中Ⅲ4『あなた、私、戻れなくなる。』第2章
中Ⅲ4『あなた、私、戻れなくなる。』第2章
第1章 20191212
妻(小野田智美:おのだ・ともみ)は、身長162センチで体重は最近計ってはいないが、37歳にしては頑張っている方だと思う。二十代の頃と比べて、間違いなく脂が乗ってしまったが、肉感的でセクシーな身体になったなとわたし(小野田文哉:おのだ・ふみや:43歳)は思っていた。
サマーニットを押し上げている妻の豊かな胸は、出産を経てEカップにまで成長します。乳首や乳輪こそ、妊娠前と比べて多少色づいてしまった。だが、もともと色白で限りなく
ピンク色だったためか、今でも充分に綺麗だと思う。智美とすれ違う男は、誰でも智美の抱き心地の良さそうな身体を目で追ってしまっていた。
姿見鏡を見て、智美がスカートの裾を下に引き下げます。息子が留学に行って以来、家ではいつも短めのスカートを身にまとっていた。今日も膝上20cm近くもある、淡い花柄のミニスカート。
《もっと短いのはかないとダメかな?》
智美はすぐにずり上がってきてしまうスカートの丈を気にしながら、心の中で《息子がいない今、毎日でも夫に抱いてもらいたい・・・。》って思った。しかし、そんな気持ちを持ちながら、はしたないと思われたくなくて言い出せない。健気に、ミニスカートと胸元が大きく開いたサマーニットで夫を誘惑してみるが、智美の秘めた欲望に気がついてさえもらえない・・・。37歳という女盛りの身体を持てあまし、智美は日々苦しみ悶えていた。
姿見鏡に映る自分・・・。伸びやかで優雅な曲線を描く脚が、智美の密かな自慢。智美は、朝から年齢不相応の格好をして夫を誘惑しているが、実は下着も身につけていません。夫の文哉が欲情してくれたら、すぐにその場で抱いてもらえるように、スカートの中には智美自身しかなかった。そしてサマーニットの中には、ブラジャーもない。そんな事までしているのに、「行ってきます」のキスもなく夫は出て行ってしまった・・・。智美はドアを見つめたまま、自分の中の女としての自信がガラガラと音を立てて崩れていくような、やるせない喪失感を感じています。
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20191212
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