中Ⅲ4『あなた、私、戻れなくなる。』第3章
第2章 20191211
小野田智美(おのだ・ともみ:37歳)は、これまで自分からキスをしようと思ったことも何度かあります。でも、夫(小野田文哉(おのだ・ふみや:43歳)しか男性を知らずに過ごしてきた智美は、極度の恥ずかしがりでもあった。自分からキスを求めること・・・ましてや、自分から抱いて欲しいと言い出すことなど、想像しただけで羞恥心で顔から火が出そうになります。
《私じゃもう興奮してもらえないのかな?》
姿見鏡に映る自分を見て、ついため息が漏れてしまった。サマーニットを盛り上げる柔らかな曲線は、子供を生んだ今もつんと上を向いたまま。智美は少し前屈みになります。鏡には、ざっくりと開いた胸元から覗く、真っ白な餅のような二つの膨らみが映っていた。磁器のように白い乳房には、所々に薄く青い血管が浮き出ています。これを見たら、どんな男でも夢中にならざるを得ないはずだ。そして智美は胸を両腕で挟むようにして、その谷間をさらに強調してみます。サマーニットからこぼれ落ちそうになる白い膨らみをみて、智美はそんな事をしている自分を自虐的に笑った・・・。
《バカみたい・・・。》
智美は心の中でささやくと、姿勢を正す。すると、サマーニットを盛り上げる柔らかな曲線の頂きに、わずかに浮き出た蕾の形が見て取れた。
《こんなにして・・・はしたない・・・。》
頬をほんのり桜色に染めて、智美はその場から立ち去ろうとします。その時、ニットの布地が固くしこった蕾にわずかにこすれ、甘く痺れるような快感が広がっていった。
『あっ・・・。』
思わず漏れてしまった甘い声に、智美自身も戸惑いながら、ふたたび姿見鏡に視線を戻します。そこには、母親でも妻でもない、牝の顔をしたオンナが映っていた。
《酷い顔してる・・・まるで盛りがついた牝猫みたいじゃない・・・。》
智美は羞恥心でさらに顔を赤くし、耳まで熱を持ったように熱くなるのを感じます。
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20191215
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