長U〖綾乃の想い〗第7章その3 41
長U〖綾乃の想い〗第7章その3 41
第7章その2 40
藤澤綾乃(ふじさわ・あやの:30歳)は自分の手をブラウスの中に入れて、胸の膨らみに触れてみる。『・・・ぁぁ・・・。』お風呂やベッドの中で触るのとは感じが違う。指と指の間に勃起した乳首を挟み込むようにして、綾乃は片手で乳房を揉み始めた。
明るい時間帯、明るい部屋でするオナニー。夫(藤澤良一:ふじさわ・りょういち:37歳)や勤めている者達は働き、世の学生は勉学に励んでいる、その時間帯にオナニーを始めてしまう主婦。しかも、この人妻は隣人の性生活をオカズにしてオナニーをしているのだ。
《・・・私・・・変態みたい・・・》そんな背徳感を感じながらも、身体の奥から溢れ出る肉欲を解消したいという欲望を抑えることができない。『ハァ・・・ァ・・・ン・・・。』グッチョリと濡れたアソコに手を伸ばし、クリトリスを刺激する。
すでに隣では三浦智(みうら・さとし:33歳)と女性が行為を始めているようだった。綾乃は目を閉じて、微かに聞えてくる音を元に、三浦に女性が濃厚な口付けと愛撫をされている映像を頭の中に思い浮かべる。
『ハァ・・・ン・・・。』
ネットリとピンク色の舌を出して、下唇を舐めてみた。
《・・・ハァ・・・キスしたい・・・》
[ンァ・・・ハァン・・・ンフ・・・ンッンッンー・・・。]
ピチャクチャ・・・と、唾液の絡み合う音が微かに聞こえる気がする。三浦のキスは、やはり激しいのだろうか?2人は貪(むさぼ)るように舌を絡め合っているのだろうか?そんな事を考えながら、綾乃はひとり自分の口の中で舌をイヤらしく動かしていた。
良一も舌を絡めるようなキスをしてくれる時はある。でもそれでも良一のキスは優しかった。どこか綾乃に気を使うように、遠慮気味に舌が口内に入ってくるのだ。今までは良一のその優しい心遣いが嬉しかったし、良一とするそのキスが綾乃は好きだった。
しかし、今の綾乃が求めているのはそういうキスではない。綾乃が今求めているのは、口の中を犯されるような、ネットリとしてイヤらしい、ディープなキス。きっと隣の部屋で三浦と絡んでいる女性は、そんなキスをされているんだ。
[ンァ・・・ハァ・・・ァ・・・ダメ・・・ン・・・。]
〔お?すっげぇ濡れてんじゃんお前、キスだけでこんなに濡れるんだな?〕
『・・・ン・・・。』
三浦の言葉を聞いた瞬間、綾乃の膣がキュッと締まり、愛液が外へトロ~っと流れ出た。綾乃は三浦の言葉を、自分が言われているかのように想像する。 第7章その4 42へ
2017/11/17
第7章その2 40
藤澤綾乃(ふじさわ・あやの:30歳)は自分の手をブラウスの中に入れて、胸の膨らみに触れてみる。『・・・ぁぁ・・・。』お風呂やベッドの中で触るのとは感じが違う。指と指の間に勃起した乳首を挟み込むようにして、綾乃は片手で乳房を揉み始めた。
明るい時間帯、明るい部屋でするオナニー。夫(藤澤良一:ふじさわ・りょういち:37歳)や勤めている者達は働き、世の学生は勉学に励んでいる、その時間帯にオナニーを始めてしまう主婦。しかも、この人妻は隣人の性生活をオカズにしてオナニーをしているのだ。
《・・・私・・・変態みたい・・・》そんな背徳感を感じながらも、身体の奥から溢れ出る肉欲を解消したいという欲望を抑えることができない。『ハァ・・・ァ・・・ン・・・。』グッチョリと濡れたアソコに手を伸ばし、クリトリスを刺激する。
すでに隣では三浦智(みうら・さとし:33歳)と女性が行為を始めているようだった。綾乃は目を閉じて、微かに聞えてくる音を元に、三浦に女性が濃厚な口付けと愛撫をされている映像を頭の中に思い浮かべる。
『ハァ・・・ン・・・。』
ネットリとピンク色の舌を出して、下唇を舐めてみた。
《・・・ハァ・・・キスしたい・・・》
[ンァ・・・ハァン・・・ンフ・・・ンッンッンー・・・。]
ピチャクチャ・・・と、唾液の絡み合う音が微かに聞こえる気がする。三浦のキスは、やはり激しいのだろうか?2人は貪(むさぼ)るように舌を絡め合っているのだろうか?そんな事を考えながら、綾乃はひとり自分の口の中で舌をイヤらしく動かしていた。
