中10〚新しい夫婦の形〛1章第3話
中10〚新しい夫婦の形〛1章第3話
そして出張の前日になった。妻の希美(のぞみ)が『明日は前にも言っていた出張だから、何か食べて帰ってきてね。帰りは明後日土曜日のお昼過ぎになるわ。』僕は平静を装って「あーそーだったんだ、わかった。」そう答えた。
いよいよ出張当日になる。その日僕は朝から仕事が手につかなかった。妻の希美は昼過ぎの新幹線で新潟に向かうと言っていた。もうそろそろ会社を出たころだろうか。僕は1時過ぎに行動に出た。本社の企画部には知り合いがいないので、僕が昔所属していた総務部へ電話をかけてみた。後輩が出る。
「益岡だ、久しぶり。」
〔先輩ですか、営業所でご活躍と聞いていますよ。〕
「妻の希美に用事があってさっき企画部に電話したのだけど、今日出張に行ったらしいのだ。あいつ、携帯も忘れていって連絡がつかなくて困っているのだ。総務に企画部から出張の申請が出ていると思うんだけど、希美以外に企画部の人で行く人がわかれば教えてくれないか?」
〔ちょっと待ってください・・・わかりましたよ、園部大地です。〕
「園部大地?はじめて聞く名前だな。入社何年目くらいの社員なの?」
〔えーと、たしか6年目だったかと・・。〕
「わかった、ありがとう。」
入社6年目ということはまだ20代の後半で妻の希美よりも年下になる。本当に妻は今日園部という男に出張先で抱かれるのだろうか?さて、出張の相手が園部という若い男ということはわかったものの、この先の手を全く考えていなかった。
(何日も前から興信所に頼んで尾行をしてもらおうかと真剣に考えていたが、結局なにもしないままでいた。)いよいよ夜になり家で一人悶々とした時間をすごした。僕は何度も妻の携帯に電話をしようとしたが踏みとどまった。
ここで僕が電話をすれば、希美は警戒してしまうだろう。まずは証拠をつかむことが先決。そう自分自身に言い聞かせていた。しかし、不倫をしている妻の姿を想像すると、どうしようもなく身体がうずいてしまう。それを鎮めるように酒をあおるがなかなか酔うことも出来ない。悶々としたままその日は明け方まで深酒をしてそのままベッドで寝てしまった。
『ずいぶん昨日は一人で飲んだのね?』二日酔いのひどい頭痛の中、僕は妻の声で起こされた。時計を見てみるとまだ午前の10時だった。「あれ?まだ10時。早かったじゃない。」
『ええ、早く起きたから6時半発の新幹線で帰ってきたのよ。』
「一人でか?」
『そうよ。』
「会社の人は?」
『まだ新幹線の中じゃないかしら?』
(行きは園部という男性社員と一緒に行ったはずなのに、帰りはバラバラで帰ってくるなんて、やはり昨日の夜に何かあったのか?)
僕はひどい頭痛だったが頭の中を高速に回転させていろんなことを考えたが、結局答えを見つけることができず、本能の方が思考能力を上回っていた。僕はベッド脇に脱ぎ捨てた衣類を拾おうとした希美の手をつかむと、そのままベッドに引きずり込み、激しく唇を奪った。
2015/03/22
そして出張の前日になった。妻の希美(のぞみ)が『明日は前にも言っていた出張だから、何か食べて帰ってきてね。帰りは明後日土曜日のお昼過ぎになるわ。』僕は平静を装って「あーそーだったんだ、わかった。」そう答えた。
いよいよ出張当日になる。その日僕は朝から仕事が手につかなかった。妻の希美は昼過ぎの新幹線で新潟に向かうと言っていた。もうそろそろ会社を出たころだろうか。僕は1時過ぎに行動に出た。本社の企画部には知り合いがいないので、僕が昔所属していた総務部へ電話をかけてみた。後輩が出る。
「益岡だ、久しぶり。」
〔先輩ですか、営業所でご活躍と聞いていますよ。〕
「妻の希美に用事があってさっき企画部に電話したのだけど、今日出張に行ったらしいのだ。あいつ、携帯も忘れていって連絡がつかなくて困っているのだ。総務に企画部から出張の申請が出ていると思うんだけど、希美以外に企画部の人で行く人がわかれば教えてくれないか?」
〔ちょっと待ってください・・・わかりましたよ、園部大地です。〕
「園部大地?はじめて聞く名前だな。入社何年目くらいの社員なの?」
〔えーと、たしか6年目だったかと・・。〕
「わかった、ありがとう。」
入社6年目ということはまだ20代の後半で妻の希美よりも年下になる。本当に妻は今日園部という男に出張先で抱かれるのだろうか?さて、出張の相手が園部という若い男ということはわかったものの、この先の手を全く考えていなかった。
(何日も前から興信所に頼んで尾行をしてもらおうかと真剣に考えていたが、結局なにもしないままでいた。)いよいよ夜になり家で一人悶々とした時間をすごした。僕は何度も妻の携帯に電話をしようとしたが踏みとどまった。
ここで僕が電話をすれば、希美は警戒してしまうだろう。まずは証拠をつかむことが先決。そう自分自身に言い聞かせていた。しかし、不倫をしている妻の姿を想像すると、どうしようもなく身体がうずいてしまう。それを鎮めるように酒をあおるがなかなか酔うことも出来ない。悶々としたままその日は明け方まで深酒をしてそのままベッドで寝てしまった。
『ずいぶん昨日は一人で飲んだのね?』二日酔いのひどい頭痛の中、僕は妻の声で起こされた。時計を見てみるとまだ午前の10時だった。「あれ?まだ10時。早かったじゃない。」
『ええ、早く起きたから6時半発の新幹線で帰ってきたのよ。』
「一人でか?」
『そうよ。』
「会社の人は?」
『まだ新幹線の中じゃないかしら?』
(行きは園部という男性社員と一緒に行ったはずなのに、帰りはバラバラで帰ってくるなんて、やはり昨日の夜に何かあったのか?)
僕はひどい頭痛だったが頭の中を高速に回転させていろんなことを考えたが、結局答えを見つけることができず、本能の方が思考能力を上回っていた。僕はベッド脇に脱ぎ捨てた衣類を拾おうとした希美の手をつかむと、そのままベッドに引きずり込み、激しく唇を奪った。
2015/03/22
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