短Y[嫁の歓びは僕の喜び]第4回
第3回 20190523
その日から今度はいつ甲斐(翔太:かい:しょうた:27歳)君と逢うのかということはお互いタブーとなり話はしませんでした。しかし、一カ月も経った頃に『明日ね会社で打ち上げ会があるので少し遅くなるわ。』って嫁(原田結衣:はらだ・ゆい:29歳)に言われます。
僕(原田弘人:はらだ・ひろと:32歳)はその時にピンと感じるものがありました。「甲斐君は来るの?」その言葉に嫁は動揺した様子を隠し切れませんでしたが正直な性格だけに『多分、終わってからの二次会には来るかも知れないわ。』っておそるおそる返事します。
「ああそう、ゆっくり話でもしてくればいいじゃないか。」と僕が言うと結衣は呆れた様子で『変な人、逢ってもいいの?』って喜びを隠しながら僕を問い詰めました。「いいじゃないか、また逢いたいって言ってただろ、また愚痴でも聞いてやれよ。」との僕の寛大な言葉に嫁は安心した様子でニッコリと微笑みます。《甲斐君に抱かれるかも知れないな。》と感じ取りました。
その晩は妙に結衣を抱きたい衝動に駆られます。《ひょっとすると明日は甲斐君にやられるかもしれない。》という不安と期待が入り交じったいいようのない気持ちが高ぶってきたからでした。いつものパターンでの前戯もどうしても念入りにしてしまいます。
それは何故か嫁も同じようでした、今までは数分間の儀礼的なフェラチオも色々とテクニックを加え驚くほど積極的に行為してくれます。その仕草を眺めていると甲斐君とデキてしまったら彼にも同じようにしてあげるのだろうかと想像をめぐらしてしまうものでした。
いつもより濡れていた嫁、いつもより積極的であった嫁の心は明日への期待があったのかも知れません。眉間にシワをよせ目を閉じている結衣の可愛い顔を見下ろしていた僕は、
ついついイジワルな言葉を浴びせてしまいました。
「甲斐君に誘われてこうなってしまったらどうする?」
『そんなことしないわ、そんなことする人じゃないもの。』
結衣は甲斐君をかばうのです。
「だから、もしもだよ、もしも誘われたら・・。」
『知らない、意地悪なんだから・・・わたしそうなってもいいの?』
「それはだな、そうなったらで仕方ないと思うよ。」
『変な人、わたしをたきつけるようなことを言って・・・ほんとうなの・・。』
第5回につづく
20190525
- 関連記事