長A〖異端な夫婦〗その1話
長A〖異端な夫婦〗その1話
(原題:夫婦の軌跡。始まり 投稿者: 浩二 投稿日:2012年)
『そんなの。覚えてないわよ。』
「さわった感じとか。入ってきた時の感じは?」
『覚えてないわ。ただ痛いだけだったし・・。』
「でも、何度もしたんだろ? 2年も付き合っていたんだから。」
『そんなにしてないわよ。でも。こんな話をどうして聞きたいの?』
妻の美織(みおり)と結婚して7年、夫婦生活にもマンネリを感じ始めていた私(水原誠司:みずはら・せいじ:34歳)は、結婚当初から聞くに聞けなかった妻の過去を口にし始めていた。32歳になった妻の美織に、まったく不満はないし、むしろ愛は深まり、女として成熟した妻を誇らしくさえ思えていました。始めて結ばれた時、処女ではなかったことを除いては、です。
《過去は誰にでもある。そんなことを根掘り葉掘り聞くのは男らしくない。》と、思ってきました。しかし、美織に高校の同窓会の通知が来た時、出欠を迷う妻の姿から、聞きたい欲求が芽生え始めたのです。「出席すればいいじゃないか。会いたくない人でもいるの?」と、子供のいない私たち夫婦の食事を支度しながら美織は『そんな人はいないけどね・・。』って口ごもった。
後ろから見る妻に、《少し肉付きがよくなったなぁ。》と心の中でつぶやく。思い切って、「元彼でもいるの?」って訊いてみます。すると、『ぅふふ。馬鹿ねぇ。そんな心配していたの? 元彼は年上だったし、もし同期だったら行かないわよ。』って、美織はサラリと言った。『元彼が年上だった。』妻の口から始めて聞く言葉です。私はつとめて冷静を装い。「へぇ。美織の元彼って年上だったのかぁ。どのくらい付き合ったの?」
私は付き合った期間を聞いたつもりだったが、妻の肩が一瞬止まった。『・・なにそれ。普通じゃない? 普通に付き合ったわよ』って、美織は明らかに動揺しています。言いよどむ妻が私にはなぜだか可愛く思えた。
それで「ハハハ。期間。付き合った期間だよ。なに焦っているの?」とからかう。美織が、『期間? ぁぁ。2年位かなあわたし、同窓会には行かないわ。そんな心配貴方にかけてまで行くつもりないからね。』妻は半分笑いながらテーブルに料理を並べ始めた。
私に近付いた時、強引に美織の腰に手を当て、引き寄せます。『あッ! 危ないじゃない。』、「行って来いよ。いいから。」と言うと、妻はまんざらでもなさそうに私の膝に座り込んだ。後ろから手を回して私は妻の豊かな胸のふくらみを揉みます。『行かないよ。妬きもち妬きの人がここにいるから。』って妻は笑いながら私の膝の上でお尻をゆすった。
その2話へつづく
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