良一も舌を絡めるようなキスをしてくれる時はある。でもそれでも良一のキスは優しかった。どこか綾乃に気を使うように、遠慮気味に舌が口内に入ってくるのだ。今までは良一のその優しい心遣いが嬉しかったし、良一とするそのキスが綾乃は好きだった。
しかし、今の綾乃が求めているのはそういうキスではない。綾乃が今求めているのは、口の中を犯されるような、ネットリとしてイヤらしい、ディープなキス。きっと隣の部屋で三浦と絡んでいる女性は、そんなキスをされているんだ。
[ンァ・・・ハァ・・・ァ・・・ダメ・・・ン・・・。]
〔お?すっげぇ濡れてんじゃんお前、キスだけでこんなに濡れるんだな?〕
『・・・ン・・・。』
三浦の言葉を聞いた瞬間、綾乃の膣がキュッと締まり、愛液が外へトロ~っと流れ出た。綾乃は三浦の言葉を、自分が言われているかのように想像する。 第7章その4 42へ
2017/11/17
長U〖綾乃の想い〗第7章その4 42
長U〖綾乃の想い〗第7章その4 42
第7章その3 41
〖・・・はァ・・・こんなに・・・濡れてる・・・ハァ・・・熱い・・・〗
[ンァ・・・ハァ・・・ァ・・・ンッンッンッ・・・。]
三浦智(みうら・さとし:33歳)に性感帯を刺激され始めたのだろう、女性のはっきりとした喘ぎ声が聞こえ始める。“クチュクチュクチュ・・・” 藤澤綾乃(ふじさわ・あやの:30歳)もそれに合わせるようにして陰部を刺激し始めた。
グッチョリと濡れたアソコを触ると、自分の身体は発情しているのだと実感する。しかし、綾乃は今三浦と絡んでいる女性のように声を出す事はできない。自分の喘ぎ声が向こうに聞こえてしまう事は万が一でもあってはいけないと思っていたからだ。まさか自分達のSEXを盗み聞きしながらオナニーをしている女がいるなどと、そんな事を知られてしまうのは絶対に嫌だった。
そんなイヤらしい女だなんて、誰にも思われたくない。三浦はもちろん、夫(藤澤良一:ふじさわ・りょういち:37歳)にもそんな風に思われたくない。自分でも、こんな事をしてしまっている自分自身が信じられないのだから、今している事は一生誰にも知られる事のない、自分だけの秘め事だった。
『・・・ン・・・ン・・・』
綾乃は漏れそうな声を抑えるようにして、陰部への刺激を続ける。元々良一とのセックスの時も、そんなに声を出す方ではなかった。控えめに小さな声を出す程度の静かなセックスである。しかし今の自分の身体は全然違った。
あと少し陰核を強く刺激すれば、もしかして声を漏らしてしまうかもしれない。愛液を垂れ流す今の綾乃のヴァギナはそれ程に解れ、敏感になっていたのだ。
〖・・・自分でするのがこんなに気持ちの良いものだったなんて・・・・・・気持ちイイ・・・でも・・・でもまだ何か・・・何かが足りない・・・〗
“クチュクチュクチュ・・・”綾乃は声が出ないように片手で口を押さえながら、指の動きを激しくする。声を我慢できなくなる手前ギリギリの刺激。
『ン・・・ぅ・・・ンフ・・・ン・・・ン・・・。』
もう十分に大人になったと思っていた私が今、オナニーの快感に目覚めつつあった。それはやはり隣で行われている三浦のSEX、綾乃が知らないようなSEXという存在がスパイスになっている事は確かである。綾乃はまるで盛りがついたようにオナニーに没頭した。
しかし同時に綾乃は、声を出さない程度の刺激しかできない今の状態に新たな焦れったさを感じ始めている。〖・・・ァァ・・・気持ちイイ・・・もっと・・・・・・〗未知だった世界を今になって見つけてしまった人妻は、押さえ切れない好奇心と欲望に押されて、入ってはいけない世界へと足を踏み入れようとしているのかもしれない。 第7章その5 43へ
2017/11/30
第7章その3 41
〖・・・はァ・・・こんなに・・・濡れてる・・・ハァ・・・熱い・・・〗
[ンァ・・・ハァ・・・ァ・・・ンッンッンッ・・・。]
三浦智(みうら・さとし:33歳)に性感帯を刺激され始めたのだろう、女性のはっきりとした喘ぎ声が聞こえ始める。“クチュクチュクチュ・・・” 藤澤綾乃(ふじさわ・あやの:30歳)もそれに合わせるようにして陰部を刺激し始めた。
