長2【“心”は私。“体”は他の男。(M男の告白)】第13話
長2【“心”は私。“体”は他の男。(M男の告白)】第13話
第12話 20190815
あの日以降、私達の生活には何の変化もありません。ただそれは表面上なだけという気がしました。私(黒川彰浩:くろかわ・あきひろ:45歳)は妻(黒川法子:くろかわ・のりこ:43歳)には内緒ですがホテルでの眞島と法子の姿を思い出し自慰をしてしまいます。夜の生活でもホテルでのことはお互い話しませんし持ち込みたくないという気持ちでした。
ただ妻を抱いていても頭の中は眞島秀和(まじま・ひでかず:40歳)の影がちらついていきます。私とは違う逞しさが目立つ眞島、世間では勝ち組負け組みという言葉が一時流行りましたが、精力の面では眞島と比べてあきらかに私が負け組みでした。
眞島とは時々ですがメールのやりとりをしています。
〔あんな奥さん抱けるとは思ってもみませんでしたよ、毎日でも抱きたいですね。〕
〔目の前で愛妻を抱かれるなんて黒川さん、いい趣味ですね。〕
〔そうそう、あの・・その気は、いや眞島が好きではありませんから、でも俺のを咥えてる黒川さんの姿を奥さんが見たら・・。〕
〔奥さんの体を思い出してオナニーもしますよ。〕
私は時々ですが妻に眞島とのことを聞きながら夫婦の営みをしました。
「硬い眞島のほうがいいだろ? 凄い顔で舐めてたな・・・。君は。あっちがいいんだろ?」
『もう・・パパったら・・答えれば興奮するんでしょ?』
しかし法子は答えずにいつもの夫婦の営みを終えます。
《また妻を眞島に抱かせてみたい。》と考えてしまいますが、アクションを起こす事を躊躇しました。《法子を抱かせたい、抱かせたくない、セックスを見たい、見たくない・・。》いろいろな気持ちが混ざり合います。深みに嵌りそうな気がしました。
3ヵ月後、私は妻を温泉に誘います。自宅から車で1時間ほどに有名な温泉郷がありました。私はそこの温泉宿を予約します。
「あの眞島も来るから、宿で合流するよ・・。」
法子は驚いた顔をしましたが拒否はしません。
眞島には土曜に入ってもらうことにしています。宿はもちろん別部屋。飛行場から温泉郷へ車で20分ほどのアクセスでした。もちろん飛行機代と宿泊代はこちらが持ちます。眞島に現金書留と航空チケットを送りました。
落ちついた和モダンの宿、私達夫婦は偽名で泊まります。妻と私は部屋で食事をしていても落ち着きませんでした。これから始まることをお互い考えてしまいます。眞島は午後8時過ぎに宿に入る予定。食事を終えて妻の法子が今日2度目の大浴場へと向かいました。
遅めに宿に着く眞島、食事は宿の割烹で済ませてもらいます。 第14話へ
20190816
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