中F[愛しい妻と僕の性癖について]その11
中F[愛しい妻と僕の性癖について]その11
その10 2019/01/08
『食べて飲んでおしゃべりしてたら9時半になってたので焦ったわ。それでね、メールを瑛司君に送ったの。(それが、妻(伊藤恵梨香:いとう・えりか:27歳)から、9時半過ぎのメールが、(『ごめんなさい。おそくなっちゃった。おなか減ってない? 明日のお買いものして帰るから先に寝ていてください。おやすみ。』)だった。
主任(皆藤大夢:かいとう・ひろむ)さんに、『主人の看病しないといけないので・・・。』と断りをすると、〔遅くなったね。ごめんなさい。〕と、すぐに会計を済ませ、降りるエレベーターの中で、主任さんから〔今夜はたのしかった?〕と尋ねられたので、『はい楽しかったです。』って答えると、〔伊藤さん、また誘ってもいいですか?〕と言われ、わたし返事をしなかったの。』って云う。
僕(伊藤瑛司:いとう・えいじ:29歳)が、「なんで返答しなかったの?」と聞くと、『やっぱり職場の上司だから。それと瑛司君に相談したかったの。』って真面目な顔で言われる。実は、この時に恵梨香と皆藤さんに“ある事”が起こっていたのだけれど、その事実を僕が知るのは、もう少し後になってのことであった。
結局、その夜は、恵梨香と皆藤さんが“楽しい食事”をしたことを確認(それだけの報告
で嫉妬感は半端でなかった。)しただけです。僕が「恵梨香、しんどくなったので眠るよ。」と告げると、何か言いたそうな顔をしたが、すぐに『そうだね。もう晩(おそ)いから、わたしはお風呂に入ってからにするわ。』、僕はその雰囲気を察して、「今後のことは明日話し合おう。それでいい?」と同意を求めると、『うん。わかったわ。おやすみなさい。』って言い残して自分の部屋へ着替えにいった。
妻の報告を聞いていて、身体的には疲れなかったけど、僕の頭と心は“無意味な回転”でオーバーヒート(熱し過ぎた状態)になります。ひとつひとつの事柄が棘のように突き刺ささりました。《このまま進展をしたらどうなるのだろう?》とか、《自分の欲望で恵梨香にやらせておいて卑怯者だよな。》あるいは、《皆藤さんの〔また誘ってもいいですか?〕に何と解答を出せば良いのか?》やはり《恵梨香にもうこんなことはやめよう。と言うべきなのか。》などと迷いに迷う。それですぐには眠ねることはできない。
その葛藤の隙間に悪魔(自らの性癖)が囁く、【恵梨香が皆藤さんとセックスをする。僕が味合わすことのできない快感・快楽の悦びに浸る。背徳感を持ちながらも身体を占有され、身体を重ねていき、次第に罪悪感が薄れ心まで奪われる。】そんな歪んだM(寝取られ・寝取らせ)の心が自分の歓びとなっていった。
今はおぼろげなヴィジュアル(像)なのだが、2回3回と続けられる“逢瀬(男女がひそかに会う機会)”によって、親しみが増し、恋(少なくとも皆藤さんのほうは恵梨香が好きだろう。)から愛(お互いが好きになる。)に変化するかもしれないと、深夜の2時まで悶々としていた。 その12へ続く
2019/01/09
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