短K〔夫以外の愛〕②
短K〔夫以外の愛〕②
午後11時半過ぎにやっと妻の道子が帰ってきました。結局、連絡が入ったのは地元の駅に着いてからで、≪いま駅なの。もうすぐ帰りますね。≫という短いメールを送ってくる。それから、しばらくして帰宅をしました。帰ってきてからはごく普通にふるまっています。それを簡単にやり取りを再現してみます。ちなみに私達はもともと東京から来ているので家では関西弁は使いません。
『ただいま。』
「お帰り。」
『ちょっと酔っちゃった。化粧落としてくるね。』
「どうだった?」
『ん?うん・・・。また後で報告するね。』
道子は決してお酒は弱い方ではありませんが、明らかに酔っているのがわかります。かなり飲んだのでしょう。『後で報告するね。』と言って洗面室に入ってからしばらく水の音が、どうやらシャワーも浴び始めたようです。確かに、外出から戻ると必ずシャワーは浴びるので、当たり前と言えば当たり前の行動なのですが、状況からすればどうしても色々なことを考えてしまいます。
まだ道子はシャワーを浴びていますが、あがってきたら少し飲んでから今日の話を聞いてみようと思いました。15分ほどして妻が戻ってきます。
「ビール飲む?」 私は道子に聞いてみました。
『うん。』
髪を乾かしながら、缶ビールで乾杯。
『なんの乾杯?』
「初めてのデートにかな?(笑)」
すると道子が今日のデートについて語り始める。『三ノ宮駅で待ち合わせしたの、そこから急な坂道を登って有名な「うろこの家」を見学したわ。あと山手八番館(旧サンセン邸)の“サタンのイス”(「サタン」というのは悪魔ではなく、農耕の神のことを指しています。部屋の中には左右に二つの椅子があり、それぞれ向かって左が男性用、向かって右が女性用)に座ったわ。普段は行列ができるそうだけど今日はすぐに座れてラッキーだった(^_^)。』と軽快に北野異人館街について報告をしてくれる。
でも私が「それからどうしたの?」と訊ねると、道子は『う、うん・・・。』と急に口が重くなる。『え~と、それから坂道を登ったり降ったりして足が棒のようになったし、ちょうどお腹も空いてきたので元町まで移動して南京町(中華街)で食事をしたわ。』
「それからどこへ行ったの?」と訊くと、『どこへ?・・・言わなきゃいけない?』と妻は渋る素振りをみせる。私が「約束だろ(帰宅したら必ずその日にあったことを詳細に報告すること)。」と催促すると、『直行さん、ごめんなさい。あのね・・・食事が大変おいしくて、ついつい紹興酒をたくさん飲み過ぎたの・・・。』私が少し腹が立ってきて強い口調で「だからどうした!」と問い詰めた。
『うん・・・歩けなくなったわたしを・・・三上さんが〔これじゃ帰れないからちょっと休憩していきませんか?〕と・・・。』また口を閉ざす。デートに行かせた張本人なのに私はきつい調子で「ホテルへ行ったのか!」と詰問すると妻の道子は頷いた。
2015/04/23
午後11時半過ぎにやっと妻の道子が帰ってきました。結局、連絡が入ったのは地元の駅に着いてからで、≪いま駅なの。もうすぐ帰りますね。≫という短いメールを送ってくる。それから、しばらくして帰宅をしました。帰ってきてからはごく普通にふるまっています。それを簡単にやり取りを再現してみます。ちなみに私達はもともと東京から来ているので家では関西弁は使いません。
『ただいま。』
「お帰り。」
『ちょっと酔っちゃった。化粧落としてくるね。』
「どうだった?」
『ん?うん・・・。また後で報告するね。』
道子は決してお酒は弱い方ではありませんが、明らかに酔っているのがわかります。かなり飲んだのでしょう。『後で報告するね。』と言って洗面室に入ってからしばらく水の音が、どうやらシャワーも浴び始めたようです。確かに、外出から戻ると必ずシャワーは浴びるので、当たり前と言えば当たり前の行動なのですが、状況からすればどうしても色々なことを考えてしまいます。
まだ道子はシャワーを浴びていますが、あがってきたら少し飲んでから今日の話を聞いてみようと思いました。15分ほどして妻が戻ってきます。
「ビール飲む?」 私は道子に聞いてみました。
『うん。』
髪を乾かしながら、缶ビールで乾杯。
『なんの乾杯?』
「初めてのデートにかな?(笑)」
すると道子が今日のデートについて語り始める。『三ノ宮駅で待ち合わせしたの、そこから急な坂道を登って有名な「うろこの家」を見学したわ。あと山手八番館(旧サンセン邸)の“サタンのイス”(「サタン」というのは悪魔ではなく、農耕の神のことを指しています。部屋の中には左右に二つの椅子があり、それぞれ向かって左が男性用、向かって右が女性用)に座ったわ。普段は行列ができるそうだけど今日はすぐに座れてラッキーだった(^_^)。』と軽快に北野異人館街について報告をしてくれる。
でも私が「それからどうしたの?」と訊ねると、道子は『う、うん・・・。』と急に口が重くなる。『え~と、それから坂道を登ったり降ったりして足が棒のようになったし、ちょうどお腹も空いてきたので元町まで移動して南京町(中華街)で食事をしたわ。』
「それからどこへ行ったの?」と訊くと、『どこへ?・・・言わなきゃいけない?』と妻は渋る素振りをみせる。私が「約束だろ(帰宅したら必ずその日にあったことを詳細に報告すること)。」と催促すると、『直行さん、ごめんなさい。あのね・・・食事が大変おいしくて、ついつい紹興酒をたくさん飲み過ぎたの・・・。』私が少し腹が立ってきて強い口調で「だからどうした!」と問い詰めた。
『うん・・・歩けなくなったわたしを・・・三上さんが〔これじゃ帰れないからちょっと休憩していきませんか?〕と・・・。』また口を閉ざす。デートに行かせた張本人なのに私はきつい調子で「ホテルへ行ったのか!」と詰問すると妻の道子は頷いた。
2015/04/23
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