中14〖恋に恋した妻〗PART15
中14〖恋に恋した妻〗PART15
二人が会う約束は24時だったが、その時はまだ23時だったと思う。僕(波戸真一:はと・しんいち29歳)は≪おやすみ。愛しているよ。隣に君がいないのが寂しい。≫と妻の咲希(さき29歳)にメールを送った。いつもならすぐ返ってくる返信がなかなか届かず、部屋の隅に座り、ずっと携帯の画面を睨み続けていた。5分程して咲希専用のメール着信音が鳴った。
たった5分程度の待ち時間だったが嫉妬で気が狂いそうになる。咲希のメールは≪あたしも。愛している。早く帰ってきてね。≫僕は携帯を握り締めて、抱え込むようにベッドで横になった、
すると更に10分後くらい。河野哲平(こうの・てっぺい27歳)からもメール。≪咲希さんからやっぱりもう止めよってメールがきました。≫その画面を見て、僕は無意識にガッツポーズと万歳を繰り返していた。ひとしきりはしゃぎ終わると、またベッドに倒れ込み、自己嫌悪に陥りながらそのまま眠ってしまった。
気がつくと陽が昇っている。午前7時だった。携帯を見るとメール着信のライトがチカチカと光っている。哲平からのメールが何通も溜まっていた。
23:30 ≪ちょっとムラムラするのでもう一回誘ってみます。≫
23:35 ≪だめですね。返信が無いので〔約束した場所で待っています〕とだけ送ってみました。≫
24:45 ≪寝ちゃいました?やっぱり咲希さん来ないですね。≫
26:00 ≪一応報告です。今先輩の家でやってます。詳細はまたあとで報告します。≫
27:00 ≪すいません。泊らせてもらいます。≫
寝起きで、ぼけっとしていた僕の頭は上手くそれを理解することが出来なかった。ただ、≪今起きた。わかった。報告待つよ。仕事は行けよ!≫とだけ返信をする。不思議なことにその時は、特に失望や怒りはなかった。「あ~あ。」と声が漏れただけだった。
その日の昼、哲平から電話があり、そこで簡単に報告を聞く。結局、咲希は待ち合わせ場所には来なかったそうだ。ただ収まりがつかなくなった哲平が直接家を訪ねたらしい。すると、咲希は黙って哲平を家の中に招き入れた。玄関先で哲平の顔を見た咲希は、困った顔でため息をついて、数秒の間を置いて無言で哲平の手を引いて中に戻っていった。
その後は、殆ど会話もなく、玄関先の廊下で立ったままお互いの衣服を激しく剥ぎ取り、そして立ったままつながったそうだ。その際、咲希は異常なほど濡れていたうえ感度も良く、そのことを問いただしたら、哲平から来る直前までオナニーしていたとのこと。それも哲平のことを考えて。哲平に抱かれたいが、夫(僕)への罪悪感で実際会いに行くのは憚(はばから)れる。だからせめて(オナニー)ということだったらしい。
その後は、リビングやお風呂でもしたとのこと。ただ咲希は、最後まで寝室ですることは頑なに拒み続けたらしい。合計3回したとのこと。最終的にはリビングに布団を持ってきて、二人で寝た。しかし朝起きると、咲希は布団から抜け出していて、ソファで寝ていたとのこと。
朝も押し倒そうと試みて、朝メシ準備中の咲希の後姿に抱きついたが、包丁片手に『仕事に行け!』と笑顔で説教をされて断念したらしい。しかし、粘りに粘って、行ってらっしゃいのキスをしてもらったと哲平は興奮冷めやらぬ口調で言っていた。あと〔家を出る時、人目には過剰なくらい気をつけました〕とも。
2015/07/14
二人が会う約束は24時だったが、その時はまだ23時だったと思う。僕(波戸真一:はと・しんいち29歳)は≪おやすみ。愛しているよ。隣に君がいないのが寂しい。≫と妻の咲希(さき29歳)にメールを送った。いつもならすぐ返ってくる返信がなかなか届かず、部屋の隅に座り、ずっと携帯の画面を睨み続けていた。5分程して咲希専用のメール着信音が鳴った。
たった5分程度の待ち時間だったが嫉妬で気が狂いそうになる。咲希のメールは≪あたしも。愛している。早く帰ってきてね。≫僕は携帯を握り締めて、抱え込むようにベッドで横になった、
