中23<気持ち>第3回
中23<気持ち>第3回
休み明けは何かと忙しいもので、私(来栖正敏:くるす・まさとし43歳)も残業が待っていました。妻の有紀(ゆき39歳)も同じだろうと思い、帰りに待ち合わせて食事をしようと電話をすると、『私もそう思っていたの。やっぱり夫婦ね。気持ちが通じているね。』と声が弾んでいます。何時も私の好みに合わせる、そんな妻に今日は好きなものを食わしてやろうと思うと自然に仕事のペースも上がるのでした。そんな時に、また非通知の着信が来たのです。
「今日は何だい?そんなに悪戯が面白いのかな?」
出なければいいのに、不信感を植え付けられ気にしているので出てしまう私でした。
〔悪戯じゃないですよ。これを聞けば分かる。〕
携帯からおもむろに女の声が聞こえてきました。
【ああぁぁぁぅ!あああぁぁぁぁぅ!いやっ!ああああぁぁぁっ!そこいやっ!あああああぁぁぁっ!だっめえぇぇぇっ!】
聞き覚えのある声です。何処か妻の声に似ていますが、携帯での音なので確信が持てません。
〔奥さんの声ですよ。聞き覚えがあるでしょう?あっ、そうそう。この前スカートを穿いて帰ったでしょう。出勤する時は何時も通りパンツスーツでしたよね?それが帰りはスカート。あれ僕の好みなんです。何時も僕の好みに合わせてくれる。ご主人に僕の存在を知って欲しくて、そのまま帰したんですよ。〕
〔そのまま帰るの嫌がっていましたが、僕の言う事は何でも聞いてくれるんでね。奥さん、スタイルが良いから、あんな服装が似合いますよねぇ。あのストッキングも素敵だったと思いませんか?あれねパンストじゃありませんよ。ガーター(靴下止め)で吊ったストッキングなんです。〕
〔知っていました?分らなかったでしょう。気づいていたら、一騒動あったでしょうね。あのストキングを穿かせたままセックスするんです。僕、ストッキングフェチだから。奥さんも嫌じゃないと思いますけどね。〕
長々と喋ります。《こいつは私を舐めきっている。》会社では、それなりの立場にいる45歳の私が顔も見せない男にからかわれるのは無性に腹が立つのです。
「好きに言ってればいいさ。だけどな、お前の言う通りなら大変な事になるぜ。お前の話から、有紀と同じ会社にいるんだろう?あんまり俺を舐めるなよ。」
〔ええ、そうですよ。でも平気ですけど。〕
また男から切られてしまいましたが、挑発的な問いかけに動揺している様子は伺えませんでした。《男の声は私よりは若い。話の通りなら有紀の部下なのか?それであれば、妻に反感を持つ者の嫌がらせなのかもしれませんが、スカートとストッキングの件はどのように考えたらいいのか?やけに詳しいのは男の言う通りなのかも?》と思えてしまうのです。
私はあの日、妻の有紀がどんな服装で出勤したのか覚えてはいません。しかし、朝に違和感を覚えていなかったのですから、何時も通りだったのでしょうか?では妻がもしも男と密会しているとしたなら、出勤時の服は如何したのでしょうか?帰宅した時には、何時ものハンドバックしか持っていなかったと思うのですが。
それなら妻の服を男が持って帰ったか、男の部屋で逢っていたかのどちらかなのでしょう。性格から言って会社で着替えるとは思えません。何故か男の部屋のように思えるのです。何の根拠もないのですが、その場所で有紀が男の好む格好に着替える姿が浮かぶのでした。そしてベッドの上で年下の部下に抱かれ、私にも見せた事のない痴態を演じる卑猥な場面が頭の中に映るのです。その妄想を振り切って仕事を終わらせ、妻の会社付近に着きました。
2015/07/17
休み明けは何かと忙しいもので、私(来栖正敏:くるす・まさとし43歳)も残業が待っていました。妻の有紀(ゆき39歳)も同じだろうと思い、帰りに待ち合わせて食事をしようと電話をすると、『私もそう思っていたの。やっぱり夫婦ね。気持ちが通じているね。』と声が弾んでいます。何時も私の好みに合わせる、そんな妻に今日は好きなものを食わしてやろうと思うと自然に仕事のペースも上がるのでした。そんな時に、また非通知の着信が来たのです。
「今日は何だい?そんなに悪戯が面白いのかな?」
出なければいいのに、不信感を植え付けられ気にしているので出てしまう私でした。
〔悪戯じゃないですよ。これを聞けば分かる。〕
携帯からおもむろに女の声が聞こえてきました。
【ああぁぁぁぅ!あああぁぁぁぁぅ!いやっ!ああああぁぁぁっ!そこいやっ!あああああぁぁぁっ!だっめえぇぇぇっ!】
聞き覚えのある声です。何処か妻の声に似ていますが、携帯での音なので確信が持てません。
〔奥さんの声ですよ。聞き覚えがあるでしょう?あっ、そうそう。この前スカートを穿いて帰ったでしょう。出勤する時は何時も通りパンツスーツでしたよね?それが帰りはスカート。あれ僕の好みなんです。何時も僕の好みに合わせてくれる。ご主人に僕の存在を知って欲しくて、そのまま帰したんですよ。〕
〔そのまま帰るの嫌がっていましたが、僕の言う事は何でも聞いてくれるんでね。奥さん、スタイルが良いから、あんな服装が似合いますよねぇ。あのストッキングも素敵だったと思いませんか?あれねパンストじゃありませんよ。ガーター(靴下止め)で吊ったストッキングなんです。〕
〔知っていました?分らなかったでしょう。気づいていたら、一騒動あったでしょうね。あのストキングを穿かせたままセックスするんです。僕、ストッキングフェチだから。奥さんも嫌じゃないと思いますけどね。〕
長々と喋ります。《こいつは私を舐めきっている。》会社では、それなりの立場にいる45歳の私が顔も見せない男にからかわれるのは無性に腹が立つのです。
「好きに言ってればいいさ。だけどな、お前の言う通りなら大変な事になるぜ。お前の話から、有紀と同じ会社にいるんだろう?あんまり俺を舐めるなよ。」
〔ええ、そうですよ。でも平気ですけど。〕
また男から切られてしまいましたが、挑発的な問いかけに動揺している様子は伺えませんでした。《男の声は私よりは若い。話の通りなら有紀の部下なのか?それであれば、妻に反感を持つ者の嫌がらせなのかもしれませんが、スカートとストッキングの件はどのように考えたらいいのか?やけに詳しいのは男の言う通りなのかも?》と思えてしまうのです。
私はあの日、妻の有紀がどんな服装で出勤したのか覚えてはいません。しかし、朝に違和感を覚えていなかったのですから、何時も通りだったのでしょうか?では妻がもしも男と密会しているとしたなら、出勤時の服は如何したのでしょうか?帰宅した時には、何時ものハンドバックしか持っていなかったと思うのですが。
それなら妻の服を男が持って帰ったか、男の部屋で逢っていたかのどちらかなのでしょう。性格から言って会社で着替えるとは思えません。何故か男の部屋のように思えるのです。何の根拠もないのですが、その場所で有紀が男の好む格好に着替える姿が浮かぶのでした。そしてベッドの上で年下の部下に抱かれ、私にも見せた事のない痴態を演じる卑猥な場面が頭の中に映るのです。その妄想を振り切って仕事を終わらせ、妻の会社付近に着きました。
2015/07/17
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