長H《間違えた選択》1章3話
長H《間違えた選択》1章3話
松浦宅からの帰り道。三宅夫婦と広瀬夫婦は私達とは別方向。マズいことに渋谷健一(しぶたに・けんいち26歳)の家は私達と一緒の方向で、しかも渋谷の家より手前に私の家がありました。つまり家に帰る道中は、ずっと渋谷と一緒ということ・・。さっきの件もあって、私(矢野正隆)は無言で歩き出しました。
正反対に、渋谷は饒舌に私たちに話し掛けてくる。しかし嫁の明帆(あきほ)もバツが悪いのか、ややうつむき加減で黙って歩いていました。そんな状況に嫌気がさしたのか、渋谷がこんな事を言い出します。
〔あれ~、明帆さん?さっきはあんなに仲良くしてくれたのに、矢野さんの前だったら何か冷たいな~(笑)。〕
『何を云っているの?!』
〔本当の事を言っちゃいけなかった?ごめんな。早く帰ろ~。〕
そう言って渋谷は嫁の手を取り、自分の横に引き寄せました。
『きゃっ!ちょっと何をするのよ!?ヤメてよ~!」』
〔え~~。さっき『今日だけ』って言ったじゃん~。まだ今日は終わっていないよ~。〕
《『今日だけ』って何だよ!?仲良くって・・・。やっぱり何か有ったの.か!?あの約50分の間に行われていた事を聞きたい・・・でも聞けない・・・やっぱり聞きたい・・・・・。》
私の心の中では2つの思いがグルグルと回っていました。《聞くべきか・聞かぬべきか、つまりネトラレーゼが勝つか・やきもちやきが勝つか》結局・・・勝ったのはネトラレーゼでした。
「渋谷、お前ウチの嫁に何したんや?」
意を決し放った一言が、私達を更なる衝撃的な出来事へと導いたのでした。この一言が、皮肉にもこの後渋谷の暴走を加速させる事になるとは・・・。
〔何って!矢野さんが口説いてみろって言うので口説いただけですよ。〕
「口説いたって・・。たったあれだけの時間で、そこまで出来るものなのか?」
〔実際そうなった。それに、もう少し時間があればもっといろんな事出来たのに。ね~明帆さん?〕
『・・うん。』
「『うん』って、お前そんな女だったのか?俺以外の男に口説かれて簡単に堕ちるような女だったのか!」何故か怒りが込み上げてきた。
〔まあまあ矢野さん、落ち着いてよ。さっきも言ったけど、矢野さんが「口説いてみろ」って言ったんじゃん?それなのに明帆さんを責めるのはおかしくない?〕
「お前は黙っていろよ!これは俺と嫁の問題なんだ!いくら気心が知れた相手でも、俺以外の男をそんな簡単に受け入れるのか!?」
『・・簡単にって・・・。違うわよ!そんなんじゃないもの!』
〔2人とも声が大きいって。近所の人に聞かれるよ。〕
そうです気が付くと我が家の前に着いていました。田舎の住宅街で・・・。私達の声は辺り一帯に響き渡っています。何時(いつ)もなら渋谷と歩いて帰った時はすぐ別れて家に入るのですが、その日は何だか二人の事が気になり、そう出来ませんでした。
2015/05/31
松浦宅からの帰り道。三宅夫婦と広瀬夫婦は私達とは別方向。マズいことに渋谷健一(しぶたに・けんいち26歳)の家は私達と一緒の方向で、しかも渋谷の家より手前に私の家がありました。つまり家に帰る道中は、ずっと渋谷と一緒ということ・・。さっきの件もあって、私(矢野正隆)は無言で歩き出しました。
正反対に、渋谷は饒舌に私たちに話し掛けてくる。しかし嫁の明帆(あきほ)もバツが悪いのか、ややうつむき加減で黙って歩いていました。そんな状況に嫌気がさしたのか、渋谷がこんな事を言い出します。
〔あれ~、明帆さん?さっきはあんなに仲良くしてくれたのに、矢野さんの前だったら何か冷たいな~(笑)。〕
『何を云っているの?!』
〔本当の事を言っちゃいけなかった?ごめんな。早く帰ろ~。〕
そう言って渋谷は嫁の手を取り、自分の横に引き寄せました。
『きゃっ!ちょっと何をするのよ!?ヤメてよ~!」』
〔え~~。さっき『今日だけ』って言ったじゃん~。まだ今日は終わっていないよ~。〕
《『今日だけ』って何だよ!?仲良くって・・・。やっぱり何か有ったの.か!?あの約50分の間に行われていた事を聞きたい・・・でも聞けない・・・やっぱり聞きたい・・・・・。》
私の心の中では2つの思いがグルグルと回っていました。《聞くべきか・聞かぬべきか、つまりネトラレーゼが勝つか・やきもちやきが勝つか》結局・・・勝ったのはネトラレーゼでした。
「渋谷、お前ウチの嫁に何したんや?」
意を決し放った一言が、私達を更なる衝撃的な出来事へと導いたのでした。この一言が、皮肉にもこの後渋谷の暴走を加速させる事になるとは・・・。
〔何って!矢野さんが口説いてみろって言うので口説いただけですよ。〕
「口説いたって・・。たったあれだけの時間で、そこまで出来るものなのか?」
〔実際そうなった。それに、もう少し時間があればもっといろんな事出来たのに。ね~明帆さん?〕
『・・うん。』
「『うん』って、お前そんな女だったのか?俺以外の男に口説かれて簡単に堕ちるような女だったのか!」何故か怒りが込み上げてきた。
〔まあまあ矢野さん、落ち着いてよ。さっきも言ったけど、矢野さんが「口説いてみろ」って言ったんじゃん?それなのに明帆さんを責めるのはおかしくない?〕
「お前は黙っていろよ!これは俺と嫁の問題なんだ!いくら気心が知れた相手でも、俺以外の男をそんな簡単に受け入れるのか!?」
『・・簡単にって・・・。違うわよ!そんなんじゃないもの!』
〔2人とも声が大きいって。近所の人に聞かれるよ。〕
そうです気が付くと我が家の前に着いていました。田舎の住宅街で・・・。私達の声は辺り一帯に響き渡っています。何時(いつ)もなら渋谷と歩いて帰った時はすぐ別れて家に入るのですが、その日は何だか二人の事が気になり、そう出来ませんでした。
2015/05/31
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