中14〖恋に恋した妻〗Part2
中14〖恋に恋した妻〗Part2
僕にとっての理想は、妻の咲希(さき)が浮気をして、それを僕が覗きみるという形です。しかし、それには第三者の協力が必要不可欠で、僕はそれを会社の“後輩”に頼むことにした。
後輩の河野哲平は27歳で、丁度咲希が退社するのと同時に入社してきた。新人のころから僕がずっと世話をしてきて、哲平も僕を慕ってくれている。彼は仕事に真面目な熱血漢と、大の女好きが同居した内面。あとそこそこのイケメンで女性経験も結構豊富らしい。
《咲希を抱いてほしい男の条件》で外せなかったのは、なにより僕が信用できる、という事だった。次点で咲希を楽しませてくれるって事だった。
プライベートでも二人でよく遊びに行くので、咲希には何度か『怪しいな?河野君と出来ているの?』と呆れた感じで言われたことがあるくらいなので、“親友”と言ってもいい。哲平を家に招いたことも何度かある。酒の席で、当然に冗談だが、〔咲希さんとデートさせてくださいよぉ。〕とか言ってたし、当の咲希も『河野君って絶対モテルんだろうね。』と言っていたから、お互いそれなりに好感は持っていると思った。
咲希に浮気をして欲しいけど本気になられてしまう心配は無かった。咲希がそんな女でないと確信しているから。というか浮気なんかをそもそもしないだろう。とこの時点で計画は失敗するだろうと薄々は気づいていた。でもそんな咲希だからこそ、他の男で喘ぐ姿を見たいと思った。
とにかく僕は哲平に頼んでみた。哲平は冗談だと思って軽口で返してきたが、やがて僕が本気だとわかると黙り込んだ。〔いや、なんか複雑ですね。〕そんな一言でその日は終わり。考える時間を与えて、あとは返事を待った。
一週間後、哲平はさんざん悩んだ挙句、OKをしてくれた。
〔でも、ぼくうまく出来るかどうか・・・。〕と少し自信なさげだ。
「ダメならダメでもいいよ。」
〔いえ、と言うか、なんかその、そういう意味じゃなくて・・・。〕
「どういう意味だ?」
〔あの、うまいこと調整っていうか・・・。〕
「ああ、咲希が本気になっちゃうかもってこと?」
〔まぁ、はい。〕
「危ないと思ったら僕が止めるよ。」
〔本当に良いんですか?〕
「ああ、子供が出来たらこんなの出来ないしな。今のうちにやれるなら、な。」
〔ぼく結構あっちの方は自信がありますよ?〕
「その意気で頼むよ。」
そんな軽口を叩きあって、哲平の口説きは始まる。《まぁどうせ無理だろ》っていう確信に近い予感と、とりあえず一回くらいは試しておこうっていうだけだった。
でも案の定ダメだった。口裏を合わせ、偽装工作をして、咲希と家で二人きりに(しかも酔った状態)したのに、咲希は哲平にぴくりともなびかず。結構本気でグイグイいったらしいのだが、まったく相手にされなかったようで、まさに暖簾に腕押し状態だったらしい。
〔おれ、女の人にこんな軽くあしらわれたの生まれて初めてです・・・。〕と哲平は凹んでいた。『河野君、旦那には内緒にしといてあげるから。そんなのダメだよ?』と咲希は怖い笑顔で言っていたらしい。
僕はその結果に落胆するも、やはり嬉しくもあり、同時に罪悪感を持つ。こんなに咲希に思われているのに、僕は何てことをしようと思っていたのだ、と。哲平の心が折れたこともあって、そこで一旦中止にした。
2015/04/08
僕にとっての理想は、妻の咲希(さき)が浮気をして、それを僕が覗きみるという形です。しかし、それには第三者の協力が必要不可欠で、僕はそれを会社の“後輩”に頼むことにした。
後輩の河野哲平は27歳で、丁度咲希が退社するのと同時に入社してきた。新人のころから僕がずっと世話をしてきて、哲平も僕を慕ってくれている。彼は仕事に真面目な熱血漢と、大の女好きが同居した内面。あとそこそこのイケメンで女性経験も結構豊富らしい。
《咲希を抱いてほしい男の条件》で外せなかったのは、なにより僕が信用できる、という事だった。次点で咲希を楽しませてくれるって事だった。
プライベートでも二人でよく遊びに行くので、咲希には何度か『怪しいな?河野君と出来ているの?』と呆れた感じで言われたことがあるくらいなので、“親友”と言ってもいい。哲平を家に招いたことも何度かある。酒の席で、当然に冗談だが、〔咲希さんとデートさせてくださいよぉ。〕とか言ってたし、当の咲希も『河野君って絶対モテルんだろうね。』と言っていたから、お互いそれなりに好感は持っていると思った。
咲希に浮気をして欲しいけど本気になられてしまう心配は無かった。咲希がそんな女でないと確信しているから。というか浮気なんかをそもそもしないだろう。とこの時点で計画は失敗するだろうと薄々は気づいていた。でもそんな咲希だからこそ、他の男で喘ぐ姿を見たいと思った。
とにかく僕は哲平に頼んでみた。哲平は冗談だと思って軽口で返してきたが、やがて僕が本気だとわかると黙り込んだ。〔いや、なんか複雑ですね。〕そんな一言でその日は終わり。考える時間を与えて、あとは返事を待った。
一週間後、哲平はさんざん悩んだ挙句、OKをしてくれた。
〔でも、ぼくうまく出来るかどうか・・・。〕と少し自信なさげだ。
「ダメならダメでもいいよ。」
〔いえ、と言うか、なんかその、そういう意味じゃなくて・・・。〕
「どういう意味だ?」
〔あの、うまいこと調整っていうか・・・。〕
「ああ、咲希が本気になっちゃうかもってこと?」
〔まぁ、はい。〕
「危ないと思ったら僕が止めるよ。」
〔本当に良いんですか?〕
「ああ、子供が出来たらこんなの出来ないしな。今のうちにやれるなら、な。」
〔ぼく結構あっちの方は自信がありますよ?〕
「その意気で頼むよ。」
そんな軽口を叩きあって、哲平の口説きは始まる。《まぁどうせ無理だろ》っていう確信に近い予感と、とりあえず一回くらいは試しておこうっていうだけだった。
でも案の定ダメだった。口裏を合わせ、偽装工作をして、咲希と家で二人きりに(しかも酔った状態)したのに、咲希は哲平にぴくりともなびかず。結構本気でグイグイいったらしいのだが、まったく相手にされなかったようで、まさに暖簾に腕押し状態だったらしい。
〔おれ、女の人にこんな軽くあしらわれたの生まれて初めてです・・・。〕と哲平は凹んでいた。『河野君、旦那には内緒にしといてあげるから。そんなのダメだよ?』と咲希は怖い笑顔で言っていたらしい。
僕はその結果に落胆するも、やはり嬉しくもあり、同時に罪悪感を持つ。こんなに咲希に思われているのに、僕は何てことをしようと思っていたのだ、と。哲平の心が折れたこともあって、そこで一旦中止にした。
2015/04/08
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