長A〖異端な夫婦〗その15話
その14話 20190915
「君(水原美織:みずはら・みおり:32歳)、昔は“生”でしてたの?」
『う~ん? 大概はコンドームをしていたわ。生でいつもするのはあなただけよ。』
「10年ぶりだから、“生”でやらせてやれよ。」
と私(水原誠司:みずはら・せいじ:34歳)は嫉妬心をひた隠しにして言った。
『いいの? なら、そうする。そんなこと考えてなかったわ。』
「でも、このことは宮園(真一:みやぞの・しんいち:35歳)には言うなよ。いつでも安心して出来ると思われると、しゃくだからな。」
『ハハハハ。そこに拘(こだわ)るの変なの?』
「それから君、途中で連絡を入れろよ。」
『えッ? 途中? 途中って何よ?』
「途中っていうのは。『今、なめてもらっています。』とか、『あッ! 今ペニスが入ってきました。』とかのことさ。」
『ハハハハ。本当馬鹿ね。そんなこと出来る訳ないじゃん。あなたはおとなしく待っていて。』
そして、妻の美織は待ち合わせの一時間前に家を出ます。そして、私はひとり、部屋に取り
残された。
《さて、これから何をして時間をつぶそうか?》と考えあぐねます。妻の帰る時間は、宮園次第。とはいえ、案外なにも起こらないでますっぐに帰って来るかも知れないそう思っていた。すると突然にスマホが鳴ります。それは妻からのメールで『今、電車の中です。』これだけでした。私は「そんな報告は結構ですから。」と送り返します。
美織の気遣いでした。それはお茶目な妻の一面です。美織からのメールは、それっきりでしたが、私は想像していました。待ち合わせは午後2時。今頃、10年ぶりに会った頃か。まずはお茶だろう。そのあとは?食事?か。でも。、ちょっとした店は5時開店だしなあ。会って3時間もお茶するか?
午後5時から食事をしたとして。2時間?7時になるなあ。それからホテルなら。まてよ。宮園は家庭持ちだから、土曜の休みの日に、そんなにも家を空けられるのか?テレビを点けても画面を見ているだけ。内容はまるで頭に入らない。
私は家を出る事にした。地元の小さな商店街をあてもなく歩きます。《そうだ。朝から何も食べてないな。》と、でも、大して食べたいとも思わない。《パチンコでもするか。》いや。美織から電話がくるかも知れない。街中をただ、うろうろするだけにしよう。でも何ともやり切れなかった。《この性癖のために・・妻を元彼に・・興奮よりも今は後悔と嫉妬だ。》
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20200109
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