名M 『先生が喜ぶことなら』 第42回
名M 『先生が喜ぶことなら』 第42回
第41回 2018/10/21
3度も出したにもかかわらず、まだ俺(浅野幸也:あさの・ゆきや:37歳)は興奮の渦の中にいた。そっとベッドを抜け出すと、タップ型のカメラからメモリーカードを取り出して、すぐにノートパソコンで確認を始める。それは、変な感じだった。日常の風景・・・。美咲が、掃除や洗濯、上の子を幼稚園に送り出し、下の子との遊び、昼寝させる姿等々、日々繰り返されている。
だけど、それをこうやって実際に見るのは初めてだ。妻(浅野美咲:あさの・みさき:28歳)は、本当に優しい母親という感じで、見ていてそれだけで幸せな気持ちになれた。そして、寝室に下の子を昼寝させたらしい美咲が、リビングに戻ってきてソファに座る。そして、やっと落ち着いてゆっくりとし始めた。雑誌を読んだり、紅茶を飲み始めたりしている。
そこに、インターフォンが鳴った。美咲が動いて、玄関に行く・・・。そして、戻ってきたときは、二人だった。
『ホントに、ゴメンなさい。わざわざ持ってきてもらっちゃって・・。』
〔いや、別にいいよ! 今日は僕も早上がりで家に帰るだけだしね。〕
『あ、そうなんですね! いいなぁ・・。ユキヤさんも早く帰ってきて欲しいなぁ〜。』
〔本当に、ラブラブなんだね(笑)。じゃあ、これをどこに置けばいいかな?〕
小さな段ボールの箱を持った水口陵介(みずぐち・りょうすけ:39歳)さんが言う。
水口さんは、一見普通な感じだが、動きが固い・・・。固すぎる・・・。女の子の家に来た、下心いっぱいの若い男みたいな怪しい動きになっていた・・・。
『そこで大丈夫です! あ、今、紅茶飲んでたんですよ。一緒にどうですか?』
〔えっ、あ、もらいます。ありがとう。〕
『じゃあ、ちょっと座ってて下さいね・。』
〔あ、すいません。〕
なんだ、これは・・・。すでに、肉体関係を持っている二人なのに、このぎこちなさ、よそよそしさ・・・。間違いなく、妻の美咲も意識している感じだ・・・。だけど、水口さんのその挙動不審ぷりは、見ていて笑える。それからも、黙って紅茶を飲む二人。《中学生かよ!》と、突っ込みたくなるくらいのぎこちなさだ。
〔こ、この前は、本当にありがとうございました。良い経験をさせてもらいました!〕
沈黙に耐えきれなくなったように、水口さんが礼を言う。
『え? 何がですか?』
〔えっ? その・・初体験というか・・その・・。〕
『何かありましたっけ? 何にもなかったと思いますよ(笑)。』
美咲が、とぼけたように言った。
〔そ、そっか・・・。そうですよね・・・。すいません・・・。〕
水口さんはあっさりと引き下がる。 第43回に続く
2018/10/22
第41回 2018/10/21
3度も出したにもかかわらず、まだ俺(浅野幸也:あさの・ゆきや:37歳)は興奮の渦の中にいた。そっとベッドを抜け出すと、タップ型のカメラからメモリーカードを取り出して、すぐにノートパソコンで確認を始める。それは、変な感じだった。日常の風景・・・。美咲が、掃除や洗濯、上の子を幼稚園に送り出し、下の子との遊び、昼寝させる姿等々、日々繰り返されている。
だけど、それをこうやって実際に見るのは初めてだ。妻(浅野美咲:あさの・みさき:28歳)は、本当に優しい母親という感じで、見ていてそれだけで幸せな気持ちになれた。そして、寝室に下の子を昼寝させたらしい美咲が、リビングに戻ってきてソファに座る。そして、やっと落ち着いてゆっくりとし始めた。雑誌を読んだり、紅茶を飲み始めたりしている。
そこに、インターフォンが鳴った。美咲が動いて、玄関に行く・・・。そして、戻ってきたときは、二人だった。
『ホントに、ゴメンなさい。わざわざ持ってきてもらっちゃって・・。』
〔いや、別にいいよ! 今日は僕も早上がりで家に帰るだけだしね。〕
『あ、そうなんですね! いいなぁ・・。ユキヤさんも早く帰ってきて欲しいなぁ〜。』
〔本当に、ラブラブなんだね(笑)。じゃあ、これをどこに置けばいいかな?〕
小さな段ボールの箱を持った水口陵介(みずぐち・りょうすけ:39歳)さんが言う。
水口さんは、一見普通な感じだが、動きが固い・・・。固すぎる・・・。女の子の家に来た、下心いっぱいの若い男みたいな怪しい動きになっていた・・・。
『そこで大丈夫です! あ、今、紅茶飲んでたんですよ。一緒にどうですか?』
〔えっ、あ、もらいます。ありがとう。〕
『じゃあ、ちょっと座ってて下さいね・。』
〔あ、すいません。〕
なんだ、これは・・・。すでに、肉体関係を持っている二人なのに、このぎこちなさ、よそよそしさ・・・。間違いなく、妻の美咲も意識している感じだ・・・。だけど、水口さんのその挙動不審ぷりは、見ていて笑える。それからも、黙って紅茶を飲む二人。《中学生かよ!》と、突っ込みたくなるくらいのぎこちなさだ。
〔こ、この前は、本当にありがとうございました。良い経験をさせてもらいました!〕
沈黙に耐えきれなくなったように、水口さんが礼を言う。
『え? 何がですか?』
〔えっ? その・・初体験というか・・その・・。〕
『何かありましたっけ? 何にもなかったと思いますよ(笑)。』
美咲が、とぼけたように言った。
〔そ、そっか・・・。そうですよね・・・。すいません・・・。〕
水口さんはあっさりと引き下がる。 第43回に続く
2018/10/22
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