しようとは思わない。)
そこから5分後に博美から電話が掛かってくる。すぐ取ると変かもしれないと思って5回くらい鳴らしてから取った。「もしもし。」、『あ、・・・将嗣君、私、あのね。・・・ふう・・。』
電話の向こうで嫁が深呼吸をしているみたいな声の後に、『ちょっと私、飲みすぎちゃったみたいで、少し気分が悪くて。後藤さんがね、〔休んで行った方がいい。〕って言ってくれて・・・。』(最初から喋る内容を決めていたセリフのような話し方)俺も喉がカラカラだったけど博美の言葉に「うん。それで?」って返事をした。
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20200408
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