グッチョリと濡れたアソコを触ると、自分の身体は発情しているのだと実感する。しかし、綾乃は今三浦と絡んでいる女性のように声を出す事はできない。自分の喘ぎ声が向こうに聞こえてしまう事は万が一でもあってはいけないと思っていたからだ。まさか自分達のSEXを盗み聞きしながらオナニーをしている女がいるなどと、そんな事を知られてしまうのは絶対に嫌だった。
そんなイヤらしい女だなんて、誰にも思われたくない。三浦はもちろん、夫(藤澤良一:ふじさわ・りょういち:37歳)にもそんな風に思われたくない。自分でも、こんな事をしてしまっている自分自身が信じられないのだから、今している事は一生誰にも知られる事のない、自分だけの秘め事だった。
『・・・ン・・・ン・・・』
綾乃は漏れそうな声を抑えるようにして、陰部への刺激を続ける。元々良一とのセックスの時も、そんなに声を出す方ではなかった。控えめに小さな声を出す程度の静かなセックスである。しかし今の自分の身体は全然違った。
あと少し陰核を強く刺激すれば、もしかして声を漏らしてしまうかもしれない。愛液を垂れ流す今の綾乃のヴァギナはそれ程に解れ、敏感になっていたのだ。
〖・・・自分でするのがこんなに気持ちの良いものだったなんて・・・・・・気持ちイイ・・・でも・・・でもまだ何か・・・何かが足りない・・・〗
“クチュクチュクチュ・・・”綾乃は声が出ないように片手で口を押さえながら、指の動きを激しくする。声を我慢できなくなる手前ギリギリの刺激。
『ン・・・ぅ・・・ンフ・・・ン・・・ン・・・。』
もう十分に大人になったと思っていた私が今、オナニーの快感に目覚めつつあった。それはやはり隣で行われている三浦のSEX、綾乃が知らないようなSEXという存在がスパイスになっている事は確かである。綾乃はまるで盛りがついたようにオナニーに没頭した。
しかし同時に綾乃は、声を出さない程度の刺激しかできない今の状態に新たな焦れったさを感じ始めている。〖・・・ァァ・・・気持ちイイ・・・もっと・・・・・・〗未知だった世界を今になって見つけてしまった人妻は、押さえ切れない好奇心と欲望に押されて、入ってはいけない世界へと足を踏み入れようとしているのかもしれない。 第7章その5 43へ
2017/11/30
長U〖綾乃の想い〗第7章その5 43
長U〖綾乃の想い〗第7章その5 43
第7章その4 42
《綾乃さ~ん!》
『ぇ・・・? あ、恭子さん。』
それはある日の朝の事だった。藤澤綾乃(ふじさわ・あやの:30歳)がゴミ出しに行くところで、後ろから来た篠原恭子(しのはら・きょうこ:30歳)が声を掛けてきた。
《おはようございます。》
『おはよう、恭子さんは今から出勤?』
《はい、なんだかお隣なのに、お顔合わせるのは久しぶりですよね。》
『ホント・・・恭子さん近頃は一段と忙しそうね、帰りもいつも遅いんでしょ?』
以前は恭子を部屋に呼んで晩御飯を共に食べたりしていたが、最近はそういう事もめっき
り減ってしまっている。それに恭子は今まで以上に朝の出勤が早く、帰りも夜遅い。休日
に何度か恭子を食事に誘おうかと考えていた綾乃だったが、きっと疲れているだろうと思って遠慮していた。
《毎年この時期は忙しいんですよ。良一さんも最近は忙しいんじゃないですか?》
『うん、やっぱり今はどこの会社も忙しいのね。恭子さんも大変でしょ?疲れとか溜まってるんじゃない?』
《ん~多少はありますけど、私今の仕事好きだから、結構楽しんじゃってます。それに今の時代、仕事がないより忙しい方が恵まれてると思いますし。》
『そ、そっかぁ・・・。』
そう仕事の話をする恭子の表情は明るい。毎日仕事を長時間して、部屋には寝るためだけに帰ってきているような忙しい生活をしているというのに、恭子の表情からは疲れは感じられない。
(・・・やっぱり恭子さんは凄いわ・・・)
そんな恭子に対して、同年代の女性として綾乃が尊敬心を抱くのは当然かもしれなかった。
自分とは違う人生の道を歩んでる女性が近くにいる。自分も結婚せずに仕事を続けていたらどんな人生になっていたのだろう。でも少なからず、恭子のように社会に揉まれ、忙しさに追われる毎日を送る事に、自分が耐えれる自信は無かった。
