中10〚新しい夫婦の形〛1章第2話
中10〚新しい夫婦の形〛1章第2話
午後7時になると妻の希美(のぞみ)は帰ってきた。
『あら、今日は早かったのね。』
「ああ、営業先が近くだったから半日休暇を使って直帰したんだ。」
『ご飯まだなんでしょ?今から支度するから待っていて。』
妻はそういうといつもと同じように食事の支度をしてくれる。
「なあ、この前きみが出張した日っていつだった?」
『えっ、なに?急に?』
食事中におもむろに希美に聞いてみると、やはりこころなしか少し狼狽したような受け答えだった。(やっぱり何かある!)
「いや、別に、なんとなくいつだったろうかと思って・・・。」
『もう出張にはいかないつもり・・。』
「えっ、どうして?」
『わたしより若い子もだいぶ育ってきたし・・・わざわざ私が行かなくても・・。』
「きみのようなベテランの方が何かトラぶった時など対応が上手くいくんじゃ・・。」
『今まで一度も私の仕事のことを聞かなかったあなたが、どうしてそんなことを?』
「そ、そんなことはないけど・・。」
今度は逆にこっちの心を見透かされたようになり、この話はそこで終わりになる。
その晩、僕は久しぶりに希美を抱いた。何年ぶりなんだろう、こんなに興奮して激しく妻を抱いたのは。妻の身体は新婚の時と変わりなくとても綺麗だ。不倫をされた怒り以上にこみ上げてくるこの興奮する思いに違和感を覚えつつ、僕は妻の希美を抱きながら頭の中で(希美・・きみは本当に出張中に同僚に抱かれたのか?その時きみはどんな表情をしていたのだ?僕と交わるよりも激しく悶えたのか?どんな風に・・・。)繰り返していた。
希美が出張先で同僚と不倫をしたという話は、僕の心を激しくざわつかせたが結局その後は何も言い出すことができなかった。何度か妻に直接聞いてみようかと思ったが、そんなことを聞けば今まで二人で積み上げてきたものがいっきになくなってしまいそうで、とても直接聞くことなど出来なかった。
それでは周りの人間に確かめてみようと思い、それとなく本社の友人に電話もしてみたが、どんな風に聞き出したらよいのかわからないまま何日も経過していった。あの晩は妻と交わったが、その後はない。もともと希美はセックスが好きなタイプではない。僕と付き合う前に一人の男性と付き合ったがことがあったようだが、からだの関係はなかったらしい。
つまり僕が希美の最初の男性だった。そして最後の男性でもあると信じて疑わない。頭の中から妻の不倫が離れないまま数カ月が経過したある日、妻に出張の予定が入った。(よし、今度こそ決定的な証拠をつかんでやる)
「出張っていったいどこへ行くの?」
『新潟よ。』
「何泊なの?」
『一泊よ、今回はエキジビション(展示会)だから簡単に終わる予定。』
「そうなんだ、仕事は何時くらに終わるんだ?」
『なんか、今日はやけに私の出張のことを聞いてくるのね。』
「い、いや別に・・ほら、最近あまり話をしなくなったから・・。」
(妻の出張に関して勘ぐっているのがバレたか?とにかく証拠をつかむことを優先することにしよう、出張の話題はしばらく避けておこう。)僕はそれから先、出張に関する話は一切しないように努めた。
2015/03/18
午後7時になると妻の希美(のぞみ)は帰ってきた。
『あら、今日は早かったのね。』
「ああ、営業先が近くだったから半日休暇を使って直帰したんだ。」
『ご飯まだなんでしょ?今から支度するから待っていて。』
妻はそういうといつもと同じように食事の支度をしてくれる。
「なあ、この前きみが出張した日っていつだった?」
『えっ、なに?急に?』
食事中におもむろに希美に聞いてみると、やはりこころなしか少し狼狽したような受け答えだった。(やっぱり何かある!)
「いや、別に、なんとなくいつだったろうかと思って・・・。」
『もう出張にはいかないつもり・・。』
「えっ、どうして?」
『わたしより若い子もだいぶ育ってきたし・・・わざわざ私が行かなくても・・。』
「きみのようなベテランの方が何かトラぶった時など対応が上手くいくんじゃ・・。」
『今まで一度も私の仕事のことを聞かなかったあなたが、どうしてそんなことを?』
「そ、そんなことはないけど・・。」
今度は逆にこっちの心を見透かされたようになり、この話はそこで終わりになる。
その晩、僕は久しぶりに希美を抱いた。何年ぶりなんだろう、こんなに興奮して激しく妻を抱いたのは。妻の身体は新婚の時と変わりなくとても綺麗だ。不倫をされた怒り以上にこみ上げてくるこの興奮する思いに違和感を覚えつつ、僕は妻の希美を抱きながら頭の中で(希美・・きみは本当に出張中に同僚に抱かれたのか?その時きみはどんな表情をしていたのだ?僕と交わるよりも激しく悶えたのか?どんな風に・・・。)繰り返していた。
希美が出張先で同僚と不倫をしたという話は、僕の心を激しくざわつかせたが結局その後は何も言い出すことができなかった。何度か妻に直接聞いてみようかと思ったが、そんなことを聞けば今まで二人で積み上げてきたものがいっきになくなってしまいそうで、とても直接聞くことなど出来なかった。
それでは周りの人間に確かめてみようと思い、それとなく本社の友人に電話もしてみたが、どんな風に聞き出したらよいのかわからないまま何日も経過していった。あの晩は妻と交わったが、その後はない。もともと希美はセックスが好きなタイプではない。僕と付き合う前に一人の男性と付き合ったがことがあったようだが、からだの関係はなかったらしい。
つまり僕が希美の最初の男性だった。そして最後の男性でもあると信じて疑わない。頭の中から妻の不倫が離れないまま数カ月が経過したある日、妻に出張の予定が入った。(よし、今度こそ決定的な証拠をつかんでやる)
「出張っていったいどこへ行くの?」
『新潟よ。』
「何泊なの?」
『一泊よ、今回はエキジビション(展示会)だから簡単に終わる予定。』
「そうなんだ、仕事は何時くらに終わるんだ?」
『なんか、今日はやけに私の出張のことを聞いてくるのね。』
「い、いや別に・・ほら、最近あまり話をしなくなったから・・。」
(妻の出張に関して勘ぐっているのがバレたか?とにかく証拠をつかむことを優先することにしよう、出張の話題はしばらく避けておこう。)僕はそれから先、出張に関する話は一切しないように努めた。
2015/03/18
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