すると更に10分後くらい。河野哲平(こうの・てっぺい27歳)からもメール。≪咲希さんからやっぱりもう止めよってメールがきました。≫その画面を見て、僕は無意識にガッツポーズと万歳を繰り返していた。ひとしきりはしゃぎ終わると、またベッドに倒れ込み、自己嫌悪に陥りながらそのまま眠ってしまった。
気がつくと陽が昇っている。午前7時だった。携帯を見るとメール着信のライトがチカチカと光っている。哲平からのメールが何通も溜まっていた。
23:30 ≪ちょっとムラムラするのでもう一回誘ってみます。≫
23:35 ≪だめですね。返信が無いので〔約束した場所で待っています〕とだけ送ってみました。≫
24:45 ≪寝ちゃいました?やっぱり咲希さん来ないですね。≫
26:00 ≪一応報告です。今先輩の家でやってます。詳細はまたあとで報告します。≫
27:00 ≪すいません。泊らせてもらいます。≫
寝起きで、ぼけっとしていた僕の頭は上手くそれを理解することが出来なかった。ただ、≪今起きた。わかった。報告待つよ。仕事は行けよ!≫とだけ返信をする。不思議なことにその時は、特に失望や怒りはなかった。「あ~あ。」と声が漏れただけだった。
その日の昼、哲平から電話があり、そこで簡単に報告を聞く。結局、咲希は待ち合わせ場所には来なかったそうだ。ただ収まりがつかなくなった哲平が直接家を訪ねたらしい。すると、咲希は黙って哲平を家の中に招き入れた。玄関先で哲平の顔を見た咲希は、困った顔でため息をついて、数秒の間を置いて無言で哲平の手を引いて中に戻っていった。
その後は、殆ど会話もなく、玄関先の廊下で立ったままお互いの衣服を激しく剥ぎ取り、そして立ったままつながったそうだ。その際、咲希は異常なほど濡れていたうえ感度も良く、そのことを問いただしたら、哲平から来る直前までオナニーしていたとのこと。それも哲平のことを考えて。哲平に抱かれたいが、夫(僕)への罪悪感で実際会いに行くのは憚(はばから)れる。だからせめて(オナニー)ということだったらしい。
その後は、リビングやお風呂でもしたとのこと。ただ咲希は、最後まで寝室ですることは頑なに拒み続けたらしい。合計3回したとのこと。最終的にはリビングに布団を持ってきて、二人で寝た。しかし朝起きると、咲希は布団から抜け出していて、ソファで寝ていたとのこと。
朝も押し倒そうと試みて、朝メシ準備中の咲希の後姿に抱きついたが、包丁片手に『仕事に行け!』と笑顔で説教をされて断念したらしい。しかし、粘りに粘って、行ってらっしゃいのキスをしてもらったと哲平は興奮冷めやらぬ口調で言っていた。あと〔家を出る時、人目には過剰なくらい気をつけました〕とも。
2015/07/14
- 関連記事
-
- 中10〚新しい夫婦の形〛4章第4話 24 (2015/06/26)
- 中24『愛の絆(きずな)』 第3回 (2015/07/02)
- 中10〚新しい夫婦の形〛4章第5話 25 (2015/07/03)
- 中22〚純情〛第2章① 04 (2015/07/05)
- 中10〚新しい夫婦の形〛5章第1話 26 (2015/07/07)
- 中10〚新しい夫婦の形〛5章第2話 27 (2015/07/10)
- 中9〖妻の写真集〗 Vol.13 (2015/07/12)
- 中14〖恋に恋した妻〗PART15 (2015/07/14)
- 中23<気持ち>第3回 (2015/07/17)
- 中10〚新しい夫婦の形〛5章第3話 28 (2015/08/03)
- 中23<気持ち>第4回 (2015/08/08)
- 中22〚純情〛第2章② 05 (2015/08/11)
- 中14〖恋に恋した妻〗PART16 (2015/08/13)
- 中23<気持ち>第5回 (2015/08/14)
- 中17〖救い〗その5回 (2015/08/23)
コメント
コメントの投稿