中Ⅲ3「好きで好きでたまらない」その8話
中Ⅲ3「好きで好きでたまらない」その8話
その7話 20191106
メールが終わると、罪悪感と興奮でブルブル震えてしまいました。僕(谷口和樹:たにぐち・かずき:28歳)は土曜日に稲川(貞美:いながわ・さだみ:58歳)に僕の性癖を教えるつもりなのです。稲川が妻(谷口夏織:たにぐち・かおり:28歳)に僕が誘った事を話すんじゃないかと不安になりますが、何事もなく土曜日を迎えることになるのでした。
そして当日の土曜日、仕事だった僕は、直接待ち合わせの店にいきます。稲川は時間どおりにきました。
〔今日はいっぱい飲むで~ 大丈夫なんか?〕
「大丈夫ですよ。楽しくやりましょう。」
いよいよ二人だけの飲み会が始まります。稲川は酒好きでかなり強い方。酒が入った稲川は陽気に下品な下ネタを連発してきました。二時間ぐらいたったころに僕はこう切り出します。
「まだ夏織をオナニーネタにつかってるんてすか?」
すると稲川はうれしそうに答えました。
〔毎日お世話になりよるよ~ 夏織さんは最高やわ。〕
「あはは夏織のどこがそんなにいいんですか?」
〔どこがって、美人で可愛くて、声もいいし、どことなく古風で、おしとやかで、やさしそうで、大和撫子やね、最近じゃめずらしいわ!〕
「あははべた褒めですね。」
稲川はちょっと考えこんだ仕草をみせて腕をくみ、真面目な顔で言います。
〔マゾやろ?〕
「は?」
〔夏織さんは、ドMやな。〕
「普通ですよ。ああ見えて芯は強いとこもあるんですよ。」
稲川は大袈裟に疑う顔を作りました。
〔カズくんが知らんだけじゃないのぉ? あはははは・・で、ほんとはマゾなんやろ?〕
酔っていた僕はパニクって思わず言ってしまいます。
「知りませんよ! そんなの稲川さんが確かめればいいじゃないですか。」
稲川はしばらくキョトンとしていましたが、急に目が鋭くなりました。
〔やっていいの? ほんとにカズくん?〕
酔いと興奮のせいか、僕の心臓はバックン、バックン!
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20191211
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