中6〖不倫の代償〗第1章1話
中6〖不倫の代償〗第1章1話
(原題:ガラム 投稿者:異邦人 投稿日:2004/09/17)
最近になって私はたばこの銘柄を変えた。以前はガラム(インドネシア産のたばこ)を吸っていたのだが、匂いが営業に差し支えるので国産にしたところです。その日は土曜日でしたが妻の千遥(ちはる)は休日出勤でいません。前日、私は接待が深夜まで続き、起きたのが午前11時前で、食卓には朝食と昼食の用意がしてある。メモには『おはよう。昼食はレンジで温めてください。午後7時までには帰ります。』とあった。
前日の夕方から、娘の春香は妻の実家で預かってもらっている。義父母は「何日でも面倒をみるよ。」と孫娘を大事にしてくれる。それは今日の場合は助かるのだが、休日に一人で食事をするのは虚しい。食事を済ませ、リビングでパジャマ姿のまま、ぼんやりテレビを観ていたら、手の爪が伸びていることに気付いた。
「たしか爪切りは?千遥の寝室にあるドレッサーの引き出しかな?」とうろ覚え(確かでない記憶)だが、久しぶりに入ってみる。春香が生まれ、次第に夫婦の営みが少なくなっていた。爪切りはやはりそこにあったのだが、なにか違和感を感じる。そうだ芳香剤とは違う甘い匂いが、「そうだガラムだ。うん、間違いない。」「でもたばこを吸わないはずの千遥が?それもガラムを?」どこを探しても、ガラムも吸いがらもみつからなかった。
問いただせば簡単に済む問題も、自分が躊躇(ちゅうちょ)した瞬間から妻の千遥(ちはる)に対する疑いの形に変わって行った。疑いを解決する方法は色々有るのかもしれない、灰皿を見つけた時に妻に問い詰める方法、或いは吸っている現場を押さえる方法。いずれにしても、妻がガラムを吸っていた事は明白であり、この段階で私の中には妻の素行に興味が移っていたのかも知れません。
妻は長女の出産を期に一度勤めていた会社を退職したが、少しすると、前の上司の薦めもあり派遣社員の形で、また同じ会社に勤めだした。その会社は、名の知られた観光会社であり、二度目の時は経験も評価され、添乗の仕事もある事を妻は私に納得させていた。
元来家に閉じこもっているのが似合うタイプの女性ではないと思っていた私は、千遥の仕事に口を挟む気はなかったので行動を起こすでもなく、数日が過ぎたある日。仕事も早めに終わった私は同僚の誘いも断り、妻の勤める会社の近くに私は足を進めていた。
妻の素行(そこう:ふだんの行い。)が知りたいという私の気持ちは、気づいた時には探偵の真似事をしていました。市の目貫通りに面した妻の会社は人道通りも多く、人並みの影から様子を伺うにはさほどの苦労は無かった。
午後6時頃現場に着いた私は、15分位でしょうか、探偵気取りで道路の反対側にある千遥の会社の出入り口に神経を集中していると、突然聞きなれた女性の声で、私は出入り口から目を離すことになる。その女性は、妻の同僚の三嶋さんでした。
2015/02/19
(原題:ガラム 投稿者:異邦人 投稿日:2004/09/17)
最近になって私はたばこの銘柄を変えた。以前はガラム(インドネシア産のたばこ)を吸っていたのだが、匂いが営業に差し支えるので国産にしたところです。その日は土曜日でしたが妻の千遥(ちはる)は休日出勤でいません。前日、私は接待が深夜まで続き、起きたのが午前11時前で、食卓には朝食と昼食の用意がしてある。メモには『おはよう。昼食はレンジで温めてください。午後7時までには帰ります。』とあった。
前日の夕方から、娘の春香は妻の実家で預かってもらっている。義父母は「何日でも面倒をみるよ。」と孫娘を大事にしてくれる。それは今日の場合は助かるのだが、休日に一人で食事をするのは虚しい。食事を済ませ、リビングでパジャマ姿のまま、ぼんやりテレビを観ていたら、手の爪が伸びていることに気付いた。
「たしか爪切りは?千遥の寝室にあるドレッサーの引き出しかな?」とうろ覚え(確かでない記憶)だが、久しぶりに入ってみる。春香が生まれ、次第に夫婦の営みが少なくなっていた。爪切りはやはりそこにあったのだが、なにか違和感を感じる。そうだ芳香剤とは違う甘い匂いが、「そうだガラムだ。うん、間違いない。」「でもたばこを吸わないはずの千遥が?それもガラムを?」どこを探しても、ガラムも吸いがらもみつからなかった。
問いただせば簡単に済む問題も、自分が躊躇(ちゅうちょ)した瞬間から妻の千遥(ちはる)に対する疑いの形に変わって行った。疑いを解決する方法は色々有るのかもしれない、灰皿を見つけた時に妻に問い詰める方法、或いは吸っている現場を押さえる方法。いずれにしても、妻がガラムを吸っていた事は明白であり、この段階で私の中には妻の素行に興味が移っていたのかも知れません。
妻は長女の出産を期に一度勤めていた会社を退職したが、少しすると、前の上司の薦めもあり派遣社員の形で、また同じ会社に勤めだした。その会社は、名の知られた観光会社であり、二度目の時は経験も評価され、添乗の仕事もある事を妻は私に納得させていた。
元来家に閉じこもっているのが似合うタイプの女性ではないと思っていた私は、千遥の仕事に口を挟む気はなかったので行動を起こすでもなく、数日が過ぎたある日。仕事も早めに終わった私は同僚の誘いも断り、妻の勤める会社の近くに私は足を進めていた。
妻の素行(そこう:ふだんの行い。)が知りたいという私の気持ちは、気づいた時には探偵の真似事をしていました。市の目貫通りに面した妻の会社は人道通りも多く、人並みの影から様子を伺うにはさほどの苦労は無かった。
午後6時頃現場に着いた私は、15分位でしょうか、探偵気取りで道路の反対側にある千遥の会社の出入り口に神経を集中していると、突然聞きなれた女性の声で、私は出入り口から目を離すことになる。その女性は、妻の同僚の三嶋さんでした。
2015/02/19
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