「莉奈と徹さん」 第14話
短I「莉奈と徹さん」 第14話
風の冷たい当日(水曜日)に俺は徹さんと、莉奈に、頻繁に連絡を取り合いました。莉奈は夕方5時半頃に帰って来る。『寒いわねぇお風呂で温まっていい?』と訊いてくる。その時に《今日はうまくゆく。》俺は、そう思いましたいつもは寝る前に入るお風呂に、帰宅直後に入るのは、これから起こるかも知れない事に備える意思の表れだと思いました
「いいよ。温まって来いよ!隅々まできれいに洗って来いよ特にあ・そ・こは!」
『ばか!ふぐを食べるだけだからね!』
「そうだよ。」
風呂から上がってから、莉奈の化粧は入念です。着ていく服も濃紺のスカートにベージュ色のトックリセーター。胸のふくらみが、きれいな曲線を描いています。その上からコートを羽織り、赤いマフラーを巻きました。いつもはアップにしている髪も、今日は一つに束ね、白い花飾りで留めています。
スーパーに寄り、ツマミを買って、徹さんの店に向かいました。店に入り、徹さんに声をかけると、〔おぉ真ちゃん、上がってくれ〕と2階から返事がありました。部屋に入ると、徹さんは、Tシャツ姿で鍋の材料を皿に盛りつけている最中。
「アーアー!徹さん・・白菜が外に落ちているよ、あッ豆腐も。」
〔ハハハハ参ったなぁ皿が小さすぎたかなぁ。〕
『薬味は作ったの?』
〔薬味?ああ葱と紅葉卸し(大根と唐辛子を一緒におろしたもの)かぁ。〕
『やってないなら私がするわ。』
〔ごめんなぁ莉奈ちゃん葱は冷蔵庫にあるから。〕
『いいわよ。あなた紅葉卸し(もみじおろし)できる?』
「もみじおろし?」
『徹さん、大根と鷹の爪はあるの?』
大騒ぎでしたが、何とか鍋を囲む事が出来ました。ただ、この騒動が、莉奈と徹さんの緊張を取り除いてくれたのです。徹さんは、ふぐの食べ方を嬉しそうに語り、莉奈は、それをニコニコ笑って聞いていました。
「う・う・う!当たったかもう!う!」
〔莉奈ちゃん旦那当たったらしいよ。〕
『ぅふふ!口塞いじゃって!』
〔じゃぁ二人で雑炊でも食べようか?〕
「えッ!雑炊?俺も食べる!」
『ふぐの雑炊って美味しいんでしょ?』
〔美味いよぉこれを食わなきゃ、ふぐちりの意味がないよ。〕
俺と莉奈は、ふぐを始めて口にしましたが本当に美味いですねぇ。莉奈と徹さんで後片付けが始まり、俺はソファで横になりました。しばらくは、二人の笑い声や話し声が聞こえていたのですがフッと気づくと、シーンとしています?“チュッ!チュッ!”俺は頭を持ち上げ、キッチンの方を見ると、徹さんに抱きすくめられた莉奈が、目を閉じて唇を奪われていました。
2014/12/20
風の冷たい当日(水曜日)に俺は徹さんと、莉奈に、頻繁に連絡を取り合いました。莉奈は夕方5時半頃に帰って来る。『寒いわねぇお風呂で温まっていい?』と訊いてくる。その時に《今日はうまくゆく。》俺は、そう思いましたいつもは寝る前に入るお風呂に、帰宅直後に入るのは、これから起こるかも知れない事に備える意思の表れだと思いました
「いいよ。温まって来いよ!隅々まできれいに洗って来いよ特にあ・そ・こは!」
『ばか!ふぐを食べるだけだからね!』
「そうだよ。」
風呂から上がってから、莉奈の化粧は入念です。着ていく服も濃紺のスカートにベージュ色のトックリセーター。胸のふくらみが、きれいな曲線を描いています。その上からコートを羽織り、赤いマフラーを巻きました。いつもはアップにしている髪も、今日は一つに束ね、白い花飾りで留めています。
スーパーに寄り、ツマミを買って、徹さんの店に向かいました。店に入り、徹さんに声をかけると、〔おぉ真ちゃん、上がってくれ〕と2階から返事がありました。部屋に入ると、徹さんは、Tシャツ姿で鍋の材料を皿に盛りつけている最中。
「アーアー!徹さん・・白菜が外に落ちているよ、あッ豆腐も。」
〔ハハハハ参ったなぁ皿が小さすぎたかなぁ。〕
『薬味は作ったの?』
〔薬味?ああ葱と紅葉卸し(大根と唐辛子を一緒におろしたもの)かぁ。〕
『やってないなら私がするわ。』
〔ごめんなぁ莉奈ちゃん葱は冷蔵庫にあるから。〕
『いいわよ。あなた紅葉卸し(もみじおろし)できる?』
「もみじおろし?」
『徹さん、大根と鷹の爪はあるの?』
大騒ぎでしたが、何とか鍋を囲む事が出来ました。ただ、この騒動が、莉奈と徹さんの緊張を取り除いてくれたのです。徹さんは、ふぐの食べ方を嬉しそうに語り、莉奈は、それをニコニコ笑って聞いていました。
「う・う・う!当たったかもう!う!」
〔莉奈ちゃん旦那当たったらしいよ。〕
『ぅふふ!口塞いじゃって!』
〔じゃぁ二人で雑炊でも食べようか?〕
「えッ!雑炊?俺も食べる!」
『ふぐの雑炊って美味しいんでしょ?』
〔美味いよぉこれを食わなきゃ、ふぐちりの意味がないよ。〕
俺と莉奈は、ふぐを始めて口にしましたが本当に美味いですねぇ。莉奈と徹さんで後片付けが始まり、俺はソファで横になりました。しばらくは、二人の笑い声や話し声が聞こえていたのですがフッと気づくと、シーンとしています?“チュッ!チュッ!”俺は頭を持ち上げ、キッチンの方を見ると、徹さんに抱きすくめられた莉奈が、目を閉じて唇を奪われていました。
2014/12/20
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