短Ⅳ22[上司と部下]第1話
短Ⅳ22[上司と部下]第1話
(原題:暗闇の中で 投稿者:高橋 投稿日:2016/11/06)
私(二階堂栄治:にかいどう・えいじ:44歳)は居眠りした振りをしながら、山奥の温泉宿に向かう車の後部座席で、凛子と横山(大樹:よこやま・だいき:28歳)の会話を聞きながら、嫉妬と興奮を感じています。彼女(真野凛子:まの・りんこ:38歳)と交際してもう3年になるが、こんなに自分以外の男性と楽しそうに会話する姿を見たことがなかった。横山は同じ会社の後輩で、たしかに、社内一と言っても良い端正な顔立ちとスラッとした体型で女性に人気はあるが、アラフォーの凛子と年齢が10歳も違うし、こんなに話が弾むとは思っていなかったからです。
〔でも、お二人がお付き合いされていたなんて全然気づきませんでしたよ。〕
『同じ職場だし彼もワタシもいい歳だからね。横山君みたいに若かったら隠しはしないけど、この歳になって社内で噂になるのも微妙な感じだし、仕事しづらくなるかも知れないからね。』
〔真野さん、全然、大丈夫ですよ。僕の周りでも、キレイだって言ってる人多いです。〕
『もう~ おだてても何も出ないからね~。』
運転する横山の背中を軽く叩く凛子に怒りを禁じ得ない。昔、会社の飲み会で、同じようにボディタッチして、私に怒られたことは忘れてしまったのか。
〖なぜ3人で旅行に来ているのか?〗実は私はバツイチである。離婚の原因は前妻の浮気疑惑だ。本人は最後まで認めなかったが、限りなくクロだったと思う。信じることができない相手と夫婦生活を続けるのは困難だ。離婚を決意してからは早かった。それ以来、女性を信じられない自分が心の中に居座る。と同時に、裏切られることに異様な興奮を感じる自分もいた。
〖なぜ3人で旅行に来ているのか?〗実は、凛子と同じ職場の上司と部下の関係でした。彼女は性格が良くて外見も美人なので、男性陣に人気があったのですが、出会った当時は彼氏がおらず、猛烈なアタックを経て付き合うことができたのです。バツイチの私には本当に勿体無いくらいの女性でした。横山は本当に男前で、性格も抜群です。遠距離の彼女がいました。凛子と横山、年の差はありますが、本当にお似合いだと思います。それが旅に連れていった動機だとしたら、何かを望んでいたとしか思えません。
〔凛子さん、痛いですよ~。事故になるから、次は叩きたくても、優しく撫でて下さいね。〕
凛子は、後部座席をチラッと確認して、私が寝ていることを確認する。
『フフッ、わかったから事故しないで・・。』
彼女はそう囁くと、横山の背中を冗談っぽく撫でた。横山は少し狼狽えた感じで前を見ます。凛子は気づく由もないが、横山のズボンの不自然な膨らみに気付いた私は、鼓動が高まっていくのを感じた。その時、車内に漂う凛子の香水の匂いが、いささか、存在感を増した気がします。 第2話に続く
2018/10/18
(原題:暗闇の中で 投稿者:高橋 投稿日:2016/11/06)
私(二階堂栄治:にかいどう・えいじ:44歳)は居眠りした振りをしながら、山奥の温泉宿に向かう車の後部座席で、凛子と横山(大樹:よこやま・だいき:28歳)の会話を聞きながら、嫉妬と興奮を感じています。彼女(真野凛子:まの・りんこ:38歳)と交際してもう3年になるが、こんなに自分以外の男性と楽しそうに会話する姿を見たことがなかった。横山は同じ会社の後輩で、たしかに、社内一と言っても良い端正な顔立ちとスラッとした体型で女性に人気はあるが、アラフォーの凛子と年齢が10歳も違うし、こんなに話が弾むとは思っていなかったからです。
〔でも、お二人がお付き合いされていたなんて全然気づきませんでしたよ。〕
『同じ職場だし彼もワタシもいい歳だからね。横山君みたいに若かったら隠しはしないけど、この歳になって社内で噂になるのも微妙な感じだし、仕事しづらくなるかも知れないからね。』
〔真野さん、全然、大丈夫ですよ。僕の周りでも、キレイだって言ってる人多いです。〕
『もう~ おだてても何も出ないからね~。』
運転する横山の背中を軽く叩く凛子に怒りを禁じ得ない。昔、会社の飲み会で、同じようにボディタッチして、私に怒られたことは忘れてしまったのか。
〖なぜ3人で旅行に来ているのか?〗実は私はバツイチである。離婚の原因は前妻の浮気疑惑だ。本人は最後まで認めなかったが、限りなくクロだったと思う。信じることができない相手と夫婦生活を続けるのは困難だ。離婚を決意してからは早かった。それ以来、女性を信じられない自分が心の中に居座る。と同時に、裏切られることに異様な興奮を感じる自分もいた。
〖なぜ3人で旅行に来ているのか?〗実は、凛子と同じ職場の上司と部下の関係でした。彼女は性格が良くて外見も美人なので、男性陣に人気があったのですが、出会った当時は彼氏がおらず、猛烈なアタックを経て付き合うことができたのです。バツイチの私には本当に勿体無いくらいの女性でした。横山は本当に男前で、性格も抜群です。遠距離の彼女がいました。凛子と横山、年の差はありますが、本当にお似合いだと思います。それが旅に連れていった動機だとしたら、何かを望んでいたとしか思えません。
〔凛子さん、痛いですよ~。事故になるから、次は叩きたくても、優しく撫でて下さいね。〕
凛子は、後部座席をチラッと確認して、私が寝ていることを確認する。
『フフッ、わかったから事故しないで・・。』
彼女はそう囁くと、横山の背中を冗談っぽく撫でた。横山は少し狼狽えた感じで前を見ます。凛子は気づく由もないが、横山のズボンの不自然な膨らみに気付いた私は、鼓動が高まっていくのを感じた。その時、車内に漂う凛子の香水の匂いが、いささか、存在感を増した気がします。 第2話に続く
2018/10/18
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