名P〖彼女の恋(修正版)〗その20
名P〖彼女の恋(修正版)〗その20
その19 2018/12/17
僕(周防久志:すおう・ひさし:25歳)を見つけるなり、今野奈々(こんの・なな:22歳)は驚きの目を見開き、毛布の中に素早く潜り込んでしまいました・・・。その瞬間の奈々の表情を・・・僕は忘れられません・・・・。
『やだ・・やだ・・やだっ、なんで久志くんが・・ごめんなさい・・・。ごめんなさい・・・。』
何度も何度も謝りながら、奈々は泣いていました。
僕は毛布の上から彼女を抱きしめて、「話しをしたくて来たんだ。奈々と話したくて・・・。顔が見たくて・・・・・・。」それで、しばらく暴れていた奈々は疲れたのか大人しくなりますが、毛布の中で号泣しています。
『・・うぅ・・久志くんに捨てられちゃうもん・・・・・。あんなこと・・捨てられちゃ・・うぅぅ・・・また・・・捨てられる・・もん・・・。』
僕は心が痛くなり、奈々を力いっぱい抱きしめました・・・。奈々を隠している毛布を僕は引っ張り、奈々の頭から外します。さらに髪の毛がグシャグシャになった奈々が、涙をボロボロこぼしながらそこにいました・・・。
こんな時に・・と思われますが、なぜか可愛く見える奈々を見て僕は気づいたのです。《やっぱり、奈々が好きだ。あきらめられない・・・。》泣いている奈々を抱きしめて、必死になって謝る奈々の顔を見たら知らずに涙が出てきました。
僕は奈々を抱きしめながら、できるだけ優しく髪を撫でます。どのくらいそうしていたでしょうか・・最初こそ、逃げようとしていた奈々も僕の腕の中でおとなしくなり、僕の背中に手を回し、2人静かに抱き合っていました。
住谷杏奈(すみたに・あんな:22歳)ちゃんと村瀬健次(むらせ・けんじ:23歳)は奈々が心配らしく、僕達2人を部屋の入口で見守っていましたが、奈々がおとなしくなったのを見届けたからか隣りの部屋に移動します。それから、しばらく無言で奈々の髪を撫でていると、背中に回された奈々の手に力が入り、小さな声で謝りました。
『・・・・・・久志くん、ごめんね・・・。』
「もう謝らなくていいよ・・・。」
『・・・久志くんに嫌われたく無い・・・・・・本当に、ごめんなさい・・・。』
「僕は嫌いに・・・なんかならないよ。」
いろいろわからないこと、聞きたいこと、知りたいこと、いっぱいありましたが・・・変な話かもですが、僕の腕のなかで小さな小鳥のように震える奈々が僕にしがみついている事実が、僕にとって満足なものでした・・・。結局、僕も奈々に嫌われたく無かったのです。 その21に続く
2018/12/18
その19 2018/12/17
僕(周防久志:すおう・ひさし:25歳)を見つけるなり、今野奈々(こんの・なな:22歳)は驚きの目を見開き、毛布の中に素早く潜り込んでしまいました・・・。その瞬間の奈々の表情を・・・僕は忘れられません・・・・。
『やだ・・やだ・・やだっ、なんで久志くんが・・ごめんなさい・・・。ごめんなさい・・・。』
何度も何度も謝りながら、奈々は泣いていました。
僕は毛布の上から彼女を抱きしめて、「話しをしたくて来たんだ。奈々と話したくて・・・。顔が見たくて・・・・・・。」それで、しばらく暴れていた奈々は疲れたのか大人しくなりますが、毛布の中で号泣しています。
『・・うぅ・・久志くんに捨てられちゃうもん・・・・・。あんなこと・・捨てられちゃ・・うぅぅ・・・また・・・捨てられる・・もん・・・。』
僕は心が痛くなり、奈々を力いっぱい抱きしめました・・・。奈々を隠している毛布を僕は引っ張り、奈々の頭から外します。さらに髪の毛がグシャグシャになった奈々が、涙をボロボロこぼしながらそこにいました・・・。
こんな時に・・と思われますが、なぜか可愛く見える奈々を見て僕は気づいたのです。《やっぱり、奈々が好きだ。あきらめられない・・・。》泣いている奈々を抱きしめて、必死になって謝る奈々の顔を見たら知らずに涙が出てきました。
僕は奈々を抱きしめながら、できるだけ優しく髪を撫でます。どのくらいそうしていたでしょうか・・最初こそ、逃げようとしていた奈々も僕の腕の中でおとなしくなり、僕の背中に手を回し、2人静かに抱き合っていました。
住谷杏奈(すみたに・あんな:22歳)ちゃんと村瀬健次(むらせ・けんじ:23歳)は奈々が心配らしく、僕達2人を部屋の入口で見守っていましたが、奈々がおとなしくなったのを見届けたからか隣りの部屋に移動します。それから、しばらく無言で奈々の髪を撫でていると、背中に回された奈々の手に力が入り、小さな声で謝りました。
『・・・・・・久志くん、ごめんね・・・。』
「もう謝らなくていいよ・・・。」
『・・・久志くんに嫌われたく無い・・・・・・本当に、ごめんなさい・・・。』
「僕は嫌いに・・・なんかならないよ。」
いろいろわからないこと、聞きたいこと、知りたいこと、いっぱいありましたが・・・変な話かもですが、僕の腕のなかで小さな小鳥のように震える奈々が僕にしがみついている事実が、僕にとって満足なものでした・・・。結局、僕も奈々に嫌われたく無かったのです。 その21に続く
2018/12/18
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