名P〖彼女の恋(修正版)〗その40
その39 20191231
〔そうだ、先輩(周防久志:すおう・ひさし:25歳)! みんなで温泉へ行きませんか?〕
「・・・いきなりだな!?」
村瀬健次(むらせ・けんじ:23歳)からの提案にそれまでガールズトークに専念していた2人(今野奈々:こんの・なな:22歳と住谷杏奈:すみたに・あんな:22歳)
もこっちに参加してきます。そして、一気に話しが進み、次の月の連休に合わせて4人の温泉旅行が決まりました。
『久志くん、楽しみだね。』
僕はトントン拍子に話しが進み、びっくりしていましたが、温泉旅行の日が近くなると、奈々の楽しそうな顔が見れて嬉しく思います。
逢うといつも笑顔・・・・会話にはよく旅行の話題が・・・デートの日には、着ていく物から下着まで、歯ブラシやら小物からお菓子まで・・・・2人で一緒に選びながらどんどん気持ちも高まって行きました。
温泉地は石段街で有名な群馬県渋川市の伊香保温泉に決まります。健次がどんどん場所や
宿、観て回るコースなどを決めてくれる中、僕たちは旅行の内容はやる気の塊の健次に任せて、当日の旅行を楽しみに待っていました。そして、温泉旅行を明日に控えたその日になります。
奈々は仕事が終わったら僕(周防久志)の部屋へ来て一泊し、朝迎えに来る健次たちの車で一緒に出発する予定になりました。それで僕は仕事を早めに終わらせ、明日へ意識が飛び飛びの中、早足で部屋へ戻ります。
明日の準備の最終チェックをしたり、2人分の夕飯を用意したりして待っているとスマホの着信音が・・・それは奈々からでした。《まさか?》って気持ちで電話に出ます。
『・・・あっ、久志くん?・・・あのね、・・・ごめんなんだけど・・・・今日、行けなくなっちゃって・・・・。』
《あーやっぱり・・・》
「なんで?・・・明日早いんだよ。・・・なんか、最近多くない? こういうの・・・。」
僕は普段は訊かないのですが、この時は思わず訊いてしまいました。
『・・・・・・あのね・・・本当にごめんね・・・ごめんなさい・・・。・・・あの、ちゃんと間に合うように行くから。』
「そうじゃなくてさ・・・。」
このときは、もう僕は止まれませんでした・・・
「・・・なんか奈々、変だよ。・・・なにか、僕に隠し事をしてない。」
『・・・あの・・・・・・・・・「ぉぃっ!」・・・あの、ごめんなさい。明日は、絶対に間に合うように行くから・・・ごめんなさい。・・・ガチャ・・・。』
奈々の無言の合間に小さく男の声が聴こえた気がしました。
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20200101
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