中10〚新しい夫婦の形〛4章第4話 24
中10〚新しい夫婦の形〛4章第4話 24
次の週、園部祐太君から僕(益岡健人35歳)に連絡があった。
〚最近、百瀬さんは都内でのイベントの仕事ばかりだったのに、急に高山さんの仕事を手伝うことになったんですよ。高山さんの仕事は地方での説明会が多いので、今度また百瀬さんと高山さんが出張することになるかもしれませんよ。〛
園部君は慌てたような口調でそう伝えた。
「そうなんだ。」
〚百瀬さんは家で何か言っていませんか?〛
「いや、特に何も言ってないけど・・でも、高山さんってあの高山さんでしょ?やっぱり希美とどうにかなるって思えないけど?」
僕は我ながらしらじらしい言葉につい笑みがこぼれる。電話でなければ園部君に気がつかれるところだ。
〚そうですけど、でも用心したことに越したことはないですよ。〛
「大丈夫さ、前にも言ったけど僕は妻を愛しているし、妻も僕を愛している。だから、園部君くん・・・・。」
そう言いかけて僕は言葉につまる。園部君にもう妻の希美(のぞみ33歳)の情報を僕にくれなくても良いと言おうとしたが、ここで園部君との関係を切る必要もないと考え直した。
「わざわざありがとう。」
とりあえず僕はそう言って園部君との電話を切った。
数日後、妻の希美は高山と仙台への出張が決まる。くしくもそこは希美と高山が初めて性的関係をもった地でもあった。高山が中心として行っている仕事は地方へのプロジェクト説明会で、プロジェクトリーダーの高山とアシスタント役の希美が地元住民に向かって直接説明を行う。当然長引く交渉もあり、しんどい仕事でもあり地方では宿泊となるのだった。
希美と高山とは過去に性的な関係が数回あった。しかし、もともと臆病な高山は積極的に妻を誘ったりはしない。それと、希美が三宅と関係してから高山とは関係を持たないように決め、それ以来は高山とは一切そのような会話をしたことがないと言う。
妻の希美が今回何も行動を起こさなければ、出張中に高山に抱かれる可能性は低そうであ
る。ただ、そうなると今企画部にいる人間で妻を抱こうとするのは三宅だけである。出世欲が強い三宅は、同僚との不倫で足元をすくわれないように慎重な行動をしている。毎回、妻を早朝に抱くのもそのことからなのだろう。希美との快楽を優先させて己の身を滅ぼすタイプではないので、妻を性的に解放させる相手としては適任とは言えない。
そのような三宅とは対照的に、高山は凡庸で外見的にもあまりぱっとしない男だ。妻の希美が心を奪われることなく、僕の歪んだ性癖を満たすことの出来る男はこの高山が適任だった。僕は高山にもっともっと淫らでいやらしく妻を抱いてもらいたいと思うようになっていた。
休日に夫婦そろっての買い物の後、ショッピングモールにあるカフェで一服している僕の表情を見て希美が『あなた、私と高山さんが一緒に出張することがそんなに嬉しいの?』と言った。その日は来週予定の出張に着ていく妻の洋服を僕の見立てで買ったのである。
2015/06/26
次の週、園部祐太君から僕(益岡健人35歳)に連絡があった。
〚最近、百瀬さんは都内でのイベントの仕事ばかりだったのに、急に高山さんの仕事を手伝うことになったんですよ。高山さんの仕事は地方での説明会が多いので、今度また百瀬さんと高山さんが出張することになるかもしれませんよ。〛
園部君は慌てたような口調でそう伝えた。
「そうなんだ。」
〚百瀬さんは家で何か言っていませんか?〛
「いや、特に何も言ってないけど・・でも、高山さんってあの高山さんでしょ?やっぱり希美とどうにかなるって思えないけど?」
僕は我ながらしらじらしい言葉につい笑みがこぼれる。電話でなければ園部君に気がつかれるところだ。
〚そうですけど、でも用心したことに越したことはないですよ。〛
「大丈夫さ、前にも言ったけど僕は妻を愛しているし、妻も僕を愛している。だから、園部君くん・・・・。」
そう言いかけて僕は言葉につまる。園部君にもう妻の希美(のぞみ33歳)の情報を僕にくれなくても良いと言おうとしたが、ここで園部君との関係を切る必要もないと考え直した。
「わざわざありがとう。」
とりあえず僕はそう言って園部君との電話を切った。
数日後、妻の希美は高山と仙台への出張が決まる。くしくもそこは希美と高山が初めて性的関係をもった地でもあった。高山が中心として行っている仕事は地方へのプロジェクト説明会で、プロジェクトリーダーの高山とアシスタント役の希美が地元住民に向かって直接説明を行う。当然長引く交渉もあり、しんどい仕事でもあり地方では宿泊となるのだった。
希美と高山とは過去に性的な関係が数回あった。しかし、もともと臆病な高山は積極的に妻を誘ったりはしない。それと、希美が三宅と関係してから高山とは関係を持たないように決め、それ以来は高山とは一切そのような会話をしたことがないと言う。
妻の希美が今回何も行動を起こさなければ、出張中に高山に抱かれる可能性は低そうであ
る。ただ、そうなると今企画部にいる人間で妻を抱こうとするのは三宅だけである。出世欲が強い三宅は、同僚との不倫で足元をすくわれないように慎重な行動をしている。毎回、妻を早朝に抱くのもそのことからなのだろう。希美との快楽を優先させて己の身を滅ぼすタイプではないので、妻を性的に解放させる相手としては適任とは言えない。
そのような三宅とは対照的に、高山は凡庸で外見的にもあまりぱっとしない男だ。妻の希美が心を奪われることなく、僕の歪んだ性癖を満たすことの出来る男はこの高山が適任だった。僕は高山にもっともっと淫らでいやらしく妻を抱いてもらいたいと思うようになっていた。
休日に夫婦そろっての買い物の後、ショッピングモールにあるカフェで一服している僕の表情を見て希美が『あなた、私と高山さんが一緒に出張することがそんなに嬉しいの?』と言った。その日は来週予定の出張に着ていく妻の洋服を僕の見立てで買ったのである。
2015/06/26
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