名P〖彼女の恋(修正版)〗その34
名P〖彼女の恋(修正版)〗その34
その33 20190528
遠くで声が聞こえます。
・・・・・・オオツカ?・・・・・・ネチャッタヨコイツ・・・・・・
・・・・・・・・・・・・ナナチャン・・・・・・ヨッテル?・・・・・・
《しまった酔っぱらって寝ちゃったな。》僕(周防久志:すおう・ひさし:25歳)は寝ぼけながら寝るか起きるか迷いました。《ここはどこかな?》どうやら僕は誰かが掛けてくれた毛布と暗い部屋の感じから居間の隣の寝室にいます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アッ・・・・・・ハアッ・・・
「ん?」
・・・・・・ダメ・・・・・・イイジャン・・・オキナイヨ・・・ヤメテクダサイ・・・・・・アアッ・・・
「んん?」
・・・スゴイナ・・・・・・イヤデス・・・・・・・キレイダ・・・・イロッポイ・・・
僕の頭はだんだん醒めてきて、スリ硝子の引き戸の向こう側で何が始まっているのか理解できてきました・・・。《この声は今成和巳(いまなり・かずみ)に違いない。》グツグツと暗い嫉妬が僕に湧き上がってきますが・・ただ、妙に興奮もしたのです。
大塚雅一(おおつか・まさかず)と今成は地元の友人で、2人とも僕と同歳でした。大塚は坊主頭にヒゲ、ガタイが大きいから怖いイメージを持たれますが、涙もろい優しいヤツで、僕と小・中・高と一緒で親友です。
今成は大塚の紹介で高校から知り合い、明るくて気さくな性格で誰とも仲良くなれるヤツで、僕達ともすぐ仲良くなって今ではグループの中で目立つ存在でした。長身・長髪・
知的な会話に知的なメガネ・・・今成はモテるのです。そして、いつもグループの下ネタの中心にいました。
そんな今成と今野奈々:こんの・なな:22歳)が・・・スリ硝子の向こうにいる・・・僕は聞き耳をたてます。。
・・・・・・ヤダ・・・ウソ・・・・・・・・・ソレハダメ・・・・・・イイダロウ・・・チョットダケ・・・
・・・聴こえてくるのは・・・・テレビの音の中・・・・微かな2人の押し問答が続きました・・・・。
奈々が辛うじて小さな抵抗をしているように聴こえたのがせめてもの救いです・・・。このとき僕はお酒のせいで天井がグルグル回っていました。それでも、頑張ってスリ硝子の方へ、のそのそ這って行き、テレビのチカチカする光を見ながら、引き戸に近づくと2人の声がいくぶん良く聴こえてきます。 その35へつづく
20190529
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