中6〖不倫の代償〗第1章5話
中6〖不倫の代償〗第1章5話
気が付くと、あたりは日もかげり時間は午後6時をまわっていました、私は急いで家へ帰りました。玄関を開けると、何時もより早い私の帰宅に気づいたのは義母でした。
〚隆弘さんお帰りなさい、早かったんですね。〛
「仕事の切も良かったので、早めに帰らせて貰いました。千遥(妻)はお風呂ですか?」
〚それがまだなのよ、日曜日で帰りの道路が込んでいるらしくて、電話がありました。〛
それを聞いた私は、初めて計り知れない怒りを覚えます。私の中では、今日の妻は日帰りの添乗の仕事ではないという前提の基に、遅れる理由を想像するのは容易い事でした。
「そうですか、お風呂先にいただきます。」
〚真奈ちゃんが入っているけど、隆弘さんご飯は?〛
「済ませました。」
そういい残して、リビングにも寄らず脱衣所へ向かいました。風呂場からは、娘の一人遊びの声が聞こえます、服を急いで脱いだ私は、努めて明るい笑顔を作り浴室のドアを開けました。「パパ!」娘は、不意の訪問者に諸手を上げて歓迎してくれます。思えば真奈と風呂に入ることなど暫く無かった様な気がしました。
湯船に浸かった私の膝に娘の真奈が腰掛けます、その時私は昼間の涙の意味を知りました。また涙が溢れ出て来ましたが、今度は嗚咽を伴い抑えることが出来ません。それを見た真奈か私を気遣い、一生懸命話しかけて来ます。
「パパ、今日ね、パパよりもっと悲しいことがあったよ…だからパパ泣かないで。」
私の耳にはそれ以上のことは聞こえませんでした、ただ娘を強く抱きしめる事しか出来ません。風呂場には暫くの間、嗚咽を堪える私の声、父親の悲しみを自分の悲しみのように泣きじゃくる幼い娘の声が響き渡っていました。
真奈を寝かしつけて、寝室に入ったのは20時ごろだったでしょう。妻の千遥はまだ帰って来ませんでした、多少冷静さを取り戻した私は、昼間買ったガラムを1本取り出し火をつけました。
机の上の灰皿を持ちベッドに腰掛けて、タバコを深く吸うと最近吸いなれないその味にむせ返りすぐに消してしまいました。独特の香りが立ち込める部屋に一人でいた私は、部屋の中を物色(ぶっしょく)し始めます。
何のためにそうするのか、何を探すのか解らないままその行動を続けます。しかし何時に妻が帰ってくるか解らない、階段の物音に聞き耳をたて、物の移動は最小限にし、クローゼットやベッドの飾り棚、考えられる場所全てに作業を行った。
だけど、1時間程の苦労も実らず、私の猜疑心を満足させるものは何も見つからなかった。心臓の高鳴りと、悶々とする気持ちを落ち着かせる為、ベッドに横になって暫くすると、誰かが階段を上がってくる足音がしました。多分妻の千遥であろうその音は、子供部屋の方へ進んで行った。
その時私は、先ほどの作業の形跡が残っていないか、部屋を見回していた、変化が有るとすれば灰皿の位置がベッドの上の20センチほどの出窓の上に変わっている位だ。程なくして、子供部屋のドアの閉まる音がし、寝室のドアが静かに開く。私の存在に気づいた妻は、目線を下に下ろしたまま後ろでに持ったドアノブを静かに引いた。
2015/03/25
気が付くと、あたりは日もかげり時間は午後6時をまわっていました、私は急いで家へ帰りました。玄関を開けると、何時もより早い私の帰宅に気づいたのは義母でした。
〚隆弘さんお帰りなさい、早かったんですね。〛
「仕事の切も良かったので、早めに帰らせて貰いました。千遥(妻)はお風呂ですか?」
〚それがまだなのよ、日曜日で帰りの道路が込んでいるらしくて、電話がありました。〛
それを聞いた私は、初めて計り知れない怒りを覚えます。私の中では、今日の妻は日帰りの添乗の仕事ではないという前提の基に、遅れる理由を想像するのは容易い事でした。
「そうですか、お風呂先にいただきます。」
〚真奈ちゃんが入っているけど、隆弘さんご飯は?〛
「済ませました。」
そういい残して、リビングにも寄らず脱衣所へ向かいました。風呂場からは、娘の一人遊びの声が聞こえます、服を急いで脱いだ私は、努めて明るい笑顔を作り浴室のドアを開けました。「パパ!」娘は、不意の訪問者に諸手を上げて歓迎してくれます。思えば真奈と風呂に入ることなど暫く無かった様な気がしました。
湯船に浸かった私の膝に娘の真奈が腰掛けます、その時私は昼間の涙の意味を知りました。また涙が溢れ出て来ましたが、今度は嗚咽を伴い抑えることが出来ません。それを見た真奈か私を気遣い、一生懸命話しかけて来ます。
「パパ、今日ね、パパよりもっと悲しいことがあったよ…だからパパ泣かないで。」
私の耳にはそれ以上のことは聞こえませんでした、ただ娘を強く抱きしめる事しか出来ません。風呂場には暫くの間、嗚咽を堪える私の声、父親の悲しみを自分の悲しみのように泣きじゃくる幼い娘の声が響き渡っていました。
真奈を寝かしつけて、寝室に入ったのは20時ごろだったでしょう。妻の千遥はまだ帰って来ませんでした、多少冷静さを取り戻した私は、昼間買ったガラムを1本取り出し火をつけました。
机の上の灰皿を持ちベッドに腰掛けて、タバコを深く吸うと最近吸いなれないその味にむせ返りすぐに消してしまいました。独特の香りが立ち込める部屋に一人でいた私は、部屋の中を物色(ぶっしょく)し始めます。
何のためにそうするのか、何を探すのか解らないままその行動を続けます。しかし何時に妻が帰ってくるか解らない、階段の物音に聞き耳をたて、物の移動は最小限にし、クローゼットやベッドの飾り棚、考えられる場所全てに作業を行った。
だけど、1時間程の苦労も実らず、私の猜疑心を満足させるものは何も見つからなかった。心臓の高鳴りと、悶々とする気持ちを落ち着かせる為、ベッドに横になって暫くすると、誰かが階段を上がってくる足音がしました。多分妻の千遥であろうその音は、子供部屋の方へ進んで行った。
その時私は、先ほどの作業の形跡が残っていないか、部屋を見回していた、変化が有るとすれば灰皿の位置がベッドの上の20センチほどの出窓の上に変わっている位だ。程なくして、子供部屋のドアの閉まる音がし、寝室のドアが静かに開く。私の存在に気づいた妻は、目線を下に下ろしたまま後ろでに持ったドアノブを静かに引いた。
2015/03/25
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