そういう事を考えるといつも同じような結論に至る。(良一と結婚してよかった。)と、楽な道を選べて良かったという意味ではない。この先子供ができたりすれば、子育てと家事で今の数倍忙しくなるだろうし、専業主婦も楽ではないのだから。しかし家事が得意な綾乃にとっては、やはり女性としてこちらの道がきっと正解だったのだ。
第7章その6 44へ 2018/01/08
第7章その4 42
《綾乃さ~ん!》
『ぇ・・・? あ、恭子さん。』
それはある日の朝の事だった。藤澤綾乃(ふじさわ・あやの:30歳)がゴミ出しに行くところで、後ろから来た篠原恭子(しのはら・きょうこ:30歳)が声を掛けてきた。
《おはようございます。》
『おはよう、恭子さんは今から出勤?』
《はい、なんだかお隣なのに、お顔合わせるのは久しぶりですよね。》
『ホント・・・恭子さん近頃は一段と忙しそうね、帰りもいつも遅いんでしょ?』
以前は恭子を部屋に呼んで晩御飯を共に食べたりしていたが、最近はそういう事もめっき
り減ってしまっている。それに恭子は今まで以上に朝の出勤が早く、帰りも夜遅い。休日
に何度か恭子を食事に誘おうかと考えていた綾乃だったが、きっと疲れているだろうと思って遠慮していた。
《毎年この時期は忙しいんですよ。良一さんも最近は忙しいんじゃないですか?》
『うん、やっぱり今はどこの会社も忙しいのね。恭子さんも大変でしょ?疲れとか溜まってるんじゃない?』
《ん~多少はありますけど、私今の仕事好きだから、結構楽しんじゃってます。それに今の時代、仕事がないより忙しい方が恵まれてると思いますし。》
『そ、そっかぁ・・・。』
そう仕事の話をする恭子の表情は明るい。毎日仕事を長時間して、部屋には寝るためだけに帰ってきているような忙しい生活をしているというのに、恭子の表情からは疲れは感じられない。
(・・・やっぱり恭子さんは凄いわ・・・)
そんな恭子に対して、同年代の女性として綾乃が尊敬心を抱くのは当然かもしれなかった。
自分とは違う人生の道を歩んでる女性が近くにいる。自分も結婚せずに仕事を続けていたらどんな人生になっていたのだろう。でも少なからず、恭子のように社会に揉まれ、忙しさに追われる毎日を送る事に、自分が耐えれる自信は無かった。
そういう事を考えるといつも同じような結論に至る。(良一と結婚してよかった。)と、楽な道を選べて良かったという意味ではない。この先子供ができたりすれば、子育てと家事で今の数倍忙しくなるだろうし、専業主婦も楽ではないのだから。しかし家事が得意な綾乃にとっては、やはり女性としてこちらの道がきっと正解だったのだ。
第7章その6 44へ 2018/01/08
長U〖綾乃の想い〗第7章その6 44
長U〖綾乃の想い〗第7章その6 44
第7章その5 43
《そういえば・・・綾乃さん、最近智が昼間にご迷惑掛けてたりしませんか?》
『・・・え?』
智・・・それは篠原恭子(しのはら・きょうこ:30歳)の恋人であるあの三浦智(みうら・さとし:33歳)の事です。藤澤綾乃(ふじさわ・あやの:30歳)は急に恭子が三浦の話をふってきた事に動揺していた。
『あ・・・ え・・・ えっと三浦さん? ど、どうして?』
《最近智、私の部屋にずっといるんですよ。》
『そ、そうなんだ・・・。」
《え?綾乃さん知りませんでした?私の部屋にずっと智がいた事。》
『ぇ・・・あ・・・そ、そういえばエレベーターで1回いっしょになったっけ・・・そっかぁずっと居たんだね、それは知らなかったぁ・・・。』
この時の綾乃は明らかに動揺と嘘が顔に出ていて不自然だった。そう、綾乃が言っている事は嘘である。恭子の部屋に三浦が居座っていた事は知っていたし、それどころか綾乃は、恭子の部屋で昼間三浦が毎日何をしているのかまでよく知っているのだから。
《彼の仕事って基本的にどこでもできますから。》
『そ、そういえばそうだったね・・・。』
《だから昼間とか綾乃さんに迷惑とか掛けてないか心配で、あの人変わってるとこあるから。》
『べ、別に・・・そんな事は無かったけど・・・会ってないしね・・・。』
