名P〖彼女の恋(修正版)〗その2
名P〖彼女の恋(修正版)〗その2
その1
その後、飲み続けていると村瀬健次(むらせ・けんじ:23歳)が酔っ払いへと変身します。大きな声で笑いながら〔先輩、トイレ行って来ますわぁ。〕と席をたちました。僕(周防久志:すおう・ひさし:25歳)はチャンスとばかり今野奈々(こんの・なな:22歳)の方に目をやると、彼女の隣の娘も席を空けていて、奈々がこっちを見ていたのです・・。
目が合った奈々は声を出さず、口の動きだけで『元気?』って訊いてきました。僕は小さく笑って、大きく頷きます。そんな僕を見て、クスッと笑う奈々の笑顔はあの頃からなんにもかわらず可愛くて、僕の心臓はギュッとなりました。お互い目が合うと少し照れてしまい、手の中のグラスやトイレに行った健次の方に目をやり、なんだかドキドキと落ち着かない時間が過ぎていく。
ガヤガヤウルサかった店内も気になりません。《なかなか帰って来ないなぁ》と後輩の健次を気にしていると、トイレのすぐ脇のスペースで誰かと楽しそうに話している健次を見つけました。《あいつ、何やってんだよぉ・・?》奈々が気になって仕方ない僕は健次が早く帰って来てくれるのを待っていたのです。《誰と話しているのだろうか?》と気になって見てみると、奈々の連れの女の子でした。
〔先輩、彼女たちと一緒に飲みましょうよぉ。〕と酔っ払った健次は満面の笑みで奈々の連れの女の子と一緒に帰って来ます。「おぃおぃ、大丈夫かぁ・・。すみません後輩がご迷惑を・・(汗)。」って謝る僕に彼女は〚全然大丈夫ですよぉ。この後輩さんはおもしろい人ですねぇ。もし、よかったらご一緒しませんか?〛って彼女の方からも言って来たのです。
僕達はこの成り行きで、4人で飲むことになった。僕と健次はビール片手に席を移動し、奈々達の席へ行きました。奈々とその友達の住谷杏奈(すみたに・あんな:22歳)ちゃんは〚いらっしゃ~い。〛って迎えてくれ、4人で乾杯をし、まるで昔からの友人のように楽しく飲んだのです。
その日、僕らはすっかり意気投合し、帰る時になっても、ノリノリの健次の提案だったが、杏奈が〚また一緒に飲みましょう。〛ってことになった。その時、テーブルの下で奈々が僕の手をちょんっとつついてきたので、奈々の方を見るとあの優しい笑顔が僕をまっすぐに見ていたのです。
終電の時間がせまり、4人がそれぞれ電話番号交換をしてお開きになりました。駅まで4人で歩きます。健次と杏奈ちゃんが大きな声で話している。対照的に僕と奈々は静かに話します。
「元気そうだね。」
『久志くんも。』
「奈々があんなに飲めるようになってるとはねぇ。」
『わたし、もう大人の女ですからぁ。』
「僕から見たら、まだまだ可愛い女の子だけどなぁ。」
『それはそれはありがとうごいますぅ。』
二人は、こんな会話で笑い合います。
「また会いたいな。」
『わたしも。』
奈々が目を細めてその日一番の笑顔を見せました。前を歩く健次たちを気にしながら、僕と奈々はどちらともなく手をつなぎ、駅まで歩きました。あの頃に戻ったように感じ、幸せな気持ちのまま僕は家路についたのです。 その3に
2017/09/28
その1
その後、飲み続けていると村瀬健次(むらせ・けんじ:23歳)が酔っ払いへと変身します。大きな声で笑いながら〔先輩、トイレ行って来ますわぁ。〕と席をたちました。僕(周防久志:すおう・ひさし:25歳)はチャンスとばかり今野奈々(こんの・なな:22歳)の方に目をやると、彼女の隣の娘も席を空けていて、奈々がこっちを見ていたのです・・。
目が合った奈々は声を出さず、口の動きだけで『元気?』って訊いてきました。僕は小さく笑って、大きく頷きます。そんな僕を見て、クスッと笑う奈々の笑顔はあの頃からなんにもかわらず可愛くて、僕の心臓はギュッとなりました。お互い目が合うと少し照れてしまい、手の中のグラスやトイレに行った健次の方に目をやり、なんだかドキドキと落ち着かない時間が過ぎていく。
ガヤガヤウルサかった店内も気になりません。《なかなか帰って来ないなぁ》と後輩の健次を気にしていると、トイレのすぐ脇のスペースで誰かと楽しそうに話している健次を見つけました。《あいつ、何やってんだよぉ・・?》奈々が気になって仕方ない僕は健次が早く帰って来てくれるのを待っていたのです。《誰と話しているのだろうか?》と気になって見てみると、奈々の連れの女の子でした。
〔先輩、彼女たちと一緒に飲みましょうよぉ。〕と酔っ払った健次は満面の笑みで奈々の連れの女の子と一緒に帰って来ます。「おぃおぃ、大丈夫かぁ・・。すみません後輩がご迷惑を・・(汗)。」って謝る僕に彼女は〚全然大丈夫ですよぉ。この後輩さんはおもしろい人ですねぇ。もし、よかったらご一緒しませんか?〛って彼女の方からも言って来たのです。
僕達はこの成り行きで、4人で飲むことになった。僕と健次はビール片手に席を移動し、奈々達の席へ行きました。奈々とその友達の住谷杏奈(すみたに・あんな:22歳)ちゃんは〚いらっしゃ~い。〛って迎えてくれ、4人で乾杯をし、まるで昔からの友人のように楽しく飲んだのです。
その日、僕らはすっかり意気投合し、帰る時になっても、ノリノリの健次の提案だったが、杏奈が〚また一緒に飲みましょう。〛ってことになった。その時、テーブルの下で奈々が僕の手をちょんっとつついてきたので、奈々の方を見るとあの優しい笑顔が僕をまっすぐに見ていたのです。
終電の時間がせまり、4人がそれぞれ電話番号交換をしてお開きになりました。駅まで4人で歩きます。健次と杏奈ちゃんが大きな声で話している。対照的に僕と奈々は静かに話します。
「元気そうだね。」
『久志くんも。』
「奈々があんなに飲めるようになってるとはねぇ。」
『わたし、もう大人の女ですからぁ。』
「僕から見たら、まだまだ可愛い女の子だけどなぁ。」
『それはそれはありがとうごいますぅ。』
二人は、こんな会話で笑い合います。
「また会いたいな。」
『わたしも。』
奈々が目を細めてその日一番の笑顔を見せました。前を歩く健次たちを気にしながら、僕と奈々はどちらともなく手をつなぎ、駅まで歩きました。あの頃に戻ったように感じ、幸せな気持ちのまま僕は家路についたのです。 その3に
2017/09/28
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