長Z《期待した妻の変貌が》第9話
長Z《期待した妻の変貌が》第9話
待ち合わせは先日と同じ居酒屋でした。《ここから始まったんだよな》・・・そんなことを思いながら店の暖簾(のれん)をくぐると、橋本さん夫婦がにこやかに待っていました。「・・・この間はどうも・・・。」私(田澤信宏:たざわ・のぶひろ:40才)は相変わらず間抜けな挨拶です。
〔良かった。ケンカとかはしてないみたいですね。〕と橋本徹(はしもと・とおる:46才)さん。〚まずは乾杯しましょ? ビールでいい?〛って橋本奈美(はしもと・なみ:44才)さん。何にかわからない乾杯? をした後で〔正直心配していたんですよ。やっぱり気まずくなったりすることもあるから。でも僕らはまたこうして飲んだりしたいねって話していたから。あ、迷惑とかだったらお互い遠慮しないで言いましょうね。〕と言われました。「いや~・・迷惑とかはないですよ本当に。でもやっぱり照れますよね・・。」
当たり前ですが、普段と変わらない橋本さんと奈美さんを前に、私も妻(田澤麻里子:たざわ・まりこ:35才)も身の置き場がないと言うか、目線をどこに合わせたらいいのかわからず・・・奈美さんから〚変に意識するのはやめましょうよね。〛って言われても・・・・。
それでもザワついた店内とアルコールが私達の緊張も解してくれたみたいです。対面で私は橋本さんと、麻里子は奈美さんともっぱら話す内に、徐々にその場にくつろげる様になりました。お互いが気になって前回のことを口に出せない私達を気遣ってなのかと思っていましたが、橋本さん夫婦はそれはそれ、と割り切っているのか、仕事やゴルフ、橋本Vやドラマの話で盛り上がっています。
私自身、数杯目を飲みながら先日のことが夢だったかの様に思い始めながらも奈美さんの髪や足をチラチラと見てしまいました。酔っていたのでしょう。奈美さんのストッキングは流行? 模様がちりばめられたストッキングで、普通のストッキングしか履かない麻里子と違いどうしても目が引き寄せられました。奈美さんは視線に気付くと、麻里子がメニューを見ている間にニコッと悪戯っぽく私に微笑みかけ、足を組み直します。無意識に・・・下半身に血液が集まる様な感覚でした・・・。
〔・・・今日はどうします?〕そう橋本徹さんに切り出され、ドキッとしました。横目で見ると麻里子は、メニューを見つめたきり固まって動きません。橋本さんの言葉は聞こえているはずでしたが、その表情からはイエスともノーとも読み取れませんでした。臆病な私はここでも麻里子に決定権を委ねてしまいます。「・・・どうする・・?」『・・・・どうって?・・・・。』妻の口調は少し強張っていました。
ここでイエスと言うことは、前回と異なり、店を出た後の行為を意味しますから。(・・・正直に書きます・・・)この時私の頭の半分は、さっき目にした奈美さんの足が浮かんでいました。「・・それじゃ出ましょうか・・。」と麻里子を視界に入れながらそう言ってしまいます。
〔出ましょう。〕と橋本さんが伝票を手に立ち上がります。私は慌てて追いかけ、今回こそはと割り勘で支払いました。こんな時でも男って、そういうものですね。歩きながら〔・・・部屋はどうします?〕と訊かれます。短い言葉でも通じるものですよね。前回奈美さんと成功? した私ですが、この時でも最初の時のトラウマを引きずっていました。
目の前で妻の麻里子が抱き合う姿を見たらまた勃たなくなるんじゃないか・・・いや、それよりも奈美さんとの行為に惹かれる私を見られたくなかったのか・・・・歩きながら歩調を緩め、麻里子と並びました。「・・・いいの・・?」『・・のぶちゃんは・・・?』お互いがお互いに、理由を相手に求めます。「・・・そうだね・・・一緒の部屋は・・・。」『うん・・・私もその方が・・のぶちゃんの前では・・・。』こうして二度目の別室プレイ? となりました。 第10話へ続く
2016/12/27
