名P〖彼女の恋(修正版)〗その11
名P〖彼女の恋(修正版)〗その11
その10
僕(周防久志:すおう・ひさし:25歳)はアパートの前まで来て、今野奈々(こんの・なな:22歳)へラインをしてみます。
「おつかれさま。予定の時間より早いんだけど、そっちへ今から行って大丈夫かな?」
少しして奈々から返事が来ました。
『久志くんおつかれさま、今日は早いんだね。いま買い物に行ってるから、もう30分くらいしたら家に着くので、そのくらいに来てくれると嬉しいな待ってまぁ~す。』
僕は彼女に「了解。」ってラインを送り、アパートの階段下で奈々の帰りを待ちます。すると、奈々の部屋のボイラーが点火する音がしました。《あれっ?》と思いながら、しばらく外で待ちます。
なにかイヤな予感を押し殺しながら、それでも奈々との約束の30分を辛抱強く待ちました。アパートの昇り口がここしかないことを確認して、階段を昇り奈々の部屋のインターホンを押します。すぐにガチャンとドアが空き、髪を濡らした奈々が出てきて、『おつかれさまぁ。こんな格好でゴメンね。今さっき帰って来たもんだから・・・ 散らかっているけど、どうぞ。』って僕を招き入れる。それは彼女が僕にウソをついた瞬間でした・・・。
僕はアパートの階段の前に居たことは言いません。まだ濡れている髪を、タオルを使い乾かしながら、奈々は僕を部屋へあげてくれました。僕は彼女のウソを突く勇気がありませんでした。要は奈々に嫌われたくなかったのです。
奈々とテレビを見ながら話しているうちに、後輩の村瀬健次(むらせ・けんじ:23歳)と住谷杏奈(すみたに・あんな:22歳)ちゃんがやって来ました。いつもの4人の飲み会のスタートです。時計の針が進むとともに、酔いがまわり、気分が高揚してきました。
ふと奈々を見ると、ひざを抱えて座り、そのひざの上にホホを乗せた状態で僕の方を見ています。ふたりの目が合いました・・・。『ふふふっ』なにやら楽しそうに笑います。ほんの
り赤くなって酔っているのが一目でわかりました。幸せそうに微笑む目はいつもの奈々です。
「どうしたの?」
僕が訊きました。
『久志くんって、雰囲気がいいよね。優しいオーラが出てる。』
「なんだぁよ、急に・・・。」
『わかんない。わかんないけど・・・ わたしには、久志くんのことわかるんだぁ・・・。』
奈々がクスクス笑う。僕の心がフワリとなって温かくなるのがわかりました。《・・・ そうだ、昔この笑顔に惚れたんだなぁ。》
『ずっと、こうしてられたらいいね・・・・。』
奈々がテーブルの下で僕の手に指を絡ませてくる。それだけで、奈々のウソなんか、僕の頭から消えてなくなりました・・・・。 その12へ
2018/04/09
その10
僕(周防久志:すおう・ひさし:25歳)はアパートの前まで来て、今野奈々(こんの・なな:22歳)へラインをしてみます。
「おつかれさま。予定の時間より早いんだけど、そっちへ今から行って大丈夫かな?」
少しして奈々から返事が来ました。
『久志くんおつかれさま、今日は早いんだね。いま買い物に行ってるから、もう30分くらいしたら家に着くので、そのくらいに来てくれると嬉しいな待ってまぁ~す。』
僕は彼女に「了解。」ってラインを送り、アパートの階段下で奈々の帰りを待ちます。すると、奈々の部屋のボイラーが点火する音がしました。《あれっ?》と思いながら、しばらく外で待ちます。
なにかイヤな予感を押し殺しながら、それでも奈々との約束の30分を辛抱強く待ちました。アパートの昇り口がここしかないことを確認して、階段を昇り奈々の部屋のインターホンを押します。すぐにガチャンとドアが空き、髪を濡らした奈々が出てきて、『おつかれさまぁ。こんな格好でゴメンね。今さっき帰って来たもんだから・・・ 散らかっているけど、どうぞ。』って僕を招き入れる。それは彼女が僕にウソをついた瞬間でした・・・。
僕はアパートの階段の前に居たことは言いません。まだ濡れている髪を、タオルを使い乾かしながら、奈々は僕を部屋へあげてくれました。僕は彼女のウソを突く勇気がありませんでした。要は奈々に嫌われたくなかったのです。
奈々とテレビを見ながら話しているうちに、後輩の村瀬健次(むらせ・けんじ:23歳)と住谷杏奈(すみたに・あんな:22歳)ちゃんがやって来ました。いつもの4人の飲み会のスタートです。時計の針が進むとともに、酔いがまわり、気分が高揚してきました。
ふと奈々を見ると、ひざを抱えて座り、そのひざの上にホホを乗せた状態で僕の方を見ています。ふたりの目が合いました・・・。『ふふふっ』なにやら楽しそうに笑います。ほんの
り赤くなって酔っているのが一目でわかりました。幸せそうに微笑む目はいつもの奈々です。
「どうしたの?」
僕が訊きました。
『久志くんって、雰囲気がいいよね。優しいオーラが出てる。』
「なんだぁよ、急に・・・。」
『わかんない。わかんないけど・・・ わたしには、久志くんのことわかるんだぁ・・・。』
奈々がクスクス笑う。僕の心がフワリとなって温かくなるのがわかりました。《・・・ そうだ、昔この笑顔に惚れたんだなぁ。》
『ずっと、こうしてられたらいいね・・・・。』
奈々がテーブルの下で僕の手に指を絡ませてくる。それだけで、奈々のウソなんか、僕の頭から消えてなくなりました・・・・。 その12へ
2018/04/09
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