長A〖異端な夫婦〗その8話
その7話 20190726
「そう。それはいいけど、連絡は付いたの?」
『うん。付いたよ。』
《えッ!! 付いた?!!》と、危うく大声が出そうになり、私(水原誠司:みずはら・せいじ:34歳)は青い空を見上げ、大きく息を吸います。
「そうか元彼はまだ前の会社に居たんだ。それで?」
『貴方、今どこにいるの?』
「今? これから帰るところだよ。会社の近くだけど。」
『じゃあ一緒に帰ろうよ。駅前の喫茶店で待っているから。』
妻(水原美織:みずはら・みおり:32歳)は宮園(真一:みやぞの・しんいち:35歳)と連絡が付いた事だけを告げて、電話を切りました。
「そうか、宮園はずっと同じ会社に居たのか。」と独り言。
これまでに妻を抱きながら、聞き出した話しによると。宮園は身長が185センチもあり、当時はバレーボール部の後輩を見に来ていて、美織は別のサークルだったが、今風に言うと、合コンで知り合ったらしい。宮園からのアプローチは執拗だったようで、美織は根負けして付き合いが始まります。半年後、宮園のアパートに誘われた美織は、半ば危険を承知で行き、成り行きのまま、結ばれた。美織にとっては、初めての男です。誘われるままに、幾度も抱かれ、徐々に体も慣れた頃に、宮園の浮気が発覚します。付き合いを始めて、1年半位の頃だったそうだ。その後、美織は話し合いの末、宮園との交際を断ちます。
私が元彼と会う事を、奨めたとは言え、会ったら。『宮園さん、本当に私を抱くわよ。』と言った妻の言葉に、私の脳裏には、元彼に抱かれ、歓喜の声をあげる妻の姿態が、ストロボ映像のように浮かび上がった。その映像は、私に強烈な嫉妬と異常な勃起をもたらします。普通なら、嫉妬と怒りのはずだろうに、妻の美織が待つ喫茶店に向かう電車の中で、私は、硬く勃起していたことが恥ずかしかった。
待ち合わせの喫茶店へ着くまでの間も、私は美織から聞いた宮園との成り行きを反すうしながら歩きます。しかしその間も、頭の半分では、(SEXの具体的な中身を、美織は言葉を濁して、語らないのだが)、妻が『宮園さんのペニスは貴方より大きかったわ。』って言う一言が、私にまだ見ぬ宮園のイメージを、大きく膨らませていた。
はやる心を秘めて、私は喫茶店のドアを開けます。店の一番奥のテーブルに美織の姿があった。私はコートを脱ぎ、それを抱えたまま、妻のそばに座ります。向かい合わせだと、声が大きくなる、咄嗟の判断だった。 その9話に
20190726
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