中14〖恋に恋した妻〗PART13
中14〖恋に恋した妻〗PART13
それから数週間後、僕(波戸真一)は数日間泊りの出張をすることになった。出発当日、朝早いのに妻の咲希(さき)が駅まで見送りにきてくれる。僕は出発前にプラットホームから、通常勤務中だった哲平に指示して≪今夜遊びに行ってもいいですか?≫とメールを咲希に送らせるが、咲希からの返事は『駄目。』の一言だった。
後輩の河野哲平(27歳)から転送してきたメールを見て僕は素直に諦めた。やはりそれは何度経験しても、安堵と落胆を同時に感じる。そして哲平に感謝のメールを送る。僕はその結果を新幹線に揺られながら、やはり喜ぶべきなのだろうなと自分を納得させていた。
しかし、その日の夕方に出張先での仕事を終えてホテルに戻ると、哲平からの報告メール
が届く。午後4時過ぎくらいに咲希からメールが来た。≪哲平君のところでだったらいいよ。≫と。それからのメールのやりとりです。
〔でも先輩から留守の家電に掛かってきたらまずいんじゃない?〕
哲平の部屋だとアパートの住人に顔を見られるかもしれない。当然咲希と知り合いの住人など居ないだろうが、万が一のこともあると二人は考えた。僕の家で、という選択も。
『でも哲平君が家に来るのを誰かに見られたらまずいよね?』
同様の理由で却下となる。
《何よりもう既に一度してしまったとはいえ、咲希はやはり家ですることに抵抗があるようだった。僕としては、自分の寝室で他の男に抱かれた咲希は、これ以上ないほど愛おしく感じる。もちろん異常性癖だとは理解している。》
メールのやり取りを何度か交わし、その結果、結局二人は、真夜中に二人でラブホテルに行く事に決まった。とにかく、深夜ならもし家電に出られなくても寝ていたで済むし、僕の家でも哲平の部屋でも駄目なら、そこしかないということだった。
それから僕は深夜になるまで落ち着かなかった。すぐにセックスが始まってしまうならと
もかく、時間の猶予があるのは逆に辛い。いつも通り興奮とともに激しい焦燥感や後悔に襲われて、何度も哲平に中止の連絡をしようと携帯を開けたり、閉じたりを繰り返した。
妻の咲希に哲平のもとへ行ってほしくなくて、僕のことを考えていてほしかったが、≪戸締りはしっかりしろよ!≫と当たり障りのない内容のメールを送った。しかし、電話は掛けられなかった。《どうしても咲希の声が聞きたくて、これから他の男に抱かれる咲希の声が聞きたくて》、何度も掛けようとしたけど、部屋の中で「あ、あ」と発声練習をしたら、自分でも驚くほど震えていた・・。
僕は、そのまま悶々とした時間を過ごす。過ごすというよりは耐え抜いたという方が正しいかもしれない。でも酒に逃げようとは思わなかった。その状態を楽しみたかった(変態かな?)。僕がそうやって一人うずくまっている間、哲平と咲希はメールのやり取りをしている。勿論哲平は逐一リアルタイムで僕に咲希とのメールを転送してくれた。
2015/06/21
それから数週間後、僕(波戸真一)は数日間泊りの出張をすることになった。出発当日、朝早いのに妻の咲希(さき)が駅まで見送りにきてくれる。僕は出発前にプラットホームから、通常勤務中だった哲平に指示して≪今夜遊びに行ってもいいですか?≫とメールを咲希に送らせるが、咲希からの返事は『駄目。』の一言だった。
後輩の河野哲平(27歳)から転送してきたメールを見て僕は素直に諦めた。やはりそれは何度経験しても、安堵と落胆を同時に感じる。そして哲平に感謝のメールを送る。僕はその結果を新幹線に揺られながら、やはり喜ぶべきなのだろうなと自分を納得させていた。
しかし、その日の夕方に出張先での仕事を終えてホテルに戻ると、哲平からの報告メール
が届く。午後4時過ぎくらいに咲希からメールが来た。≪哲平君のところでだったらいいよ。≫と。それからのメールのやりとりです。
〔でも先輩から留守の家電に掛かってきたらまずいんじゃない?〕
哲平の部屋だとアパートの住人に顔を見られるかもしれない。当然咲希と知り合いの住人など居ないだろうが、万が一のこともあると二人は考えた。僕の家で、という選択も。
『でも哲平君が家に来るのを誰かに見られたらまずいよね?』
同様の理由で却下となる。
《何よりもう既に一度してしまったとはいえ、咲希はやはり家ですることに抵抗があるようだった。僕としては、自分の寝室で他の男に抱かれた咲希は、これ以上ないほど愛おしく感じる。もちろん異常性癖だとは理解している。》
メールのやり取りを何度か交わし、その結果、結局二人は、真夜中に二人でラブホテルに行く事に決まった。とにかく、深夜ならもし家電に出られなくても寝ていたで済むし、僕の家でも哲平の部屋でも駄目なら、そこしかないということだった。
それから僕は深夜になるまで落ち着かなかった。すぐにセックスが始まってしまうならと
もかく、時間の猶予があるのは逆に辛い。いつも通り興奮とともに激しい焦燥感や後悔に襲われて、何度も哲平に中止の連絡をしようと携帯を開けたり、閉じたりを繰り返した。
妻の咲希に哲平のもとへ行ってほしくなくて、僕のことを考えていてほしかったが、≪戸締りはしっかりしろよ!≫と当たり障りのない内容のメールを送った。しかし、電話は掛けられなかった。《どうしても咲希の声が聞きたくて、これから他の男に抱かれる咲希の声が聞きたくて》、何度も掛けようとしたけど、部屋の中で「あ、あ」と発声練習をしたら、自分でも驚くほど震えていた・・。
僕は、そのまま悶々とした時間を過ごす。過ごすというよりは耐え抜いたという方が正しいかもしれない。でも酒に逃げようとは思わなかった。その状態を楽しみたかった(変態かな?)。僕がそうやって一人うずくまっている間、哲平と咲希はメールのやり取りをしている。勿論哲平は逐一リアルタイムで僕に咲希とのメールを転送してくれた。
2015/06/21
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