中Ⅲ3「好きで好きでたまらない」その1話
中Ⅲ3「好きで好きでたまらない」その1話
(原題:最愛の妻 投稿者:ひーさん 投稿日:20100731)
僕(谷口和樹:たにぐち・かずき)と妻(谷口夏織:たにぐち・かおり)は同い年で今年28歳になりますが子供はまだいません。小、中と同級生だった当時僕はずっと夏織の事が好きで好きでたまりませんでした。やさしく清楚で可愛く成績も良かった彼女は僕にとって別世界の人だったのです。大人になっても忘れる事ができずにいたのですが、25歳の時偶然の再会を果たし話して見ると、なんと彼女も僕と同じ気持ちだったのでした。
僕達は結婚する前から僕が住んでいたマンションに住んでいます。隣の住人は、58歳の無職の独身の男(稲川貞美:いながわ・さだみ)がすんでいました。僕がマンションを買った時からの知り合いですが、初対面の時から衝撃的で、引っ越しの挨拶に行くと、〔にーちゃん、これあげるわ。〕と五枚のエロDVDをくれます。
僕はびっくりしましたが、人懐っこいおじさんの態度に警戒せず、おじさんと顔を合わせる度に足を止め話す仲になりました。ある日1Fでおじさんとあった時に〔にーちゃん遊びにおいでよ〕と声をかけられます。結構熱心に誘われたので、お邪魔することにしました。部屋にあがると、そこはエロ屋敷。DVDの山、エロ本などびっしりとあります。僕は呆れながらも、おじさんのエロ話を聞き、酒を飲み、笑い、最後は新作のDVDが入ったら貸してくれるというので携帯のアドレスまで交換しました。
そして結婚して夏織がマンションにやって来ます。おじさんには結婚の事とかは話してなかったので、最愛の新妻をエロオヤジに会わせるのは、いやだったのですが、どうせすぐ分かるだろうと、とりあえず挨拶に行きました。〔えー! カズくん結婚したの? すごいな! おめでとう! 奥さんよろしくね~〕と、とても驚いた様子です。
夏織も緊張ぎみの笑顔で『よろしくお願いします。』って挨拶。あまり妻とおじさんが同じ空気を吸って欲しくなかったので、早々に話を切り上げ部屋に戻りました。部屋に戻ると、夏織にはおじさんの事を全然話したことがなかったので、「あの人は変なおじさんだから、あんまり関わらない方がいいよ。」と言いました。
しかし真面目で優しい妻は、『お隣を悪く言うのは悪いと思うよ。』って真面目な顔で言い返します。僕は思わず、反論しそうになりましたが、ぐっとこらえました。《まあ夏織とおじさんは関係ないのでどうでもいいかな。》と思ったのです。
夏織もマンションに来て一週間ぐらいたったので、土地に少しなれていて、1人で近くのスーパーまで、買い物にいきました。それで僕は一人で部屋にいると、メールが来ます。おじさんからでした。〔いい女でびっくりした。カズくんがうらやましいよ。〕と、なぜかその時、僕は猛烈な怒りを感じたのです。 その2話へつづく
20190612
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