中23<気持ち>第7回
中23<気持ち>第7回
数日後の休日に買い物に行っている隙をみつけ、私(来栖正敏:くるす・まさとし43歳)は妻(来栖有紀:ゆき:39歳)の持ち物を調べてみました。しかし、パソコンのメール等にも疑わしいものを見つけられません。それからタンスの中にも普通のものしか有りません。もしも私が妻の立場で気付かれないように隠すとしたらどんなところだろうかと考え、あれこれ探してみましたが怪しいものは見つけられませんでした。
マンションのごく限られたスペースに、もう探すところはありません。そんなものは会社に置いてあったり、男の部屋にあるのかも知れないのに、なんだかこれでホットしてしまうから甘いのでしょうね。いや、私はこの期に及んでも逃げ腰なのでした。
私の言葉が効いているのか、有紀はこのところ多少帰りが遅くなる事もありますが、疑わしい行動は取っていません。男からの電話もなく妻から口止めをされているのだろうと推測しました。
月曜日の夜に帰ってきた妻が、『今週、三日ほど出張があるの。相手の都合で金曜日からなのよ。休日返上でいやになっちゃうわ。あなたには迷惑掛けるけど宜しくお願いします。』と告げてくる。今までも出張で家を空ける事がありましたが、週末3日間と言うのは初めてですし、例の件があった後なので何らかの行動を起こすのではないだろうかと疑いました。
「今回も一人かい?」
『えっ?そうよ。今までだって大抵一人よ。人数が増えると出張経費が掛かるじゃない。会社も甘くないわ。何人かで行けると気が楽なんだけどね。』
壊れかけた信頼を取り戻せるのか否か、一つの機会が訪れたと思いました。それで、私は費用が掛かっても興信所に頼むのがいいか、それとも休みを取って自分で調べるのかを迷います。しかし、金曜日に休みを取るのは立場上難しく、それに尾行などは素人が簡単には出来ない行動だろうと思う。
私は部屋にこもりインターネットで調べ、目途を立ててから興信所に依頼しようと決めたのでした。調べてみると色々出てくるものです。自分の住んでいる地域をクリックして、比較的に規模の大きそうなところに目をつけました。
火曜日、退社後に、さっそく興信所を訪問しました。初めての経験で緊張していたのですが、相談は個室が用意されていて、それで、次第にリラックス出来ましたが費用が想像通り高額なのでした。迷いましたが妻の出張期間だけにターゲットを絞り契約を済ませました。それでも交通費や宿泊費などでかなりの金額になります。
何だか不安が先立ち複雑な気分に陥りましたが、これ上の案も思いつきませんので仕方がありません。後は結果を待つだけです。出張当日の朝に私は何気に妻の服装に目を遣ると何時ものパンツスーツを着ています。それほど大きなバッグも持っていないので、何着も着替えは入っていなと思ったのでした。
「一旦、会社に行くのか?」
『ううん。直接行くわ。駅まで送ってくれると嬉しいなぁ。』
構内までは見送らないと私の性格を見抜いてなのでしょうか?それに目的地で落ち合えば何の問題もないのでしょう。
私は了解して車に妻を乗せ周りを注意深く観察すると、少し離れたところに極普通の車が駐車しています。興信所の人だろうか?走り始めると、向こうの車も動き出したので、確信したのです。私が興信所に頼んでいるので気付いたのですが、普通は分からないでしょう。(さすがにプロだな!)って感心したものです。その後、私の車を追跡する動きにも隙がありません。これなら、正確な情報を伝えてくれるだろうと期待したのでした。
2015/11/20
数日後の休日に買い物に行っている隙をみつけ、私(来栖正敏:くるす・まさとし43歳)は妻(来栖有紀:ゆき:39歳)の持ち物を調べてみました。しかし、パソコンのメール等にも疑わしいものを見つけられません。それからタンスの中にも普通のものしか有りません。もしも私が妻の立場で気付かれないように隠すとしたらどんなところだろうかと考え、あれこれ探してみましたが怪しいものは見つけられませんでした。
マンションのごく限られたスペースに、もう探すところはありません。そんなものは会社に置いてあったり、男の部屋にあるのかも知れないのに、なんだかこれでホットしてしまうから甘いのでしょうね。いや、私はこの期に及んでも逃げ腰なのでした。
私の言葉が効いているのか、有紀はこのところ多少帰りが遅くなる事もありますが、疑わしい行動は取っていません。男からの電話もなく妻から口止めをされているのだろうと推測しました。
月曜日の夜に帰ってきた妻が、『今週、三日ほど出張があるの。相手の都合で金曜日からなのよ。休日返上でいやになっちゃうわ。あなたには迷惑掛けるけど宜しくお願いします。』と告げてくる。今までも出張で家を空ける事がありましたが、週末3日間と言うのは初めてですし、例の件があった後なので何らかの行動を起こすのではないだろうかと疑いました。
「今回も一人かい?」
『えっ?そうよ。今までだって大抵一人よ。人数が増えると出張経費が掛かるじゃない。会社も甘くないわ。何人かで行けると気が楽なんだけどね。』
壊れかけた信頼を取り戻せるのか否か、一つの機会が訪れたと思いました。それで、私は費用が掛かっても興信所に頼むのがいいか、それとも休みを取って自分で調べるのかを迷います。しかし、金曜日に休みを取るのは立場上難しく、それに尾行などは素人が簡単には出来ない行動だろうと思う。
私は部屋にこもりインターネットで調べ、目途を立ててから興信所に依頼しようと決めたのでした。調べてみると色々出てくるものです。自分の住んでいる地域をクリックして、比較的に規模の大きそうなところに目をつけました。
火曜日、退社後に、さっそく興信所を訪問しました。初めての経験で緊張していたのですが、相談は個室が用意されていて、それで、次第にリラックス出来ましたが費用が想像通り高額なのでした。迷いましたが妻の出張期間だけにターゲットを絞り契約を済ませました。それでも交通費や宿泊費などでかなりの金額になります。
何だか不安が先立ち複雑な気分に陥りましたが、これ上の案も思いつきませんので仕方がありません。後は結果を待つだけです。出張当日の朝に私は何気に妻の服装に目を遣ると何時ものパンツスーツを着ています。それほど大きなバッグも持っていないので、何着も着替えは入っていなと思ったのでした。
「一旦、会社に行くのか?」
『ううん。直接行くわ。駅まで送ってくれると嬉しいなぁ。』
構内までは見送らないと私の性格を見抜いてなのでしょうか?それに目的地で落ち合えば何の問題もないのでしょう。
私は了解して車に妻を乗せ周りを注意深く観察すると、少し離れたところに極普通の車が駐車しています。興信所の人だろうか?走り始めると、向こうの車も動き出したので、確信したのです。私が興信所に頼んでいるので気付いたのですが、普通は分からないでしょう。(さすがにプロだな!)って感心したものです。その後、私の車を追跡する動きにも隙がありません。これなら、正確な情報を伝えてくれるだろうと期待したのでした。
2015/11/20
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