短Ⅲ6[寝取られの森へ迷う]第4回
短Ⅲ6[寝取られの森へ迷う]第4回
第3回
〚あはは・・ようやく言えたわ。〛と安井成海(なるみ:当時25歳)が無垢な笑顔を私に向けた。《杏奈はそんなに他の男に受けがいいのか・・・ならば、<寝取られ募集>をしたら大喜びで寝取り男達が群がるだろうな。》そんな妄想が頭の中に芽生える。
しばらくして、シャワーから妻(佐野杏奈:あんな:当時27歳)が戻ってくる。杏奈が『なんの話しをしてたの?』って訊いてきた。成海は〚先輩がモテ期になっていると旦那様にお知らせしていたところですよ。ねっ!〛と私にウィンクする。『もう~つまらないこと言わないの!』って妻はすごく慌てていた。
『ねぇ~ぽんこつが余計なこと言っていたでしょ?』
成海(AKB48の島崎遥香=はるか*ぱるるの愛称もある=に似ているので、会社でのあだ名が<ぽんこつ>のようだ)が帰ったあと、杏奈が笑いながら話しかけてきた。
「うん。たまにはディズニーランドに行って、夜はディズニーシーのホテルでワインでも飲んで、雰囲気のあるデートをしろってさ。」
私(佐野秀一:しゅういち:当時33歳)は成海の言葉を少しだけ誇張して、伝えた。すると『あははは』と、テーブルの上のコップが倒れるかと思うほど大きな笑い声をあげた杏奈は、『あー可笑しい。お腹痛い。』って涙も流して笑っている。
『あなたが、ディズニーリゾートへ行って、ミラコスタに泊まって、ワイン・・・あははは。』
私は下戸で、アルコールと名がつくものは一切飲めない。ウイスキーボンボンすら食べると頭が割れそうになるくらいだ。しかし、杏奈は決して強くはないものの、お酒は好きだ。でも私に遠慮して、家では飲んでいるところを見たことがない。
「ディズニーリゾートへ行って、ミラコスタに泊まって、ワインで乾杯って憧れないの?」
『憧れないよ。だって昔ディズニーランドに行った時もつまらなそうで、気の毒だったもん。トリパラ持ってマリノス観に行った方がいいでしょ?』
努めて、つまらなそうな貌を見せないようにしていたつもりが、全てお見通し。付き合うまで、サッカーのサの字も知らなかった杏奈がJリーグはもちろん海外サッカーまでチーム名を覚えてくれている。本当によく出来た嫁だ。
「いや俺じゃなくて、違う男、ディズニーが好きでお酒を飲める人とだったら、行ってみたい?」
『えっ!?』
いつも絶やさない笑みが、彼女から消え硬直したようにこちらを見続ける。その顔はいつも引き合いに出される柏木由紀より美しく、愛おしかった。ただ目の前の杏奈の顔の向こうに、ネットで<寝取られ募集>をする私の姿がはっきりした形で浮かんでいた。
第5回へ続く
2016/08/03
第3回
〚あはは・・ようやく言えたわ。〛と安井成海(なるみ:当時25歳)が無垢な笑顔を私に向けた。《杏奈はそんなに他の男に受けがいいのか・・・ならば、<寝取られ募集>をしたら大喜びで寝取り男達が群がるだろうな。》そんな妄想が頭の中に芽生える。
しばらくして、シャワーから妻(佐野杏奈:あんな:当時27歳)が戻ってくる。杏奈が『なんの話しをしてたの?』って訊いてきた。成海は〚先輩がモテ期になっていると旦那様にお知らせしていたところですよ。ねっ!〛と私にウィンクする。『もう~つまらないこと言わないの!』って妻はすごく慌てていた。
『ねぇ~ぽんこつが余計なこと言っていたでしょ?』
成海(AKB48の島崎遥香=はるか*ぱるるの愛称もある=に似ているので、会社でのあだ名が<ぽんこつ>のようだ)が帰ったあと、杏奈が笑いながら話しかけてきた。
「うん。たまにはディズニーランドに行って、夜はディズニーシーのホテルでワインでも飲んで、雰囲気のあるデートをしろってさ。」
私(佐野秀一:しゅういち:当時33歳)は成海の言葉を少しだけ誇張して、伝えた。すると『あははは』と、テーブルの上のコップが倒れるかと思うほど大きな笑い声をあげた杏奈は、『あー可笑しい。お腹痛い。』って涙も流して笑っている。
『あなたが、ディズニーリゾートへ行って、ミラコスタに泊まって、ワイン・・・あははは。』
私は下戸で、アルコールと名がつくものは一切飲めない。ウイスキーボンボンすら食べると頭が割れそうになるくらいだ。しかし、杏奈は決して強くはないものの、お酒は好きだ。でも私に遠慮して、家では飲んでいるところを見たことがない。
「ディズニーリゾートへ行って、ミラコスタに泊まって、ワインで乾杯って憧れないの?」
『憧れないよ。だって昔ディズニーランドに行った時もつまらなそうで、気の毒だったもん。トリパラ持ってマリノス観に行った方がいいでしょ?』
努めて、つまらなそうな貌を見せないようにしていたつもりが、全てお見通し。付き合うまで、サッカーのサの字も知らなかった杏奈がJリーグはもちろん海外サッカーまでチーム名を覚えてくれている。本当によく出来た嫁だ。
「いや俺じゃなくて、違う男、ディズニーが好きでお酒を飲める人とだったら、行ってみたい?」
『えっ!?』
いつも絶やさない笑みが、彼女から消え硬直したようにこちらを見続ける。その顔はいつも引き合いに出される柏木由紀より美しく、愛おしかった。ただ目の前の杏奈の顔の向こうに、ネットで<寝取られ募集>をする私の姿がはっきりした形で浮かんでいた。
第5回へ続く
2016/08/03
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