中9〖妻の写真集〗 Vol.6
中9〖妻の写真集〗 Vol.6
広田君は写真館での仕事、また専門学校に通う傍ら、女子美大などでデッサンのモデルのバイトもこなしていると言います。もちろん美術モデルなのでヌードになる事がほとんどとのようです。モデルについていろいろ語る広田君を見ていて、《若い女子大生の前で裸を晒す気分というのはいったいどういうものなのだろう?》私にはそんな疑問が浮かんできました。
屈託なく話す広田君に妻の杏璃もなんとなく心を許し始めています。「でも、女の人の前で裸になるってどんな気分なの?」私はついそんな疑問を口にしていました。〚もちろん興奮しますよ。考えても見て下さい、異性の前で裸になる時というのは、まあ病院での診察とか特殊な場合は除いたとして、そのほとんどは性交渉の時ですよね。〛あっけらかんと語る広田君とは反対に、私たちは何となく気恥ずかしい思いを感じてしまいました。
〚これは先生の受け売りなんですが・・・私たち地球に住む生物が神様から与えられた最大の使命って何だと思います?・・・それは子孫を残すことですよ。神様は私たち人間に、その子孫を残す行為に最大の悦びを与えてくださった。その時の表情にこそ、人間の本当の美の姿があるのです。だから僕はモデルをしている時に、たとえ性的に興奮してしまったとしても決して恥ずかしいとは思わないんです。それにデッサンしている方も筆がのるみたいですしね。カメラマンだって同じなんですよ。モデルが性的に興奮している時こそが最大のシャッターチャンスなんです。〛
〚杏璃さん、今度の撮影はすべて先生に任せて、いい写真にしてくださいね。〛広田君は申込書に書いてある妻の名前を見てそう言うと、その場を後にしてさがっていきました。
その日の夜は浜崎(美佳さん)夫妻と一緒に食事をすることになっていました。午後7時に待ち合わせた居酒屋に行くとすでに浜崎さん達は店にいました。店の奥にある小あがり の小部屋に通されると、美佳さんの旦那さんである浜崎満(みつる)さんが笑顔で迎えてくれました。
「久しぶりだね、相変わらず杏璃ちゃんは綺麗だね。」
「あなた、またやらしい目で・・・今日はご主人もいるんだからね。」
満さんのお世辞とも思える挨拶に美佳さんがすかさず“ちゃちゃを入れる(水を差す)。”
「ねえ、どうだったの?」
頼んだ料理もすべて運ばれ、一通り盛り上がって話しをした後、美佳さんが杏璃に今日の写真館での打ち合わせのことを尋ねてきます。
『う、うん、まあね・・・。』
妻は居酒屋の軽いカクテルを口にしながら言葉を濁してそう答えました。
「まあねって、なによ杏璃。それより小松先生の写真見せてもらった?」
美佳さんの言った写真というのは、あの海外での写真展で入賞した作品だということはすぐにわかりました。
2015/03/27
広田君は写真館での仕事、また専門学校に通う傍ら、女子美大などでデッサンのモデルのバイトもこなしていると言います。もちろん美術モデルなのでヌードになる事がほとんどとのようです。モデルについていろいろ語る広田君を見ていて、《若い女子大生の前で裸を晒す気分というのはいったいどういうものなのだろう?》私にはそんな疑問が浮かんできました。
屈託なく話す広田君に妻の杏璃もなんとなく心を許し始めています。「でも、女の人の前で裸になるってどんな気分なの?」私はついそんな疑問を口にしていました。〚もちろん興奮しますよ。考えても見て下さい、異性の前で裸になる時というのは、まあ病院での診察とか特殊な場合は除いたとして、そのほとんどは性交渉の時ですよね。〛あっけらかんと語る広田君とは反対に、私たちは何となく気恥ずかしい思いを感じてしまいました。
〚これは先生の受け売りなんですが・・・私たち地球に住む生物が神様から与えられた最大の使命って何だと思います?・・・それは子孫を残すことですよ。神様は私たち人間に、その子孫を残す行為に最大の悦びを与えてくださった。その時の表情にこそ、人間の本当の美の姿があるのです。だから僕はモデルをしている時に、たとえ性的に興奮してしまったとしても決して恥ずかしいとは思わないんです。それにデッサンしている方も筆がのるみたいですしね。カメラマンだって同じなんですよ。モデルが性的に興奮している時こそが最大のシャッターチャンスなんです。〛
〚杏璃さん、今度の撮影はすべて先生に任せて、いい写真にしてくださいね。〛広田君は申込書に書いてある妻の名前を見てそう言うと、その場を後にしてさがっていきました。
その日の夜は浜崎(美佳さん)夫妻と一緒に食事をすることになっていました。午後7時に待ち合わせた居酒屋に行くとすでに浜崎さん達は店にいました。店の奥にある小あがり の小部屋に通されると、美佳さんの旦那さんである浜崎満(みつる)さんが笑顔で迎えてくれました。
「久しぶりだね、相変わらず杏璃ちゃんは綺麗だね。」
「あなた、またやらしい目で・・・今日はご主人もいるんだからね。」
満さんのお世辞とも思える挨拶に美佳さんがすかさず“ちゃちゃを入れる(水を差す)。”
「ねえ、どうだったの?」
頼んだ料理もすべて運ばれ、一通り盛り上がって話しをした後、美佳さんが杏璃に今日の写真館での打ち合わせのことを尋ねてきます。
『う、うん、まあね・・・。』
妻は居酒屋の軽いカクテルを口にしながら言葉を濁してそう答えました。
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