待ち合わせは先日と同じ居酒屋でした。《ここから始まったんだよな》・・・そんなことを思いながら店の暖簾(のれん)をくぐると、橋本さん夫婦がにこやかに待っていました。「・・・この間はどうも・・・。」私(田澤信宏:たざわ・のぶひろ:40才)は相変わらず間抜けな挨拶です。
〔良かった。ケンカとかはしてないみたいですね。〕と橋本徹(はしもと・とおる:46才)さん。〚まずは乾杯しましょ? ビールでいい?〛って橋本奈美(はしもと・なみ:44才)さん。何にかわからない乾杯? をした後で〔正直心配していたんですよ。やっぱり気まずくなったりすることもあるから。でも僕らはまたこうして飲んだりしたいねって話していたから。あ、迷惑とかだったらお互い遠慮しないで言いましょうね。〕と言われました。「いや~・・迷惑とかはないですよ本当に。でもやっぱり照れますよね・・。」
当たり前ですが、普段と変わらない橋本さんと奈美さんを前に、私も妻(田澤麻里子:たざわ・まりこ:35才)も身の置き場がないと言うか、目線をどこに合わせたらいいのかわからず・・・奈美さんから〚変に意識するのはやめましょうよね。〛って言われても・・・・。
それでもザワついた店内とアルコールが私達の緊張も解してくれたみたいです。対面で私は橋本さんと、麻里子は奈美さんともっぱら話す内に、徐々にその場にくつろげる様になりました。お互いが気になって前回のことを口に出せない私達を気遣ってなのかと思っていましたが、橋本さん夫婦はそれはそれ、と割り切っているのか、仕事やゴルフ、橋本Vやドラマの話で盛り上がっています。
私自身、数杯目を飲みながら先日のことが夢だったかの様に思い始めながらも奈美さんの髪や足をチラチラと見てしまいました。酔っていたのでしょう。奈美さんのストッキングは流行? 模様がちりばめられたストッキングで、普通のストッキングしか履かない麻里子と違いどうしても目が引き寄せられました。奈美さんは視線に気付くと、麻里子がメニューを見ている間にニコッと悪戯っぽく私に微笑みかけ、足を組み直します。無意識に・・・下半身に血液が集まる様な感覚でした・・・。
〔・・・今日はどうします?〕そう橋本徹さんに切り出され、ドキッとしました。横目で見ると麻里子は、メニューを見つめたきり固まって動きません。橋本さんの言葉は聞こえているはずでしたが、その表情からはイエスともノーとも読み取れませんでした。臆病な私はここでも麻里子に決定権を委ねてしまいます。「・・・どうする・・?」『・・・・どうって?・・・・。』妻の口調は少し強張っていました。
ここでイエスと言うことは、前回と異なり、店を出た後の行為を意味しますから。(・・・正直に書きます・・・)この時私の頭の半分は、さっき目にした奈美さんの足が浮かんでいました。「・・それじゃ出ましょうか・・。」と麻里子を視界に入れながらそう言ってしまいます。
〔出ましょう。〕と橋本さんが伝票を手に立ち上がります。私は慌てて追いかけ、今回こそはと割り勘で支払いました。こんな時でも男って、そういうものですね。歩きながら〔・・・部屋はどうします?〕と訊かれます。短い言葉でも通じるものですよね。前回奈美さんと成功? した私ですが、この時でも最初の時のトラウマを引きずっていました。
目の前で妻の麻里子が抱き合う姿を見たらまた勃たなくなるんじゃないか・・・いや、それよりも奈美さんとの行為に惹かれる私を見られたくなかったのか・・・・歩きながら歩調を緩め、麻里子と並びました。「・・・いいの・・?」『・・のぶちゃんは・・・?』お互いがお互いに、理由を相手に求めます。「・・・そうだね・・・一緒の部屋は・・・。」『うん・・・私もその方が・・のぶちゃんの前では・・・。』こうして二度目の別室プレイ? となりました。 第10話へ続く
2016/12/27
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