中A〔トライアングル〕 第6章の5〖エピソードⅣ-2〗
中A〔トライアングル〕 第6章の5〖エピソードⅣ-2〗
その日から英人は、妻の翠にメールやら直電を始めた。どんな話をしているのか俺は知らない。翠も俺に一切何も言わなかった。そして四日後、晩飯の際に翠が言った。『ねぇ、英人さんから連絡来ているんだけど、智浩知ってるよね?』いきなり核心を突く翠。俺は戸惑いながらも答えた。
「あぁ、まあな・・・。」
『・・・・・・。今度の土曜日、うちにくる事になったからね。』
「え?・・・。本当に?お前、いいの?」
『う・・・ん・・・。最後だからね・・・。』
「そう・・・・。俺はどうする?いない方がいいか?」
『好きにすればいいじゃん・・・。って言うか、それ意味あるの?居たいんでしょ?』
「・・・・・・。」(返答のしようがない。)
心のどこかで《翠は英人の誘いを受けるかも、とは思っていたが・・・。いや、思っていた、と言うよりも、期待していた。》と言う方が当たっていたかもしれない。静まり返る食卓・・・。俺は場を和まそうと、変な事を言ってしまった。
「せっかく薬(ピル)飲み始めたのに、しないんじゃ意味無いもんな!」
『馬っ鹿じゃないの?その為に飲み始めたんじゃないし・・・。もう、智浩最低!』
まぁ、俺自身も最低だと思いました・・・。
そして土曜日、朝から会話がギクシャク、翠は明らかに緊張気味の様子。俺はアレコレ下らない事を言って翠を笑わせようとしていた。これから男に抱かれる妻の緊張をほぐす為に気を遣う夫・・・。まともに考えればあり得ない状況だ。
「英人、翠の水着姿が気に入ってたみたいだから、それを着て出迎えたら?」とか、「最後だから、終わったら皆で最後の晩餐するか?はははは・・・。」等々。すると翠がクスッと笑いながら言った。
『智浩、痛々しいんだけど(笑)・・・。今日はもうやめようか?』
「えぇ?・・・。ん~・・・。それは、今更ムリだろ・・・。」
『そりゃそうだね・・・。』
「あははは・・・。」
シーン・・・。
『ねぇ、智浩・・・。』
「ん?」
『私の事、好き?』
「なんだよ、いきなり。好きに決まってるじゃん・・・。」
『ふふ・・・。私もよ。』
「なんなんだよ、一体?(笑)」
『・・・・・。私の事、絶対に離さないでね?』
「当たり前だよ・・・。英人に抱かれようと何だろうと、お前を一生離さないよ。お前は俺のものだ。」
『アリガト・・・。』
二人は軽く口付けする。翠の瞳が潤んでいた。俺は翠の言葉や表情を見て、《本当にこれが最後になるかも、そして、今までで一番激しいものになるかも。》と思った。そして昼過ぎになり、英人がやって来た。
2015/01/26
その日から英人は、妻の翠にメールやら直電を始めた。どんな話をしているのか俺は知らない。翠も俺に一切何も言わなかった。そして四日後、晩飯の際に翠が言った。『ねぇ、英人さんから連絡来ているんだけど、智浩知ってるよね?』いきなり核心を突く翠。俺は戸惑いながらも答えた。
「あぁ、まあな・・・。」
『・・・・・・。今度の土曜日、うちにくる事になったからね。』
「え?・・・。本当に?お前、いいの?」
『う・・・ん・・・。最後だからね・・・。』
「そう・・・・。俺はどうする?いない方がいいか?」
『好きにすればいいじゃん・・・。って言うか、それ意味あるの?居たいんでしょ?』
「・・・・・・。」(返答のしようがない。)
心のどこかで《翠は英人の誘いを受けるかも、とは思っていたが・・・。いや、思っていた、と言うよりも、期待していた。》と言う方が当たっていたかもしれない。静まり返る食卓・・・。俺は場を和まそうと、変な事を言ってしまった。
「せっかく薬(ピル)飲み始めたのに、しないんじゃ意味無いもんな!」
『馬っ鹿じゃないの?その為に飲み始めたんじゃないし・・・。もう、智浩最低!』
まぁ、俺自身も最低だと思いました・・・。
そして土曜日、朝から会話がギクシャク、翠は明らかに緊張気味の様子。俺はアレコレ下らない事を言って翠を笑わせようとしていた。これから男に抱かれる妻の緊張をほぐす為に気を遣う夫・・・。まともに考えればあり得ない状況だ。
「英人、翠の水着姿が気に入ってたみたいだから、それを着て出迎えたら?」とか、「最後だから、終わったら皆で最後の晩餐するか?はははは・・・。」等々。すると翠がクスッと笑いながら言った。
『智浩、痛々しいんだけど(笑)・・・。今日はもうやめようか?』
「えぇ?・・・。ん~・・・。それは、今更ムリだろ・・・。」
『そりゃそうだね・・・。』
「あははは・・・。」
シーン・・・。
『ねぇ、智浩・・・。』
「ん?」
『私の事、好き?』
「なんだよ、いきなり。好きに決まってるじゃん・・・。」
『ふふ・・・。私もよ。』
「なんなんだよ、一体?(笑)」
『・・・・・。私の事、絶対に離さないでね?』
「当たり前だよ・・・。英人に抱かれようと何だろうと、お前を一生離さないよ。お前は俺のものだ。」
『アリガト・・・。』
二人は軽く口付けする。翠の瞳が潤んでいた。俺は翠の言葉や表情を見て、《本当にこれが最後になるかも、そして、今までで一番激しいものになるかも。》と思った。そして昼過ぎになり、英人がやって来た。
2015/01/26
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