中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第45話
第44話 20190717
妻(前島天音:まえじま・あまね:28歳)が、県道のおしゃれなレストラン(イタリアン・カフェ)の駐車場に乗り入れる。土曜日だけに半分以上駐車スペースに車が並んでいた。『真悟様ここでよろしいでしょうか?』って先ほどの僕(前島真悟:まえじま・しんご:30歳)の発言にまだ根に持つ(いつまでも恨みに思って忘れないでいる。)言葉づかい。「分かったよ。ここで深く反省し謝罪を致します。」と村瀬(憲二:むらせ・けんじ:33歳)さんの文章に影響された言葉を返すと、『はい。謹んで受け止めました。』って天音が笑う。
『席空いてるかな?』って天音がシートベルトを外しながらつぶやいた。『なんだかおなかが減りすぎて気持ち悪いわ~ ねっ真悟君も急いで降りて~』まだ文書を読み終えていない僕を急がせる。幸いに空席がみつかり二人はランチコース(定番だから早く来るだろう。)を頼んだ。3種類のパスタから選択し、それに季節のサラダ、アイスクリーム、ドリンクがついてくる。
僕は食事が運ばれてくるまで文章の続きを読んだ。天音は店のメニューを眺めている。〔第4項目:前島さんに仕事も家庭もあるのは承知しています。その中で前島さんが自由になる短い時間の範囲でわたしと一緒にいてほしい。〕、〔第5項目:第4項に関連するが貴重な自由時間に対して相当分の対価を支払います(決して援助交際のようなものではありません)。以上の項目を了解して頂きたい。〕と結ばれていた。
食事が運ばれ、天音が旺盛な食欲をみせつつ『リハビリはどうだった?』って、訊ねてくる。「いつもの機能回復訓練だけど理学療法士さんは、よくなってきましたね。と言ってくれたよ。」と答えた。天音はパスタを平らげ、サラダに挑戦中である。僕はこの契約書もどきの文章に不思議な感覚に囚われていた。
簡単に表現をすれば“ライトな寝取られ”というべきか?これは僕が天音に勧めていたことに合致している。先ずは第一段階はこんなものかも知れなかった。でも何となく落とし穴的な要素もちらついている。特に第5項目だ。村瀬さんが否定をしてもやっぱり《援助交際》の一種としか思えなかった。《その項目はすごく被虐的な甘味を感じる。》
そんな思考が僕の脳内に渦巻いているのに天音は『ね~ 追加の注文してもいい?』って、「いいよ。」と、あきれ顔で言うと、傍を通った定員さんに『フルーツたっぷりパンケーキひとつ、お願いします。』って頼んでいる。
イタリアン・カフェでは天音の食べっぷりを見せつけられただけだった。天音が『こんな場所では話し合えないよ。』って拒否をしたからだ。僕も「そうだね。それに考えもまとまってないしな。」と同意をする。レストランを出て天音の運転で自宅に戻るまでは二人とも口数が少なかった。 第46話に続く
20190718
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