長A〖異端な夫婦〗その9話
その8話 20190726
私(水原誠司:みずはら・せいじ:34歳)は喫茶店のドアを開けました。店の一番奥のテーブルに妻(水原美織:みずはら・みおり:32歳)の姿があります。私はコートを脱ぎ、それを抱えたまま、美織のそばに座りました。向かい合わせだと、声が大きくなると、咄嗟の判断です。
『あッ! びっクリした! えっ? なんで向こうに座らないの?』うつむいていた妻は、突然横に座った私にびっクリしていました。「なに考えてたの? 元彼(宮園真一:みやぞの・しんいち:35歳)のことか?」と訊くと、『ばかね。違うわよ。でも、電話をするのは緊張したわ。』やはり宮園のことを考えていたようです。「久しぶりの元彼の声を聞いて、いかがでしたか?」と、おしぼりをマイクに見立てて、美織に差し出し、私は、からかうように言った。
『ウフフ。やめてよ。本当に緊張したんだからね。』私の砕けた態度に、美織の気分も楽になったようです。「宮園は君からの電話、直ぐにわかったの?」、『うん。それは直ぐにわかったみたい。びっクリしていたけどね。うふふ。』って妻は何かを思い出したようだ。
「なにニヤ付いてんだよ。昔を思い出したのか。」私は、嫉妬を隠して、肘で美織の脇腹を小突きます。『うふふ。違うの。昔とチットも変わってない返事で笑っちゃったの。勝手な解釈して。』、「君が電話したことで?」、『そう。私が結婚した事は知ってたけどね。ふふふ。〔旦那と何かあったのか?〕ってふふふ。私が“違うよ! ちょっと友達と話しをしていたら、貴方の名前が出たから、電話しただけ!”って言ったのよ。』
「彼はなんて言ったの?」、『人の話を聞かない人だから。〔まあ、夫婦には色々あるから、少しくらいの事は我慢しないとな。〕、だってフフフ。〔相談にのるから会おう。〕だってハハハ』、「はァ? わかりやすい奴だなあ。見え見えじゃないか。」、『でしょ! そう言う人なのよ。〔それで、いつならいいの?〕って言うのよ。』
「電話しただけで、もう会うことが前提?」、『だから。そう言う人なんだってば。』いささか私は呆あきれて、「まあ、昔寝た女から電話があったら、またやれる。と、男は思うかも知れないなあハハハ。」、『だから言ったでしょ。会ったら、あの人は誘うって。』、「今回はそれが目的だけどね。聞いただけで、こんなになっちゃった。」
私は妻の手を取って、ズボンの上から触らせた。『よしなさいよ、こんな所で。硬い。えっ? こんな話で硬くなるの?』コートの下で妻はギュッ!っと勃起したペニスを握りしめます。「それで会うことにしたんだろ? いつなの?」と訊ねた。『一応、来週の土曜日の2時になったわ。どうしたらいい?』美織は自分で約束をしておいて、最後の決断は私に迫ります。 その10話に続く
20190801
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