《そうですか、それなら良かった。何か智がご迷惑掛けるような事があったら直ぐに私に言ってくださいね、叱っておきますから。》
そう冗談っぽく笑いながら言われ、綾乃もそれに合わせるようにして笑顔を作っていた。恭子の電車の時間もあるので、2人はマンションの前で早々に別れる。恭子に手を振り終わった綾乃は、思わずその場で『・・・はぁ・・・。』って、ため息をついた。恭子の元気で幸せそうな顔を見ていたら、なんだか綾乃は気が重くなるような気分になる。
三浦が昼間にしている事、綾乃がそれを知った最初の頃は恭子にその事を伝えるべきか迷っていた。別の女性を部屋へ連れ込んでいる三浦に、1人の女として嫌悪感や憤りを感じていた。しかし今、毎日自分がしている事を考えたら、決して恭子にその事は言えない。
綾乃はゴミを出し終わり部屋へと戻る途中、ふと恭子の部屋のドアの前で立ち止まった。
(・・・ 今、この部屋に三浦さんがいるんだわ・・・。)
毎日毎日、あんな事をしているいい加減な男・・・普通に考えたら嫌悪感しか覚えない男。しかし、そんな男に綾乃は今、密かに振り回されている。欲求に負けてしまったあの日から、綾乃の昼間の生活は一変してしまった。家事の仕事も、近頃手抜きになってしまっている。こんな事ではいけないと思いながらもあのやめられない行為を毎日してしまっていた。 第8章その1 45へ続く
2018/01/17
第7章その5 43
《そういえば・・・綾乃さん、最近智が昼間にご迷惑掛けてたりしませんか?》
『・・・え?』
智・・・それは篠原恭子(しのはら・きょうこ:30歳)の恋人であるあの三浦智(みうら・さとし:33歳)の事です。藤澤綾乃(ふじさわ・あやの:30歳)は急に恭子が三浦の話をふってきた事に動揺していた。
『あ・・・ え・・・ えっと三浦さん? ど、どうして?』
《最近智、私の部屋にずっといるんですよ。》
『そ、そうなんだ・・・。」
《え?綾乃さん知りませんでした?私の部屋にずっと智がいた事。》
『ぇ・・・あ・・・そ、そういえばエレベーターで1回いっしょになったっけ・・・そっかぁずっと居たんだね、それは知らなかったぁ・・・。』
この時の綾乃は明らかに動揺と嘘が顔に出ていて不自然だった。そう、綾乃が言っている事は嘘である。恭子の部屋に三浦が居座っていた事は知っていたし、それどころか綾乃は、恭子の部屋で昼間三浦が毎日何をしているのかまでよく知っているのだから。
《彼の仕事って基本的にどこでもできますから。》
『そ、そういえばそうだったね・・・。』
《だから昼間とか綾乃さんに迷惑とか掛けてないか心配で、あの人変わってるとこあるから。》
『べ、別に・・・そんな事は無かったけど・・・会ってないしね・・・。』
《そうですか、それなら良かった。何か智がご迷惑掛けるような事があったら直ぐに私に言ってくださいね、叱っておきますから。》
そう冗談っぽく笑いながら言われ、綾乃もそれに合わせるようにして笑顔を作っていた。恭子の電車の時間もあるので、2人はマンションの前で早々に別れる。恭子に手を振り終わった綾乃は、思わずその場で『・・・はぁ・・・。』って、ため息をついた。恭子の元気で幸せそうな顔を見ていたら、なんだか綾乃は気が重くなるような気分になる。
三浦が昼間にしている事、綾乃がそれを知った最初の頃は恭子にその事を伝えるべきか迷っていた。別の女性を部屋へ連れ込んでいる三浦に、1人の女として嫌悪感や憤りを感じていた。しかし今、毎日自分がしている事を考えたら、決して恭子にその事は言えない。
綾乃はゴミを出し終わり部屋へと戻る途中、ふと恭子の部屋のドアの前で立ち止まった。
(・・・ 今、この部屋に三浦さんがいるんだわ・・・。)
毎日毎日、あんな事をしているいい加減な男・・・普通に考えたら嫌悪感しか覚えない男。しかし、そんな男に綾乃は今、密かに振り回されている。欲求に負けてしまったあの日から、綾乃の昼間の生活は一変してしまった。家事の仕事も、近頃手抜きになってしまっている。こんな事ではいけないと思いながらもあのやめられない行為を毎日してしまっていた。 第8章その1 45へ続く
2018/01/17