名P〖彼女の恋(修正版)〗その22
名P〖彼女の恋(修正版)〗その22
その21 2018/12/26
僕(周防久志:すおう・ひさし:25歳)は途中だった料理を仕上げて二人で食べました。『美味しい。』って笑顔で言ってくれるのが嬉しくて、僕も笑顔になります。その夜、今野奈々(こんの・なな:22歳)をベッドで抱きしめ背中をトントンしてあげながら静かに二人とも寝ました。
朝、目が覚めると奈々が僕の顔を覗き込んでいます。『おはよ・・・クス。』って、寝起きにあの優しい笑顔があるなんて・・・。「・・・眼鏡・・かけていたっけ?」と僕の朝第一声は質問からでした。奈々は黒縁のあまりシャレっ気のない眼鏡をかけています。付き合っていた昔も、再会してからも眼鏡姿なんて見たことはありませんでした。
『朝だけね・・・。クス・・久志くんの寝顔よく見たいから・・・。』
「・・・なんか、頭良さそうに見えるよ・・・。」
『ほんとにぃ・・じゃあ、久志くんの前ではいつもかけようかなぁ・・クス。』
「さっきからなに笑ってんの? 僕の寝起き顔ヘン?」
『・・・違うょ・・・。クスクス・・なんか、目を覚ました時に久志くんが居たから、嬉しくなって、
寝顔を見ていたら・・・。クスクス・・子供みたいだもん・・・。』
「・・・子供って・・・。まぁ、笑顔が見られて良かったよ。」
伸びをする僕に・・・チュッ・・・。奈々がキスをします。驚く僕に奈々がいつもの笑顔で、『久志くん、大好きだよ。』って、ハッキリとした声で告白されました。[お茶飲む?』そう言って立とうとする奈々の腕をつかんで、「僕も、奈々が大好きだよ。」と奈々にキスをします。
「・・・僕ともう一度付き合って下さい。」
『・・・はぃ・・・。』
その朝、僕と奈々は元カレと元カノから、恋人に戻ったのでした。前日の泣きじゃくって
いた奈々はもういません。ただ泣き過ぎて目は腫れ、鼻は擦りすぎて赤みが取れず、決して綺麗とは言えないけど、嬉しそうに笑う奈々は僕(周防久志:ひさし)の心を穏やかにしてくれました。
僕もいろいろ聞きたいこと、知りたいことがあります。しかし、泣きじゃくっていた奈々を思い出し、嬉しそうに笑う彼女を見ると言葉が出ず、質問は飲み込みました。その日は1日中二人で奈々の部屋で過ごします。それで出逢った頃の話しや再会した時のお互いの感情や状況、離れていた2年間の話しをとめどなくしました。二人の空白の時間をを小さなピースを紡いで埋めようとしていたのだと思います。でも、熊野についてはお互い意識して回避していたので空白のパズルは完成することはありませんでした。 その22に続く 2019/01/21
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