中L 寝とらせの行方vol.9
中L 寝とらせの行方vol.9
vol.8
その時点ではまだまだ僕(松本和真:まつもと・かずま:32歳)には精神的な余裕があった。それで「どうかな。成田(壮一:なりた・そういち:40歳)社長のお宅へ一人で行くのはなんだか危なそうだけど(笑)、デートくらいならいいんじゃない。」と言ってしまう。『やっぱり和真(かずま)はそう言うと思ったわ。』って意味深な発言。「えーー何それ?」妻(松本典子:まつもと・のりこ:30歳)はニコリと笑って『だって~いつも「他の人と浮気しろ」とか言うじゃない。』って周りを気にしてか小声で話す。「いや・・・。」と僕は強く否定できない。『そうだ〖寝取られ願望』ってのでしょ? 奥さんや恋人が寝取られるのが好きなんでしょ。』って日曜日の朝に喫茶店で交わす会話とはとても思えない。
「典子はどうなんだい。デートとかお家に行きたいの?」と思い切って聞いてみた。すると『これも山内一豊の妻ですよ。』って訳の分からないことを言い出す。「なに? それ?」って『内助の功よ。これも御接待のうちですから。変態の主人を持つと大変だ。でも成田社長って超お金持ちだし、おいしいとこに連れて行ってくれそうだしね。』って破顔一笑(顔をほころばせる)の典子に、不安を覚える僕だった。典子がじ~っと僕を見つめる。そして『嘘だよ。私は和真が大好きです。でも和真が喜ぶなら何でもするよ。さあそろそろ、みのりを迎えに行かなくちゃね。』でこの話は終わった。
それから10日程して、成田社長にいつものとおり呼び出される。「社長、この前はありがとうございました。妻も大変喜んでいました。」とお礼をのべた。〔いいよ。会社のシート席だから有効活用しなけりゃ、もしかしたら将来我が社の幹部になってくれるかもしれないんだからな。〕と言ってくれた。
〔ドームで君の奥さんに我が家に来ないですか? とかデートしたいなと口説いてしまった。酔っていたとはいえ失礼なことを言ってしまった。申し訳ない。〕と、かなり真剣に謝ってくる。僕は「いいえ。家内も最近そんなこと言ってもらったことがないから、実は喜んでましたよ。」と小さな嘘をつく。すると社長が“4℃のネックレス”の箱を差し出し〔これ奥さんに渡して謝っておいてくれ。頼むよ。〕と深々と頭を下げられると、僕は断ることが出来ず。「わかりました。ありがとうございます。」とこちらもお辞儀をした。
〔良かった。あれから気になってたんだよ。あっそれから君にも謝らないといけないことがある。〕と再び真剣な顔つきになる。「えっなんですか?」と問い返す。〔おれも酔った勢いで典子さんと電話番号とメールアドレスを君に内緒で交換させてもらったんだよ。すまん。〕と謝る。「なんだそんなことですか。一向に構いませんよ。」と心の内ではドキドキしながら平気な顔のフリをして無理をした。〔そうか。君の許可を得るまでは、メールも我慢をしてたんだよ。〕とまるで中学生のようなことを言い出す。「どうぞどうぞメールでも電話でも許可させていただきます。」と応諾した。しかし、思い返せばこれが“ルビコン川を渡る(重大な決断・行動をする)”許可だったのである。この夜は終始成田社長はご機嫌だった。 vol.10へ
2017/10/04
vol.8
その時点ではまだまだ僕(松本和真:まつもと・かずま:32歳)には精神的な余裕があった。それで「どうかな。成田(壮一:なりた・そういち:40歳)社長のお宅へ一人で行くのはなんだか危なそうだけど(笑)、デートくらいならいいんじゃない。」と言ってしまう。『やっぱり和真(かずま)はそう言うと思ったわ。』って意味深な発言。「えーー何それ?」妻(松本典子:まつもと・のりこ:30歳)はニコリと笑って『だって~いつも「他の人と浮気しろ」とか言うじゃない。』って周りを気にしてか小声で話す。「いや・・・。」と僕は強く否定できない。『そうだ〖寝取られ願望』ってのでしょ? 奥さんや恋人が寝取られるのが好きなんでしょ。』って日曜日の朝に喫茶店で交わす会話とはとても思えない。
「典子はどうなんだい。デートとかお家に行きたいの?」と思い切って聞いてみた。すると『これも山内一豊の妻ですよ。』って訳の分からないことを言い出す。「なに? それ?」って『内助の功よ。これも御接待のうちですから。変態の主人を持つと大変だ。でも成田社長って超お金持ちだし、おいしいとこに連れて行ってくれそうだしね。』って破顔一笑(顔をほころばせる)の典子に、不安を覚える僕だった。典子がじ~っと僕を見つめる。そして『嘘だよ。私は和真が大好きです。でも和真が喜ぶなら何でもするよ。さあそろそろ、みのりを迎えに行かなくちゃね。』でこの話は終わった。
それから10日程して、成田社長にいつものとおり呼び出される。「社長、この前はありがとうございました。妻も大変喜んでいました。」とお礼をのべた。〔いいよ。会社のシート席だから有効活用しなけりゃ、もしかしたら将来我が社の幹部になってくれるかもしれないんだからな。〕と言ってくれた。
〔ドームで君の奥さんに我が家に来ないですか? とかデートしたいなと口説いてしまった。酔っていたとはいえ失礼なことを言ってしまった。申し訳ない。〕と、かなり真剣に謝ってくる。僕は「いいえ。家内も最近そんなこと言ってもらったことがないから、実は喜んでましたよ。」と小さな嘘をつく。すると社長が“4℃のネックレス”の箱を差し出し〔これ奥さんに渡して謝っておいてくれ。頼むよ。〕と深々と頭を下げられると、僕は断ることが出来ず。「わかりました。ありがとうございます。」とこちらもお辞儀をした。
〔良かった。あれから気になってたんだよ。あっそれから君にも謝らないといけないことがある。〕と再び真剣な顔つきになる。「えっなんですか?」と問い返す。〔おれも酔った勢いで典子さんと電話番号とメールアドレスを君に内緒で交換させてもらったんだよ。すまん。〕と謝る。「なんだそんなことですか。一向に構いませんよ。」と心の内ではドキドキしながら平気な顔のフリをして無理をした。〔そうか。君の許可を得るまでは、メールも我慢をしてたんだよ。〕とまるで中学生のようなことを言い出す。「どうぞどうぞメールでも電話でも許可させていただきます。」と応諾した。しかし、思い返せばこれが“ルビコン川を渡る(重大な決断・行動をする)”許可だったのである。この夜は終始成田社長はご機嫌だった。 vol.10へ
2017/10/04
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